カンガルーポー(アニゴザントス)の育て方

カンガルーポーの育てる環境について
一年を通して暖かい気候のオーストラリアに分布するカンガルーポーは、寒さに弱いです。栽培する際は、春と秋は日当たりのよい日当たりの良い場所においてください。夏は、暑すぎると弱る原因になるので夏場は風通しのよい日陰で育てるとよいでしょう。涼しい場所なら、元気に育つことができます。
じめじめとした時期が続く梅雨の時期は、湿気や雨で根腐れしないように、軒下やベランダなど雨が当たらない場所に置いてください。室内に置くスペースがない場合は、雨が当たらないように雨よけを作るなどの工夫をする必要があります。冬は霜や寒風によって痛むことがあります。
耐寒性があまりないので、マイナス5度を下回るようなら室内に入れてあげるとよいでしょう。地域によって異なりますが、11月頃になったら室内に移動しましょう。室内に置く場所がないのなら、早めに冬囲いなどの寒風対策をしてください。寒さを乗り越えれば、また花を咲かせてくれます。
オーストラリアと日本の気候の違いは、カンガルーポーにとって大きなストレスになります。些細な変化にも気がつくようにして、大切に育てていきましょう。また冬越しができず枯れてしまったときも、株部分は生きている可能性があります。
そのまま諦めてしまう前に、まずは新芽がでる時期まで大切に育ててみてください。枯れたと思った花が咲いたときは、嬉しいものですし植物の強さを感じます。。一度失敗した経験は次にいかしていきましょう。
種付けや水やり、肥料について
カンガルーポーは乾燥に強いといっても水が足りなくなると、弱っていきます。土の表面が乾いたら、水やりをしてください。しかし、水をあげすぎると今度は反対に根腐れする原因になります。土が濡れている間は、水をあげるのはNGです。
水やりをする際に、上から水をあげないようにしましょう。葉や茎から水がつたってたまり、枯れることがあります。土に直接水をあげてください。花が咲く時期が過ぎたら、休む時期にはいります。この時期は、必要最低限の水だけをあげましょう。
人が活動しないとあまりお腹が空かないように、花も適度な量の水やりが大切です。土を若干乾かし気味にすると、耐寒性があがり厳しい冬を乗り越えやすくなります。冬も同様に土を乾燥ぎみにしてください。肥料は根腐れしないように、水はけのよい土がおすすめです。
元肥は効果がゆっくりとあらわれて長持ちする緩効性肥料を混ぜてください。肥料で注意したいのが、リン酸が多く含まれている液肥の使用です。リン酸が多すぎるとストレスがたまり、枯れる原因になります。使用する場合は2000倍以上は薄めてから使ってください。
植物も人と同じです。心地よいと思える環境を作ってあげることで、すくすくと育ちます。追肥は生育期に行います。液体肥料の場合は春、秋は1ヶ月に3回を目安に行います。夏は月1回です。弱っている場合は、行う必要はありません。
また花が咲いている間も追肥をしなくて大丈夫です。固形肥料の場合は、春の栽培のスタート時期・花の咲き終わり・秋頃に緩効性のものを使用するとよいでしょう。また株が大きく育ったら、植え方をしなくてはいけません。
植え方時期は春か秋に行います。目安としては2~3年です。鉢から抜いたら、大きめの鉢に移してください。株を大きくしたくない場合は株分けをするとよいでしょう。背が高い場合はバランスを考慮し、深さがある鉢を使用します。
増やし方や害虫について
カンガルーポーは基本的に株分けで増やしていきます。株分けは植物に大きな負担をかけます。そのため、株分けはこれから花を咲かせるための準備をする時期に行います。成長に向けて力強く育つ時期である春がおすすめです。春以外なら秋に行いましょう。
株分けをする際は最初に株を抜き、土をすべて落とします。次に株を2つに分けましょう。この際にどちらの株にも新芽がつくように分けてください。そして、そのまま鉢に植え替えたらいきなり徐々に太陽に慣れさせていきます。しばらくは半日陰に置いてください。
