チェッカーベリーの育て方
育てる環境について
チェッカーベリーの育て方はそれほど難しいものではありません。置いておく場所は弱酸性の水はけの良い場所が良いでしょう。また高温多湿や夏の強い日射しも苦手なのですぐに移動できるように鉢植えにしておくか、日陰ができるような場所に植えるのが良いでしょう。
庭植えにする場合は腐葉土を混ぜて水はけを良くするようにすると良いです。鉢植えにする場合の土は例えば赤玉土を4、鹿沼土を4、ピートモスを2の割合で混ぜ合わせたものを使うというのがあります。植え付けるのであれば3月から5月頃にかけてか秋の10月から11月頃にかけてがベストシーズンです。
耐寒性があるとはいっても乾いた強い風は苦手ですから、そういう風があたりにくいような所を選んで植えるようにします。多湿には弱いとはいっても水切れされると枯れてしまいますので、乾かさないように土の様子をチェックしながら水やりなどを行なうようにするのが良いです。
鉢植えにする場合は夏の暑さ対策のために二重鉢にしておくのも一つの方法です。冬はマイナス5度以下になるようであれば夜間のみ屋内に入れてあげるようにすると良いでしょう。それ以外であれば軒下で管理するようにするだけでも越冬させることができます。
葉がたくさん茂ってきた時は場合によって剪定をして風通しを良くしてあげるようにしたほうがいいです。多湿になって葉などが傷んでしまう原因になりますし、株も弱らせてしまうきっかけになるからです。
種付けや水やり、肥料について
水やりは土の表面が乾いているようであればたっぷりと与えるようにするのが良いです。目安は鉢底から水があふれてくるくらいです。受皿を敷いている場合はそこに水がたまっていると根腐れの原因になりますから捨ててしまいましょう。水切れしないようにするのがポイントで、
もし水切れさせてしまうと葉が落ちてしまい、せっかく出てきた新しい芽も枯れてしまいます。春や秋は1日1度、夏は土の乾燥具合によっては朝と晩の2回の水やりが必要になることもあります。冬は土が乾かない程度に2、3日に1度は水やりをするようにします。
葉がしおれてしまっている時は水不足のサインです。肥料は4月から5月頃にかけて月に1度緩効性固形肥料を置き肥にするか月に3、4回ほど液体肥料を与えるかします。秋にも少しだけ肥料を与えるようにします。夏は気温が高いため、肥料を与えることで逆に弱らせてしまいますので肥料は与えません。
種付けは果実をそのままつけさせておくことで可能となります。逆にいうと種付けさせたくない場合には果実が完全に熟す前に刈り取ってしまう必要があります。しかしチェッカーベリーはその実が観賞価値が特に高いものですから、
実を観賞することを選ぶかグラウンドカバーのような役割を優先させるかどちらかを選ぶことになりやすいです。種付け以外にも株分けや挿し木などでも増やすことはできますから、自然にこぼれ落ちる種などで増やしたくないという場合は株分けや挿し木を選んでみるのもいいです。
増やし方や害虫について
基本的には株分けで増やすのが簡単です。株分けをするのであれば植え替えの時期である3月から5月頃に行うようにするといいです。種まきをして増やしたい場合はよく熟した果実から種を取り出し、よく洗って水につけておきます。清潔な鹿沼土かピートモスに赤玉土を加えたものに種をまき、
その容器にラップなどをして冷蔵庫など冷暗所で4週間から10週間ほど乾燥させないようにしながら保管しておきます。20度ほどの気温になったら保管していた場所から出し、発芽させます。発芽までは1か月は最低でもかかります。しかしできるだけ日陰などに置くほうが良いです。
発芽したら少しずつ弱い光から慣れさせながら本葉が出る頃に鉢上げします。挿し木にする場合は5、6cmほどの長さに前年度にできた枝を遣って挿し穂にし、土に挿しておきます。枝の切り口は斜めにカットし、下のほうの葉はとってしまいます。
それから1時間ほど水につけておき、水分をとってから切り口に植物用成長促進剤をつけて挿し木用の用土に挿しておきます。株分けは大きくなった株をよく切れるカッターナイフなどで分け、ポットに入れて育てていきます。
害虫や病気については特に心配になるものはありません。時たま、ハダニが発生することがありますので時々葉の様子をチェックして虫がついていないかどうかを確認したほうが良いでしょう。そういう意味ではチェッカーベリーは非常に手間がかからない育てやすい植物だといえます。
チェッカーベリーの歴史
チェッカーベリーは原産地や生息地が北アメリカ東北部で、グラウンドカバーによく使われます。別名をヒメコウジやオオミコウジ、ゴールテリアといいます。一般的にベリーはバラ科ですが、このチェッカーベリーはベリーという名がついていてもバラ科ではなく、
ツツジ科ゴーテリア属です。ゴーテリア・プロクンベンスというのですが、この属名のゴーテリアというのはフランス人医師であり植物学者だったJ・F・ゴーティエの名前にちなんでいます。プロクンベンスというのは這ったという意味があります。
日本に渡来したのは大正時代の末期で、盆栽の関係者が栽培していたといいます。このチェッカーベリーの葉をかつてのエスキモー達は鎮痛剤として利用していました。これはチェッカーベリーの葉や実にサリチル酸メチルという鎮静成分が含まれているためで、
見た目はとてもおいしそうな実ではありますが、チェッカーベリーの実を食べることは現代ではしません。実や葉の香りも湿布薬のような香りがします。別名にはイチリョウというのもあり、これは果実の多い順や樹高の高い順につけられているといわれています。
チェッカーベリーは別名に一両というのがありますが、他にもこのように昔のお金の呼び方のものにはセンリョウ科の千両や万両、十両はヤブコウジ科などがあります。一両はこのチェッカーベリーの他にアカネ科のアリドオシがあります。実の大きさは直径1cmの在来種と1.5cmほどある大実タイプがあります。
チェッカーベリーの特徴
チェッカーベリーの特徴はなんといってもその果実でしょう。白い花が咲いた後になる赤い実はいろんな葉物と組み合わせられてクリスマスや正月用の飾りとして利用されています。樹高はそれほど高くなく、10cmから20cmほどで、実の観賞期は11月から3月頃までです。
花は6月から7月頃に咲きます。常緑性で地下茎を伸ばして広がっていくタイプなのでグラウンドカバーとしてもよく利用されており、葉は革質で光沢のある暗緑色をしています。しかし冬に寒さにあうことでその葉は緑色から赤みを帯びた色へと変化します。花は白く釣鐘のような形をしており、
とても可愛らしい印象があります。常緑性なだけあって冬の間も成長をします。9月頃ですと花とまだ成熟していない果実、そして赤く成熟している果実の3種類を楽しむことができます。未成熟の果実は白色をしており、これが寒くなってくるにつれて赤く成熟してきます。
鉢植えにしておくと赤い実が目立つので尚美しいです。果実は上から見ると普通のさくらんぼのような見た目ですが、お尻のほうから見ると5裂になっており、これがチェッカーの名がついている理由ではないかと考えられています。耐暑性は普通ですが、
真夏の直射日光にはあまり強くありません。耐寒性はありますので寒い地域の方でも育てることができるのがメリットです。どちらかといえば土に湿り気があって冷涼な場所を好みますので日陰でも育てることができます。
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