じゃがいもの育て方

種イモの植付けと土作り
じゃがいもは、家庭菜園でも作ることができます。ここでは、じゃがいもの育て方を紹介していきましょう。じゃがいもの育て方として、春に作る場合では2月下旬~3月頃、秋に作る場合では8月下旬~9月中旬が植え付けの適期となります。
他の野菜のように小さな種を蒔くのとは違い、種イモと呼ばれるイモを使用します。これが他の野菜で言う種付けになります。毎年じゃがいもの種付けを行っている人は、前年栽培したイモを取っておいて、それを種付け用イモとして使用したりしますが、初めて種付けから栽培をする場合には、ウイルス病などの心配のないものを選んだ方が良いので、ホームセンターで栽培用の種イモが販売されているので、それを使用すると良いでしょう。
育て方で重要となる種イモは、植え付ける3日~4日程前に、1片が30g~40g位になるように切り分けておきます。この時、各片に2個~4個の芽をつけて切るようにしましょう。切った種イモを風通しのよい日陰に置き、切り口を乾かしておきます。
じゃがいもを栽培する上で重要な土作りをします。植え付けの2週間前に土の酸性度に応じて、必要量の苦土石灰を蒔きよく耕しておきます。植え付けの際に、粒状肥料を1㎡当たりおよそ120g施し、土によく漉き込みます。
次に、種イモを植え付けるために、60cm~70cm間隔で深さ15cm程度の溝を掘ります。そこに30cmに1個の割合で、種イモを置きます。この時、種イモと種イモの間に牛ふん入り堆肥をコテ1杯程度を置いて7cm~8cmの深さに土を被せます。
じゃがいもはpH5.0~6.0 の土を好みます。そのため、土壌の酸度を測定する用液の「アースチェック液」で土の酸度を測定します。この時、pH5.0以下の場合は、中和させるために、苦土石灰を1㎡当たりおよそ100g蒔きます。pH5.0~6.0の場合は、苦土石灰を㎡当たりおよそ50g蒔きます。pH6.0以上の場合は、苦土石灰を蒔く必要はありません。
じゃがいもの栽培過程での注意点
種イモを植え付けてから20日~30日程で、土の中から芽3本~4本程度出てきます。その後、芽が10cm~15cm程伸びてきたら、その中から生育の良いものだけを1本~2本程度選んで残し、あとは摘み取っておきましょう。
こうすることで、良い苗に養分がしっかり行き渡ります。この時同時に追肥を施します。芽かきが済んだら株元に土を軽く寄せて、即効性のある液肥を、500倍に薄めて株元に、水やりの代わりに施します。その後、1週間に1回~2回液肥を施していきます。
芽かきから2週間~3週間が経過した時点でもう一度土寄せをして、追肥を与えます。じゃがいもの育て方は、このような手順で行っていきます。じゃがいも自体は、土の中で成長していくので、何度かに分けて肥料を施していきます。これによって、じゃがいもの根が、土からと液肥からの両方から養分を吸収することができ、実が大きく育っていきます。
ジャガイモが育つには、途中しっかり葉を茂らせて光合成をさせて、太陽の光をたくさん浴びさせることが重要です。それによって、葉が養分をたくさん蓄え、その養分を成長と共にジャガイモへと送っていきます。たくさん養分を蓄えると、外に出ている葉や茎の部分は徐々に黄色く変色し始め、その後枯れ始めてきます。
外に出ている部分が枯れてしまうと、初めて栽培する人はジャガイモ作りを失敗してしまったと思いがちですが、葉や茎が枯れると収穫時期の目安で、土の中でジャガイモはしっかり育っているので、しんぱいしなくても大丈夫です。
葉が黄色くなり枯れ始めるのは、春に作ったものなら5月下旬頃から、秋に作ったものなら11月頃が目安です。その年の気温や天候によって多少違いがあるので、この時期を目安にジャガイモの様子を見ていきましょう。
じゃがいもの収穫と害虫、病気に関して
