チグリジア(ティグリディア)の育て方
育てる環境について
チグリジアは中南米に生息しているアヤメ科の植物ですから暑さには耐性があっても寒さには弱いのが特徴です。春から秋にかけて成長する期間は日当たりの良い場所を確保するのが良いでしょう。花の中心に虎の模様のような斑が入るのが特徴ですが、日当たりの悪い場所で育てると、
この模様がくっきりでなくなってしまうことがあり、せっかくのチグリジアの魅力が半減してしまうので注意が必要です。秋には葉が黄色く枯れてきますがそうしたら球根をほりあげて陰干しして管理します。そのまま植え付けていると冬になり寒くなった時期に
8度以下になってしまうと来年芽がでないこともあります。5度から8度以下にならない室内で球根を管理して春に再び植え付けることで、再び花を咲かせることができます。これは地植えの場合で、鉢植えの場合には秋に上草が黄色く枯れてきたら鉢ごと室内に入れて室内で冬越しさせて構いません。
その際は水やりをストップして完全に休ませましょう。基本的に温暖で日当たりがよく、やや乾燥した気候を好むので日当たりと風通しは確保して多湿になりすぎない場所に植え付けをしましょう。庭に地植えする場合には堆肥や腐葉土を鋤込んでよく耕し
水はけ良く管理するのが株を丈夫に育てるためのコツになります。冬に氷が張るような土地ではそのまま植えておくと枯れてしまうので、必ず秋にほりあげて室内で球根を管理しましょう。その際は乾燥させて貯蔵するのがコツとなります。
種付けや水やり、肥料について
チグリジアは基本的に中米の乾燥地帯に咲いている植物なので多湿を嫌う性質が有り庭植えの場合にはほとんど水やりを必要としません。鉢植えの場合は用土が乾燥してきたらたっぷりと水やりをしましょう。その際は鉢ぞこから水が出るくらいたくさんやることで、
根が鉢の中にしっかり張ることができます。また肥料に関しても庭植えの場合にはよほど痩せた土地でない限り肥料を上げなくても大丈夫です。アヤメ科の植物は多湿や肥料が多過ぎると球根が弱くなって腐ってしまうことがありますので注意が必要です。
ただし鉢植えで管理する場合には目が出てくる春には緩行性のつぶ状肥料を上げると良いでしょう。植え付けは4月から5月の中旬が良いでしょう。3月中に植え付けてしまうことで寒さに当たったり、霜が降りてしまうと目が出てこない可能性もありますので、
完全に暖かい4月や5月になってから植え付けるのでも遅くはありません。植え付けの用土に関しては赤玉土、腐葉土の他に川砂などを用いて植えつけるのが良いでしょう。地植えをする場合には間隔を10センチほど空けてスペースを確保することで球根から出た根がしっかりと張ることができます。
鉢植えの育て方の場合には5号以上の鉢に3球を目安に植え付けましょう。浅く植え付けすぎると倒れてしまうので、3センチほどの深さに植え付けますが、赤玉土などが多い水はけの良い用土ならさらに深めの5センチ程度に植え付けて倒れるのを防ぐこともできます。
増やし方や害虫について
チグリジアの増やし方は主に分球と種まきで増やすことができます。球根でふやす場合には秋になって掘り上げた球根が肥大していたら分かれ目のところから手で折って分けて、別々に貯蔵します。あまり小さく分けすぎりと、栄養が足りずに芽が出ないこともありますので、ある程度の大きさで分けましょう。
4月以降に植え付けをすることで芽が出て増やすことができます。これを子球といい球根が大きくなったら出来る増やし方です。種の場合には花が咲き終わった後花殻を取らずにそのままにしておくと自然に種ができてきます。袋などをかけておくと種が取れますので、
それを乾燥させて保存しましょう。4月から5月頃に鉢にまき管理することで3年ほど経過すれば花が咲きます。大変時間がかかりますが、確実に増やせる方法と言えるでしょう。病害虫に関しては根腐れ病、軟弱病があります。アヤメ科の植物は
多湿や肥料のやりすぎに弱く特に窒素分の多い肥料をやっていると球根が弱って軟弱になり、やがて腐ってくることがありますので注意が必要です。こうした根腐れ病を防ぐためにも施肥を少なくして球根を丈夫な状態で管理しましょう。
また、ハダニやヨトウムシがつくことがあります。特にヨトウムシは一晩で葉や花を食い荒らし、丸裸にしてしまうことがありますので注意が必要です。緩行性の根元にばら撒くタイプの殺虫剤やスプレー式の殺虫剤を使って予防するか、見つけ次第捕まえて退治しましょう。
チグリジア(ティグリディア)の歴史
チグリジアは別名ティグリディアとも呼ばれるユリに似た植物ですが実際にはアヤメ科の仲間になっています。チグジリアの仲間アヤメやハナショウブは日本でも歴史的に縁がある植物で、縄文時代の昔から円がありました。暦がない当時はこうしたアヤメ科の植物が咲く頃、
雨が豊富な梅雨の季節になると花から暦を知る農耕に欠かせない植物だったのです。平安時代に書かれた枕草子などにもショウブの花を褒める文章があり、平安の昔からアヤメ科の植物の美しさは縁起の良いものとして好まれてきたことがわかります。
端午の節句にはショウブを腰に飾り、霊験を授かったとされています。万葉集にもショウブやアヤメグサなど詠んだ歌が12首もあり日本とアヤメ科の植物の縁の深さを実感できます。チグリジア花のは一目見たら忘れないほどの印象が深い花で別名をトラユリとも呼ばれています。
その理由は中心に斑が入り、まるで虎の模様のに見えるからです。英語名でもタイガーフラワーと呼ばれ、その堂々たる花の美しさに人気が集まっています。もともとのティグリディアという名前もラテン語の虎という意味のティグリスに由来しているので虎とこの花は切っても切れない円があると言えるでしょう。
アヤメ科の植物でありながらトラユリと名付けられて希にユリの仲間として分類されることもありますが、初夏を彩る人気のある花として現在も多く栽培されています。品種改良により花色も豊富で花持ちがよいのでガーデンデザインに合わせて品種を選ぶことでガーデンフラワーとしても 活用できます。
チグリジア(ティグリディア)の特徴
チグリジアの特徴はなんといってもその花の印象にあります。花の形は大変シンプルですが、中心にインパクトのあるくっきりとした縞模様があり、これがまるで虎やヒョウの模様を連想させます。また花色も大変カラフルで印象的で南国的な鮮やかさです。
花径は10センチメートル、内側の花弁は小さく、外側の花弁が大きく広がって花を作っています。めしべとおしべは合わさって一つとなっており、花は朝開いて夜閉じるといったたんぽぽのように開閉する特徴があります。葉はひだが入りますが、
細長く剣のような形をしていてアヤメ科の植物であることを印象づけます。一本の茎に2つから5つの花をつけます。このチグリじアの仲間は30種類程ありますがその重な種類はパボニア種と呼ばれ、これもクジャクのようなという意味で派手やかな斑入りの花を咲かせます。
もともと原産は中南米で、メキシコからペルー、チリ等を生息地としています。春に受け付けることで夏に花を咲かせる球根植物で茎丈は30センチメートル程です。花色はピンクや白、オレンジ、黄色など豊富でやはり中心部に縞模様の斑が入るのが特徴ですが、希に入らないものもあります。
生育している地域からもわかるように、寒さに弱く暑さには強いので寒冷地などで栽培する場合には霜よけなどの対策が必要になります。別名トラユリでゆりと名付けられていますがアヤメ科の仲間で梅雨入りを花で知らせてくれる初夏の花として親しまれています。
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