根がしっかりと生えてきたら、太陽の下に置いて大丈夫です。栽培方法も通常通りに行って問題ありません。種を撒いて増やす場合も春か秋に行います。芽がでるまえに、約2週間ほどかかります。また発芽しやすいように種まきをする際は、撒く前に種を60度のぬるま湯につけておきましょう。
このときにお湯の温度が下がらないように、こまめにお湯を足してください。60度以上のお湯につけると種が死んでしまうので、注意が必要です。カンガルーポーはナメクジによる食害に注意しなければいけません。葉にナメクジがはったあとを見つけたら、早めに対策をとりましょう。
また日本の高温多湿な気候が原因でインク病になる可能性があります。インク病の症状は、葉が黒く変色します。葉が変色したら、銅水和剤を使うとよいでしょう。そのまま放置すると、弱ってしまい枯れてしまいます。
カンガルーポー(アニゴザントス)の歴史
ハエモドルム科の植物で、生息地はオーストラリア南西部です。別名「アニゴザントス」とも呼び、咲いた花の形状がオーストラリアに生息する有名な動物カンガルーの足に似ていることから、「カンガルーポー」という名前がつきました。「ポー」とは、足を意味します。
また、別名であるアニゴザントスは「血の贈り物」という意味があります。これはオーストラリアの人々が、カンガルーポーの茎を食べていたことが由来となっています。他にもアニゴザントスには、ギリシャ語で開く花という意味もあります。
オーストラリアに関連する言葉が名前の由来になっていることから、オーストラリアの人々にとって馴染みのある花であることがわかります。現在では品種改良によって、200以上の園芸品種が存在しています。交配種の中には病気に強いものもあり、育てやすくなりました。
日本には昭和40年頃に輸入され、野生の植物の中で、もっとはやく輸入された花でもあります。栽培だけではなく、ドライフラワーや生花などにも多く使われています。これはカンガルーポーが生花の状態のときから、枯れた印象があるからです。ドライフラワーにするのも容易で、
花に強い香りがついていないのでポプリにも使われています。色みが強く野性的な印象があることから、生花では少ない本数でも存在感があり華やかさを演出できます。育てるだけではなく、様々な利用方法があるのがカンガルーポーの魅力であり人気の理由と言えるでしょう。
カンガルーポー(アニゴザントス)の特徴
オーストラリア地方原産のカンガルーポーは多年草の仲間で、毎年花を咲かせます。しかし、暑さや寒さに弱いデリケートな花でもあるので、栽培するときは水やりや栽培場所など育て方に注意が必要です。先端に咲く花は6つの筒状になっており、花も茎も細かい毛にびっしりと覆われています。
花は一般的には黄色や緑が多いですが、種類によっては美しい黄緑や赤、黄色、ピンクなどの花を咲かせます。先端に数個の花を咲かせ、横向きにかたよります。他の花とは違った咲き方をしますが、稲穂のように連なっているので存在感があるのが特徴です。
株によっては一つの花茎に30個以上の花を咲かせるので、育てがいのある花といえるでしょう。葉は根本から生え、先端が鋭い剣状になっています。幅は約2cmほど、長さは1mほどの長さになります。大きな株だと2m以上の長さになることもあります。
高さは60cmほど、大きく育つと1mを超すのもあります。花が咲く部分に葉が見えないのもカンガルーポーの特徴です。枝分けの栽培だけではなく、花にはたくさんの蜜があり受粉による栽培も可能です。実はさく果で、熟して乾燥すると実が避けて種を散布します。
名前の由来になったカンガルーの足のような形になるのは受粉の時期です。これは鳥や虫達が止まりやすくするためで、こうすることで受粉しやすくなるからです。また雄しべと雌しべを守る役割を担っています。カンガルーポーのユニークな花の形は、厳しい自然の中で生き残るための手段だったのです。
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