いよいよ収穫です。ジャガイモを掘り上げるのは、晴天が2~3日続きそうな時が最適です。このような日を狙って掘り上げを行えば、ジャガイモが腐る心配がありません。雨が続くような日に掘ってしまうと、湿気によってジャガイモが腐りやすくなります。せっかく育てたジャガイモが腐ってしまっては大変です。
葉が生育する時期に注意したいのが、葉を食べてしまう害虫です。ジャガイモにつく害虫には、テントウムシダマシ・アブラムシ・ヨトウムシ・ネキリムシなどがいます。せっかく肥料を与えて大きく育てた葉に、害虫が付いては十分な養分がジャガイモに行き渡らなくなってしまいます。ですので、頻繁に葉に害虫がいないかチェックしていきましょう。
もし害虫がいたら、殺虫剤で早めに退治することが重要です。テントウムシダマシには、ベニカベジフルスプレー・ベニカ水溶液・スミチオン乳剤などの殺虫剤が良いでしょう。アブラムシには、GFオルトラン水和剤・ベニカ水溶液・ベニカマイルドスプレーなどが最適です。
ヨトウムシには、GFオルトラン水和剤を、ネキリムシには、サンケイジノン粒剤3を土に混ぜ込みましょう。また、ジャガイモにが収穫時期でもないのに、突然枯死してしまう疫病には、STダニコ二ール1000を散布して予防しておくのも効果的です。
じゃがいもの歴史
色々なアレンジが出来て、老若男女から愛されている野菜が「じゃがいも」です。世界中でポピュラーな野菜であるじゃがいもは、どこで生まれたのでしょうか。ジャガイモの歴史を見てみましょう。
じゃがいもの歴史は非常に古く、紀元前7000年ごろに遡ります。原産は、ペルー南部にあるチチカカ湖周辺で、この頃から南米のチリやペルーの高地に住んでいたインディオらが、トウモロコシと同様に、じゃがいもを重要な食材として扱っていたということが分かっています。
その後、16世紀に入りインカ帝国時代に、スペイン人がジャガイモの生息地であるアンデス地方に到達し、トウモロコシと同様にジャガイモもヨーロッパに持ち帰りました。しかし、分かっているのはスペイン人が持ち帰ったということだけで、誰が持ち帰ったかは定かになっていません。
ヨーロッパに渡ったジャガイモは、その美味しさからたちまち人々に知られることとなり、スペインからナポリ王国に伝わり、ベルギー、ドイツ、ベルリン、イタリアへと、上流階級の人々を通じて伝わっていきました。
その間、ジャガイモに対する悪いうわさも同時に出回るようになり、ヨーロッパに渡った後の最初の2世紀の間は、教会では聖書にジャガイモのことが書かれていなかったため、これを「悪魔の根っこ」と呼び、同様に聖書に書かれていないという理由で、砂糖・タバコ・コーヒーなどと供に、悪魔の使用するものとして扱われていました。
民衆は皆、ジャガイモは特に子供に対して病気を引き起こす有毒な植物をして扱われたり、伝染病(この頃流行していたハンセン氏病など)の原因として信じられていました。日本に伝わったのは戦国時代末期から江戸時代とされていますが、ヨーロッパのようにすぐに普及はしませんでした。
江戸時代後期にロシア人によって北海道から東北地方に移入され、飢餓対策として栽培されるようになったのが、普及した始まりとされています。
じゃがいもの特徴
ジャガイモの特徴は、ソラニンと呼ばれる有毒な成分を含んでいることが知られています。このソラニンは、ジャガイモは全体に含まれていますが、品種や大きさによってそれぞれバラつきがあり、そのため摂取しても身体に影響はありません。
ソラニンが多く含まれているのは芽や緑がかった皮層、花などで、摂取lする場合には芽や緑色をした皮は取り除くことが大切です。この有毒成分の主な中毒症状は、頭痛・おう吐・腹痛で、毒性は強くはありませんが、避けたほうが良いでしょう。
ジャガイモの育て方など色々な植物の育て方に興味がある方は下記の記事も凄く参考になります♪
タイトル:ジャガイモの育て方
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