ウコンの育て方

育てる環境について
健康食品や健康ドリンクとして加工されたものを摂取するだけの人は、ウコンが家庭でも栽培できるものだと想像さえしていない人が多いかもしれません。育て方に関してはとても難しいということはありません。植物の特徴を知り、忠実な育て方をすれば他の植物と同じような感覚で育てられます。
家族で健康に興味のある家庭や家庭菜園で野菜を作ってみたい人などは挑戦しやすい植物だと言えます。また、健康に関して関心が無い人でも、観賞用としても興味が持てる植物です。知られていませんが、とても綺麗な花を咲かせます。あまり見慣れないので、珍しく、見る人の目を楽しませてくれることは間違いありません。
育てるにあたっては、原産地の気候をまず考慮しなければなりません。原産地のインドをはじめとする東南アジアは高温多湿です。日本でも似たような気候の場所で育ちやすいと言えます。沖縄や鹿児島の一部など暖かい場所で栽培が盛んなのにも納得できます。日本本土でも栽培は十分にできますが、東北地方や北海道では寒すぎるので工夫が必要です。
これらの地域でどうしても栽培したい場合には、ビニールハウスや室内など温暖な気候を再現できるような環境が必要です。また、日光をとても好む植物なので日当たりにも気を付けましょう。色々な種類のウコンがあるため、種類に応じて特徴も異なれば育て方も変わってきます。自分が育てようとする種の品種を知り、それに応じた環境を用意してあげなければなりません。
種付けや水やり、肥料について
日本で一般的に需要があるのは秋ウコンです。この種類は暖かくなった春から初夏にかけて種付けをするのが望ましいです。しかし、年によっては四月でも急に寒くなって雪が降ったり霜が降りたりすることがあります。寒さが苦手な植物にとって霜は大敵です。早すぎる種付けは失敗することがあります。時期を見計らってフライングすることのないようにしましょう。
暖かくなって霜の心配が無くなる頃までに、土壌の準備を始めるのが良いでしょう。ウコンはとても多くの肥料を必要とする植物です。栄養分が多く含まれた土を購入するか、自分で数種類の肥料を混ぜてよく肥えた土壌を作らなければなりません。数週間前から肥料を入れよく耕しておきます。
乾燥を苦手とする植物でもあるので土も保水力に長けたものが望ましいです。準備も終わり、気温も暖かくなってきたら種付けを始めます。人差し指より少し深い目に穴を掘って植え、上からたっぷり土を被せます。隣に植える時は40センチメートルから50センチメートル距離を置きましょう。最後にたくさん水をやります。
水分不足で乾燥しないように水やりを怠らないように注意しなければなりません。特に雨が少なく、夏を感じさせるような気温になってくる頃は、土が乾燥しがちになります。その場合、藁を敷くなど保湿の工夫をするか、水やりの回数を増やすなど対策をしなければなりません。他の植物と同じように、涼しい時間のうちに水を与えるように努めましょう。
増やし方や害虫について
家庭菜園をしたことがある人ならば経験したこともあるかもしれませんが、種を植えてから期待して待ち、待ちに待った根が出てきたまでは順調だったのに、大きくならずに枯れてしまうこともあります。その要因は色々考えられます。栄養が足りなかったのかもしれません。病に侵されている場合もありますし、害虫による被害があったのかもしれません。
ウコンの栽培において、肥料不足は成長を妨げる要因ともなります。栄養分に関して、種付けの前に土壌の準備を一生懸命したことだけで満足するのではまだ足りません。種を植えてから2カ月ほど経つ7月頃からは1カ月に1回で良いので肥料を与えてやりましょう。ちょうど花を咲かせる頃です。
この頃葉の高さや茎や根の大きさなどが一気に大きくなっています。根に関しては目で見えませんが、茎や葉と同様に確実に成長しています。また、害虫や病気に関しては、ウコンは比較的強い植物だと言われています。育てやすいとされる理由の一つでもあります。しかし、一般論であって全部に当てはまるわけではありません。
病気や虫などは適宜チェックして対策してあげなければなりません。アブラムシなどは要注意です。もし成長具合を観察している時に害虫を発見した場合は、ホームセンターで殺虫剤を買い求めましょう。基本に忠実な育て方をすれば比較的育てやすい植物です。育った作物を見ると嬉しいものですし、家族の健康を増進するためにも大いに役に立つことでしょう。
ウコンの歴史
今でこそウコンは二日酔いに効能があるということで商品名にまで用いられ、日本人の多くが知ることになりました。仕事上の付き合いや接待でお酒の席が多いサラリーマンや無理をした飲み会をしがちな若者などに重宝されています。実はその歴史はとても古いです。効能を証明するような科学技術が発達するよりも随分前から、人々は効能を知り、重宝していたようです。
元々はインドや東南アジアが原産の植物ですが、日本においても卑弥呼が生きている時代にウコンだと考えられるような物の記録が残っているようです。とても昔のことは定かではないことが多いですが、少なくとも江戸時代には薬草として畑が作られるなど重宝されていたようです。琉球王国においても同様に重宝されていました。
今でも日本国内に生息地はあります。日本だけではありません。世界各地においてウコンは人々の生活に密着したものであり、長い歴史を歩んできました。原産地のインドでは傷を治すなど体に良い成分があると信じられていると共に宗教ともとても関係深い植物となっているようです。
衣類や布を染める原料として用いることや加工したものを持つことは魔除けの意味があると信じられています。ですから特に宗教色が強く出る冠婚葬祭の儀式においては重要な役割を果たしていると言えます。中国やタイ、インドネシアなど周辺国にもやはり記録や遺物は見られるようです。世界中の人々に効能を認められ、昔から人々の生活に寄与してきた植物だと言えます。
ウコンの特徴
ウコンという名前は知っているものの、現在では加工されて販売されていることがほとんどのため、実際にはどのような植物であるか知らない人が多くいます。言われなければ生姜だと勘違いしてしまう人もいる風貌です。詳しくみれば、3種類に分けられますが、一般的に普及しているのはそのうちの一つで秋ウコンと言います。
半分に切り分けてみた時の断面はオレンジ色です。また、英語ではターメリックと表現されます。ターメリックと聞くと勘のいい人はカレーを想像するかもしれません。想像の通り、カレーに使われています。上記においてウコンはインドが原産地だと述べましたが、カレーで有名なインドがウコンの原産地だと聞くと納得できます。
カレーの色はウコンの重要性分であるクルクミンと呼ばれる物のためです。この成分が遠い昔において布の染色などにも使われていました。また、他にも医療に応用できる効能も報告されています。二日酔いに効くと謳われていることからもわかるように、肝機能や消化器官にも良い効果があります。美容に使う人もいます。
しかし、過剰摂取をした場合や元々肝臓など内臓機能に疾患がある人の独断での摂取は控えた方が良い場合もあります。どんな薬効を持つ植物にも当てはまりますが、適当な量ならば効果があるものでも過剰摂取は副作用を及ぼす恐れがありますし、他の薬との組み合わせが悪くても良い効果が得られません。まだわかっていない部分が多くある研究段階の植物ですので、摂取する時には注意が必要な時もあります。
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