アグロステンマの育て方

アグロステンマの育て方

アグロステンマは原産地が地中海沿岸で、日本に渡来したのは1877年のことでした。渡来した当初は切花として利用されていたのですが、丈夫でよく発芽するという性質のため、花壇などでも植えられるようになりました。アグロステンマの名はギリシャ語の畑を意味するアグロと王冠を意味するステンマが組み合わさってできたもので、畑に美しく咲くという意味があります。

アグロステンマの育て方

アグロステンマを栽培するにあたっては水はけの良さと日当たりの良さを重視するのがベストです。また風の強い場所は避けたほうが良いです。茎は細いのですが、アグロステンマは草丈がよく伸びますので風が強いと倒れてしまう恐れがあるからです。

特に花が咲いている時期は頭部分が重くなってしまうので要注意です。鉢植えで育てる場合は土を弱アルカリ性に保ったほうがよいので、赤玉土の中粒を5、腐葉土を3、酸度調整をしてあるピートモス2を混ぜ合わせた土を用意します。そして用土1リットルにつき2gの苦土石灰を混ぜて適量のリン酸分の多い緩効性化成肥料を施しておくのが良いです。

アグロステンマは3月から4月もしくは10月から12月にかけて植えつけます。種付けしたものをまきたい方は9月から10月頃がオススメです。肥料は庭や花壇などに植えた場合は特に必要ありませんが、鉢植えであれば10月から4月までは緩効性化成肥料をあげましょう。

水やりは鉢植えは土の表面が乾いた時にたっぷりとあげればいいのですが、水をあげ過ぎてしまうなどして過湿になると根腐れを起こしやすいので鉢底石を敷くなど対策しておくのが育て方のポイントです。庭植えの場合は特に水やりをしなくても雨で十分です。

ただ水やりの時に注意したいのは茎や葉に水をかけないようにすることです。これはアグロステンマの茎や葉には柔らかい産毛が生えているからで、ここに水がかかってしまうと産毛と絡まってなかなか下に落ちないので過湿となってカビが生えてしまう心配が出てくるからです。

栽培する上でしなくてはいけないこと

アグロステンマを栽培していると草丈が高くなってくるのに驚くことがあります。茎は細いので支柱をたててあげると花が咲いても倒れにくくなります。4月から5月くらいにはかなり高くなってきているので必要であれば支柱で支えてあげましょう。また育て方のポイントは他にもあります。

それは秋に種をまいたはいいけれど大きくなりきれなかった苗や植えつけるのが遅くなってしまった苗は12月から2月頃にかけて霜柱によって土の上に持ち上げられてしまうことがあるので、それをしっかりとおさえてあげることです。これをしておかないと苗の根が乾燥して枯れてしまいます。

時々植えつけた場所を見回ってそういう苗がないかをチェックしておくと安心です。9月から11月と3月から6月の間はアブラムシの発生に要注意です。特に新芽は狙われます。もしアブラムシを1匹でも見つけたらただちに除去しましょう。栽培している上では避けて通ることが難しいアブラムシはあっという間に増えてしまいますので、早めの対策が大切なのです。

そして5月から6月頃は雨がよく降るので過湿となりやすく、灰色カビ病になりやすいです。鉢植えであれば開花している間は雨にあたらないように気をつけてあげたり風通しを良くしてあげたりするとこの病気を防ぐことができます。

アグロステンマを種付けの育て方

アグロステンマは花が咲いた後に種付けされるので、その種を使って増やすことができます。庭植えの場合は種付けされたものが地面に落ちてそこから発芽し、毎年どんどん増えていくことができます。鉢植えの場合は種を採取したら発芽するまでは日陰で管理し、発芽した後は日向へ移動してあげましょう。

寒冷地の場合はフレームに入れて管理してあげる必要がありますが、一般的な場所ではその必要はなく、冬であっても戸外で管理すればよいです。庭植えする場合は水はけの良い場所に植えるのが良いです。発芽する適温は20度前後です。ですから種を植えるのであれば9月以降が良いです。

植える時は20cmから30cm間隔で4粒から5粒ずつまいていくといいです。種自体はそれほど小さいものではありませんから扱いにくいということもなく、まきやすいです。アグロステンマが発芽した後は適当に間引いて栄養が行き渡るようにしてあげるといいです。

また本葉が2、3枚出てきたらポットなどに1本ずつ植えて苗を育て大きくなった頃に花壇やプランターなどに植え替えてあげても良いでしょう。苗にしてから植え替える場合はなるべく晩秋までには植え替えを完了させておかないと、冬がくるまでの間に根をしっかりと張らせることができませんのであまり遅れないようにしなければいけません。

アグロステンマにもいくつかの品種があります。真っ白な花を咲かせるオーシャンパール、紫に近いピンク色の花びらの中央が白くなっているギタゴ、明るいピンクに中央が白くなっているパープルクインなどもあります。

薄いピンク色がまるで桜貝に見えることから桜貝と名付けられている品種もあります。優しい色は心をなごませます。いくつかのカラーを植えてみるのも良いですが、群生させるのであれば一つのカラーをたくさんに増やしてあげると非常に見ごたえもありますし、美しいです。

アグロステンマの歴史

アグロステンマは原産地が地中海沿岸で、日本に渡来したのは1877年のことでした。渡来した当初は切花として利用されていたのですが、丈夫でよく発芽するという性質のため、花壇などでも植えられるようになりました。アグロステンマの名はギリシャ語の畑を意味するアグロと王冠を意味するステンマが組み合わさってできたもので、畑に美しく咲くという意味があります。

実はヨーロッパでは畑に植える雑草だったというところから由来しています。ですから、雑草のように生えているということであればわざわざ栽培する必要もないということで、ヨーロッパではそれほどポピュラーではありませんでした。和名はスギセンノウといいますが、これは麦畑に生えてくるセンノウや葉が麦に似ているセンノウだからなどいろんな説があります。

生息地はヨーロッパやアジアなどです。麦撫子という別名もあります。この植物はヨーロッパで雑草扱いに近いくらい繁殖力があるので、一度植えればこぼれ種などから発芽してあっという間に増えてしまっていることがあります。アブラムシやアオムシには注意が必要で定期的に薬剤などを散布する必要はありますが、比較的簡単に育てることができるので、初心者の方が育ててみるのも良いのではないでしょうか。

アグロステンマの特徴

別名でムギナデシコというものがあるようにナデシコ科です。1年草で、花の直径は7cmから8cmほどありますが、白やピンク色のカラーは上品で清楚な印象を与えます、切花にしても長持ちしやすいのが良いところです。草丈は60cmから90cmほどにもなります。

茎や葉の部分には柔らかい産毛のようなものが生えており、見た目的には銀色がかったグリーン色です。かなり丈夫な植物なので日本国内でも半野生化しています。単独で植えておくよりはできれば群生させたほうが花のじゅうたんのようになって美しいです。開花は5月頃から7月頃までなのですが、放っておくとこぼれ種ができて次の年もたくさんの花を咲かせるようになります。

ただ咲き終わった花はもう咲きませんので、切り取ってしまうほうが他の株に栄養をまわせるので良いです。風通しを良くしておいたほうがハダニなどの害虫の発生を防ぐことができます。とにかく蒸れさせないように株が込み合っている場所は茎を切るなどして対策をしておいたほうが良いでしょう。水はけの良い痩せた土地に植えるのがオススメです。

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