しばざくらの育て方
育てる環境について
しばざくらは、地植えが主で、地面を這うようにして広がっていく植物です。とても強く、手間のかからない花と言えるでしょう。日当たりが良く、水はけの良い場所であれば、植えっぱなしでも勝手に育っていきます。また、斜面や、土があまり良くない土地でも、育てやすい植物です。斜面になっていれば、それだけ水はけも良いので、むしろ好都合かもしれません。
しばざくらを鑑賞できる大きな公園も、太陽の真下で、花が陽の光をたっぷり浴びることができるよう配慮されています。また、緩やかな斜面に植えられていることも多く、地表のカーブに沿って埋め尽くされた花々は、なんとも美しい光景を醸し出しています。環境がよければ、自ら広がってほとんど手間なく咲きます。
庭を綺麗に演出したいけど、手間をかける時間がない、という方にはありがたい植物ですね。しかし、この強い花にも弱点はあります。水はけの悪い環境を好まず、ジメジメした場所では枯れてしまいます。できれば、庭の中心など、陽を遮るもののない場所を選びましょう。日陰になる場所や、雨が降るとぬかるみが取れないような場所は避けたほうが良いでしょう。
良い環境であれば、一株で直径50cmほどに広がります。満開時には、美しい花が地面を埋め尽くします。ぎっしりと咲き誇った花は見応えがあり、大変心癒されます。品種によって、色に幅があり、縁取りやすじ模様の花もあるので、観察して楽しむこともできます。
種付けや水やり、肥料について
育て方は至極簡単です。種から育てることもできますが、株ごと購入して植えるほうが確実です。根をほぐし、地面に植えます。ほぐすことで、根が広がりやすくなります。先に述べたように、環境がよければ、一株直径50cmほどに成長します。地面を隙間なく綺麗に埋めるためには、大切な行程です。また植え付ける際、株と株は20cmほど間隔を開けましょう。
それぞれの株が広がり、花の絨毯の出来上がりです。株が広がるまでは、株と株の隙間によく雑草が生えてきますので、こまめに抜きましょう。本来乾燥に強い植物ですが、植え付け後は水を吸い上げる力があまりありません。この時期には、水やりが必要です。植え付けの際には周囲に肥料を撒きましょう。
花が終わってからも、肥料を与えておくと、根を良い状態に保つことができます。土が乾きすぎるのは良くありませんので、その場合は水をたっぷりやります。しかし茎が縦に伸びず、葉と花が地面に非常に近いため、暑い日に水をあげすぎると、植物を蒸してしまいます。蒸れると葉っぱが傷み、根腐れを起こすので注意しましょう。
暑い日の水やりは早朝か夕方が好ましく、水のあげすぎより、乾燥気味のほうが安全です。肥料は、緩効性固形肥料を真冬に撒きます。そうすると、春にかけてゆっくりと効きます。時期を逃してしまった場合は、春から開花後まで液体肥料をあげることもできます。即効性があり、すぐに効きます。しかし、根が肥料焼けを起こす危険性もありますので、量の調節が大切です。
増やし方や害虫について
適度に剪定してあげることも大切です。これは必ず必要なわけではありませんが、梅雨時期など水が過剰にある状態が続くと、花は弱ってしまいます。そのような時は心配せず、芝のように刈り込んでおけば、再び伸びてきます。梅雨時期の前に切り込みを済ませておけば、湿気を逃しやすくでき、花を守ることができます。
また、横に広がる性質を持っているため、成長すると周囲にも間違いなく増え広がります。横に伸びた茎に土を被せてあげると、発根を促すことができますので、周囲に広げたい時は心がけてみると良いでしょう。その際、茎の下半分が土に被るくらいに土をかけましょう。株分けする場合は、6月または9月~10月が好ましいです。
茎の節から根が出ています。根を中心として、適当な場所で親株から切り離し、植えたい場所に移します。何度も繰り返しますが、大変強い花なので、多少乱暴に扱っても大丈夫です。範囲が広いため、株分けは面倒な作業です。体調面から考えても、丁寧にしていたら持ちません。ぶちぶちちぎって、次々埋めていく感じでも、しっかりと根が付きますので、気楽に取り組みましょう。
秋の終わりに株分けを行うと、寒くなる時期までに充分根を張ることができません。せっかく頑張ったのに、枯れてしまうという悲しい結果を回避するため、作業する時期にはよく注意しましょう。害虫は、ハダニに気をつけましょう。夏、乾燥する場所ではハダニが発生する可能性があります。普段水やりの必要はありませんが、この時期には、時々ざっと水をかけ予防することができます。
しばざくらの歴史
しばざくらは北米原産の多年草です。茎は立ち上がらず、横に這うように広がります。芝生のように増え広がり、4から5月頃には、桜によく似た形の花が咲くため、日本ではしばざくらと名付けられました。洋名はフロックス呼ばれます。日本でも、花詰草など他の呼び方もあります。生息地は、日当たりの良い地面であればどこでも、そこが生息地となります。
大変育てやすく、初心者でも取り組みやすい花ですし、地植えでよく育つため栽培しやすく、広いお庭を持つ家庭には大変な人気を博しています。グラウンドカバー、つまり芝生代わりとして生育されることが多く、赤や淡桃色、薄紫や白など、落ち着く色合いのしばざくらが一面に咲き茂り、地面を美しく演出してくれます。
まさに、色鮮やかに彩られた芝生といったイメージです。日本でも、この花の人気は高く、しばざくらをメインとした花公園も多数存在します。地面が色づいたような様子は大変な見応えで、心に鮮やかに刻み込まれる、実に美しい光景です。桜の花に似ていることや、その独特の淡い色合いは、日本人の心を引きつけ、慕われる理由とも言えるでしょう。
グラウンドカバーとして人気を集めるしばざくらですが、花壇の縁取りや、寄せ植えなど、その用途は幅広く、メインの花としても、引き立て役としても活躍してくれます。育てやすい一方で、あまり重要視されない花でもあるので、少し立ち止まって観察してみるのも良いでしょう。多くの発見があることでしょう。
しばざくらの特徴
しばざくらの特徴は、その名の通り、芝のように地面を覆って花を咲かせることでしょう。花は桜の花に似ており、4から5月に満開を迎えます。直径2cmほどの小さな花をたくさん咲かせます。濃いピンク、白や赤、紫など、多種多様な色が存在し、模様も様々でバラエティーに富んでいます。葉の長さは約1cmから1.5cmほどで、針状の形をしています。
草の丈は全長10cmほどで、数本咲くのではなく、全てがつながったように密生しています。自生する花ですので、非常に強く、細やかな手間は必要としません。多年草ですので、環境さえ整っていれば、毎年美しい花を咲かせてくれます。ガーデニングにかける時間があまりないという方が挑戦するには、最適の花なのではないでしょうか。
寒さにも強いので、どの都道府県でよく育ちます。どちらかというと涼しい環境の方を好み、北海道にも、しばざくらをメインとした花公園が存在します。地面を這うようにして広がっていくので、庭全体に植えることもできます。満開時は庭ごと色づくので、非常に見応えある光景演出できるでしょう。
茎より上に、花が飛び出ているので、緑に紛れることなく、花の色が際立ちます。植えつけの際は、同間隔をあけて株を植えていくので、同じ作業が続き、途中で投げ出したくなる衝動に駆られます。しかし、花が絨毯のように敷き詰められる光景を浮かべながら、諦めずに頑張ってみましょう。その頑張りは、春にきっと報われます。
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