バニラ(Vanilla planifolia)の育て方

バニラ(Vanilla planifolia)の育て方

バニラは古くから香料として用いられていました。現在でもアイスクリームの香料などに用いられていますが、その歴史は非常に古いです。いつから栽培されるようになったのかは詳しくは分かっていませんが、アステカ文明の頃から栽培されていたと考えられています。

バニラの栽培の方法

バニラを種から育てたいと考える人もいると思いますが、これはなかなか難しいです。というのも、加工されたものは市場に出回りますが、生の状態の種は需要が少ないために、入手が難しいからです。また、日本の気候で栽培するのは難しいと言うこともあって、種付けは基本的に行われません。

植え付けから入ると考えておいた方が良いです。植え付けや植え替えは6月から8月頃に行います。暖かい地域に育つ植物ですから、寒い時期に植え付けをしても弱ってしまったり枯れてしまったりしますから注意が必要です。水苔に植え付けるのが基本です。ビートモスなどの用土に植えることもできます。

ツルが伸びてきますから、鉢を高いところに置くか、あるいは吊り鉢にするのが良いです。暖かい地域の植物ですから日当たりの良い場所を好みますが、直射日光は好みません。夏の暑い日の直射日光は避けます。それ以外の時期には日光の良く当たる場所においておくと良いです。

高温多湿を好みますから、植え付けた水苔を常に湿った状態にすることが必要です。冬は少し乾燥してもかまいませんが、やはり水苔が乾燥してしまわないように注意が必要です。生育しているときには肥料を好みます。

春から秋の間は2週間に1回くらいの頻度で肥料をやると良いでしょう。寒さには弱いですから、冬越しには注意が必要です。できるだけ暖かい場所において、高温多湿の状態を作ります。たとえばワーディアンケースに入れるなどして、寒さに直接当たらないようにします。

バニラの育て方の注意点

バニラは土壌に生える植物ではありませんから、プランターに植えると枯れてしまいます。種としてはランの仲間ですから、水を好みます。根鉢にあった大きさの鉢に植えることが必要です。槌に植えるのではなくて、水苔に植えるのが良いです。水を好みますが、根腐れもしますから注意が必要です。

乾いたら水を与えるといった方法が適しています。適した温度は高めです。夏は問題はありませんが、冬には注意が必要です。冬は部屋に取り込むのが良いです。部屋に取り込んで、少し水を少なめにします。暖かい場所を好みますから、たとえばホットカーペットなどで暖めるのも良い方法です。

もちろんですが暖めすぎるとダメで、27度くらいが適しています。バニラはツルで育ちいますから、伸ばそうと思えばどんどん伸びていきます。広い場所で栽培するのならそれも良いですが、そうはいかない場合が多いです。伸ばしたくないのであれば、適当な長さになったときにカットしていくと良いです。

肥料については、あまり必要ありません。ランの仲間ですから、他のランと同じように肥料は好まない方です。やり過ぎると生育が悪くなります。ですから、薄い液肥をたまに与えてやるくらいで十分です。バニラビーンズを収穫するのはかなり大変です。難易度は非常に高く、特に冬の扱いが問題となります。

冬の寒さをどう乗り切るのかが管理の上で最も重要なことだと言えるでしょう。かなり本気になって環境を整えないといけませんし、また受粉をさせるのも難しいですから、できないとは言いませんがかなりハードルは高いと思っておいた方が良いです。なお、増やすのは簡単で、挿し木でどんどん増えていきます。水苔に挿し木をして適当な環境においておけば良く育ちます。

バニラの受粉について

バニラの受粉は、現在では人工的に行われるようになってきましたが、それができるようになるまでには時間がかかりました。中央アメリカではバニラビーンズを育てて乾燥熟成処理を行う技術が確立されていました。ヨーロッパにもたらされたのですが、受粉ができずに、結実することはなかったのです。

というのは、自然界では昆虫のオオハリナシバチが受粉を媒介するのですが、それがヨーロッパにはいなかったために、結実させることはできなかったのです。そのため、バニラはメキシコでしか栽培できない植物で、メキシコが独占していたと言っても良いでしょう。1841年になると人工授粉の手法が開発されます。

その結果としてバニラは世界中で栽培できるようになったのです。また、乾燥熟成の過程も非常に難しいです。バニラビーンズは、生の状態では全く香りがありませんし味イモありません。乾燥熟成を行って始めて香りが生じます。

人工授粉にも人手がかかりますし、乾燥熟成にも時間がかかると言うこともあって、天然のバニラは非常に高価なものだと言わざるを得ません。具体的には、まずバニラビーンズを天日干しに、そしてむしろに包んで湿気を出します。天日干しと湿気出しを繰り返していくことによって香りが生じてきます。

これをさらに乾燥させて3ヶ月間にもわたって熟成させることによって、やっと香料として使うことができるようになります。育て方よりも香料に加工する段階が非常に難しく、また手間がかかりますから、天然のものは効果にならざるを得ないのです。

バニラの歴史

バニラは古くから香料として用いられていました。現在でもアイスクリームの香料などに用いられていますが、その歴史は非常に古いです。いつから栽培されるようになったのかは詳しくは分かっていませんが、アステカ文明の頃から栽培されていたと考えられています。

ですから、原産は中央アメリカなどで、この地域を生息地としていた植物だと考えられています。アステカ文明で栽培されていたものがヨーロッパへもたらされます。コロンブスが新大陸を発見し、その後にスペイン人がヨーロッパへと持ち込んだのです。これが西暦1520年のことです。

これがヨーロッパで人気を集めるようになります。特に、宮廷ではバニラがブームとなります。当初はカカオとバニラビーンズを混ぜて飲み物として用いるのが一般的で、他のものに香料として用いられることはありませんでした。しかし、その後はお酒の香料として用いられたり、タバコに用いられたり、あるは香水に用いられたりするようになったのです。

バニラの特徴

バニラは中央アメリカの植物で、メキシコあたりが原産だと考えられています。この地域の気候が合っているために、メキシコやグアテマラ、ブラジル、パラグアイなどで栽培が行われています。他にもマダガスカルやインドネシアなど、かなり暖かい場所で栽培されて言います。

ツルで諸脱植物で、ツルは樹木などに絡んで成長していきます。かなり長くなることもあって、数十メートルくらいまでは成長します。バニラの香料として用いられるのは種子です。収穫したばかりの時には香りはなく、これを発行したり乾かしたりして始めて香りが生じます。

日本の気候はあまり合っていないと考えられます。どちらかというと観賞用として用いられています。販売はされていますが、香料をとるくらいにまで成長させるのは難しいです。元々暖かい地域の植物だと言うこともあって、日本では開花までには至りません。

冬に高い温度にしなければならないことや、株が大きくなる必要があることなどから、日本で開花させるのは非常に難しいと考えられます。バニラが開花すれば、その日のうちに花は散ってしまいます。

受粉すれば、その後は30センチくらいの長さの実ができます。かつては受粉が難しい植物と言われ、中央アメリカ以外の地域では結実にまでいたらなかったそうですが、現在は人工授粉ができるようになり、世界中で栽培されるようになっています。

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