ルナリアの育て方
育てる環境について
二年草であるルナリアの育て方として、好条件で育てるには原産地と同じ環境下で栽培するのが適しており、ヨーロッパの気候同様に比較的寒さに強いために、国内においても北から南までの全地域で栽培が可能となる二年草です。日当たりや置き場所としては耐寒性に優れていますが、日陰では花付きに影響を与えてしまうために一年を通して日当たりの良い場所で育てるのが最適な環境です。
ですが、通気性の良い半日陰の場所も好むため、鉢植え庭植えの両方で楽しめる二年草です。耐暑性は真夏の直射日光また、西日が射すほどの気候でない場合には十分に成長させることが可能で、もっとも適温となるのが18度から25度であり、成長とともに花付きも良くなります。
温暖な地帯においては、できる限り風通しの良い涼しい場所で育てるのがルナリアの環境に適しており、耐寒性は氷点下にまで耐えることができるため、温暖な地帯においては冬越しも外で可能です。さらに日当たりだけではなく乾燥した環境を好むのも特徴であるため、風通しはもちろんですが、用土には水はけの良いものを選び、
土壌によって水溜まりする場合には砂利を用土に混ぜることで水はけを良くし、好条件で花を開花させることを可能にします。さらにルナリアは芳香な花を観賞する楽しみがあるため、開花環境として冬の低温も必要になり、北国では霜による霜枯れを防ぐためには鉢植えで軒下管理で苗の成長を促すことも求められます。
種付けや水やり、肥料について
ルナリアはタネまた園芸店において販売されている苗から育てることが可能な二年草であり、タネ蒔きが遅れてしまうことで夏越しが難しくなり、冬に発芽させることが困難になるため、早春にタネ蒔きを行うことが重要です。用土には赤玉土に2割の腐葉土を混ぜた土が適しており、発芽まではビニールポットで管理します。
ルナリアは弱酸性の土を好むために石灰を混ぜ込み植え付けを行うのも適しています。二年草であり翌々年に花を咲かせますが、鉢植えで管理する場合には鉢底で根詰まりを起こす場合、一回り大きな鉢に植え替えます。発根や発芽した後は植え付け適期となる6月頃に、根を傷めないように扱いながら植え付けを行うことで根付きにくさを無くし、根を張らせることが可能です。
過湿は根腐れの要因となるため、風通しの良い涼しい場所で管理します。水やりのポイントとしては、乾燥を好むために土の表面が乾いたらたっぷり与えますが、夏時期は気温の上昇により土が乾きやすく生育が衰えやすくなり、比較的水をたっぷり与えがちですが、高温多湿な気候においては根からの吸水力が弱まりやすいため、
水やりは過湿にならない程度で十分です。肥料は月1回、定期的に薄めた液体肥料を与えますが、気温が下がる秋以降は苗の周囲に窒素やリン酸などの化成肥料を蒔き、早春にも追肥で少量与えることによって成長を促し、枝分かれも良くなることで花数を増やすことが容易に可能で、育て方のポイントです。
増やし方や害虫について
観賞用としてルナリアを育てる場合、タネから増やすことができ、タネ蒔きの時期は春が適期であり、二年草であることからも一年草よりも開花までの期間が長いのが特徴です。増やし方の注意点としては直根性の性質を持っているために、苗が大きく成長した後の植え替えは根付きが悪くなるため、
増やし方としては庭または鉢に直接タネを蒔く方法が適しています。またビニールポットに数粒ずつ蒔き、薄く土をかぶせて発根や発芽まで管理します。本葉が成長するまでに間引きを行い、5枚ほどに成長した後、根を傷めないように庭また鉢へと植え付けます。二年草であり、サヤから種子が落ちる前にサヤから出し、
乾燥させて涼しい場所で保管しておいたタネを利用するのも増やし方の1つです。植え付けは6月頃が適期ですが、苗の成長が未熟な場合には夏時期を避けた9月中旬まで待った後に植え付けますが、夏の育苗は半日陰の通気性の良い場所で管理しておきます。ルナリアは病気に強い反面、高温多湿な気候や水はけによって根腐れに注意を払うとともに、
アブラナ科植物でもあるために害虫としてアブラムシをはじめ、ヨトウムシやコナガ、アオムシが春から秋にかけて発生しやすい特徴が挙げられます。アブラムシは吸汁することで植物を弱らせ、アオムシは葉を食い散らす害虫で、放置することで二次被害として様々な病気を引き起こすために駆除が必要ですし、予防として春時期に薬剤を散布することが効果的です。
ルナリアの歴史
別名にゴウダソウやギンセンソウの名を持つルナリアは、学名Lunariaannuaで他にマネープラントという名を持つ二年草の植物です。ルナリアの歴史として原産地はヨーロッパであり、日本に持ち込まれるようになったのが20世紀初頭です。この二年草を原産地となるヨーロッパから日本へ持ち込んだ人物である合田という名前にちなみ、
和名にはゴウダソウが付けられている歴史が挙げられます。育苗期間が他の植物と異なり長めであり、暑さに弱いために生息地が限定されており、普及するには長い歳月を要していた二年草ですが、苗ではなくタネを日本に持ち込むことにより生息地を広げることに成功している歴史が存在しています。
大学教授であった合田氏の名前に由来する二年草であるルナリア属には、原産で栽培されている本種となるルナリアアンヌアだけではなく、多年草のルナリアレディビバと呼ばれる2種類の品種が現在栽培されています。ルナリアの名前の由来となるのがラテン語でルナとなる月が由来しています。この二年草の特徴の1つとなる円形のサヤが満月に見えることから付けられおり、
花が開花するまでのサヤの形状から古来より観賞用として親しまれている二年草です。そのサヤは別名、ギンセンソウと言われる通りにサヤの外皮とタネを外すと美しい光沢があり、ドライフラワーとして原産の土地では利用されており、丸みあるサヤの形は満月だけではなく、銀色に輝くことからコインに見立ててマネープラントとしても栽培されています。
ルナリアの特徴
ルナリアは生息地となるヨーロッパ同様、寒地に強い二年草であり、春から秋にかけてタネを蒔き栽培しますが、秋蒔きにより開花時期は翌々年の5月から6月の晩春からであり、赤紫色の花が穂状に咲き誇ります。花径は約2cm程度で花びらは十字状につき、花には独特の甘い芳香があり、赤紫色が一般的な花色ですが、
その他にも紫桃色や白色も現在普及している花色です。草丈は50cmから1m程度で、花を付けた後は一枝に鈴なりに10個以上の満月の形に似た平たい円盤状で半透明の膜状のサヤを付けるのが最大の特徴と言えます。花後は緑色のサヤであり、中のタネはまだ小さく、その後茶色へと色身が変化した後、外皮や隔膜が自然と剥がれ落ちます。
サヤは円盤状であるものの完全な円形ではないのも特徴で、1ヵ所だけが尖っており、サヤの中には数個の平たいタネが入っているのが透けているため目視できます。タネが入ったサヤは直径4cm程度で、さらにサヤ部分は上記に挙げたように熟すと外皮が割れ、タネが外れ落ちると薄い皮膜だけが残され、
この皮膜は銀貨のようにキラキラとした光沢があり、マネープラントとしての名前でも親しまれています。観賞用として長期間楽しむため、ドライフラワーとして状態を保つ活用法が出回っているのもこの二年草の特徴であり、青や赤などに染色加工され、インテリア雑貨として広く出回り、ドライフラワー目的で栽培が盛んに行われている地帯も増えています。
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