フクシアの育て方

フクシアの育てる環境について
フクシアは寒さや暑さにとても強いというわけではありません。育て方として注意したいポイントは、日当りが悪い場所ですと花のつきが悪くなってしまいますので風通しと日当りのよい場所に置くことが大切です。高温多湿の場所には弱いですので、
夏場の特に気温も高くなる暑いシーズンには、直射日光を避けて風通しのよい半日陰に置くようにしましょう。夏はコンクリートなどが熱を持ってしまいますので、ヤシ殻繊維でできているマットを利用してハンギング仕立てにするなどして、地面の輻射熱から守ってあげてください。
冬の寒いシーズンの場合は5度以下の環境で育てていると枯れてしまう可能性がありますので、室内の日当りのよい場所に移動するようにしてください。春頃や秋頃には日当りのよい屋外で管理するとよいです。気温差のある場所を出し入れしてしまうと、
葉やつぼみなどが落ちてしまうなどの悪影響を及ぼしてしまいますので注意するようにしてください。開花シーズンは、4月頃から7月頃と、10月から11月下旬頃ですが秋の開花は春の開花ほどではありません。ただし涼しい時期ですので花の色が鮮明に冴えていて美しいとされています。
管理している場所で暗い時間が半日以上続いてしまうと開花が抑制されるなどの影響があります。このような場合には、夜間に蛍光灯などを利用して明るい環境を作ってあげることで開花を続けることができます。シーズンに合わせて適した対策をしていきましょう。
フクシアの種付けや水やり、肥料について
フクシアは鉢植えで育てられることが多いですが、鉢土が乾いてきた場合は底の部分から水が流れ出てくるくらいたっぷりと水やりをしていきます。夏場は気温が高く乾燥しやすいですので水やりのタイミングは特に重要になってきます。
日中の暑い時間帯に水やりをしてしまうと熱くなってしまいますので、できるだけ午前中や夕方など気温が下がり涼しくなってくる時間帯におこなうようにしましょう。暑さによって生育が衰えてきますので過剰な水やりは必要ありませんが、
水やりを忘れてしまったりして完全に乾かしてしまうと元に戻すことが難しいとされています。夏場の暑いシーズンには、夕方頃に鉢の周囲に打ち水をしたり葉水をあげることは植物の温度を下げる効果があります。水やりはとても大切ですが逆にやり過ぎてしまうと過湿になって、
根腐れを起こしてしまいますので、様子を見ながら適した水やりをしてください。土の表面が乾いてきたなと感じたら与えてあげましょう。生育が旺盛になる時期には置き肥や液体肥料などを利用してあげることがおすすめですが、生育が衰えている株には特に肥料を利用する必要はありません。
利用する土は赤玉や腐葉土を混ぜ合わせたものを使用し配分は7対3くらいが基本的な配合の仕方だとされています。ハンギングバスケットなどを利用して上から吊るす仕立ての場合には、軽くするために赤玉土の割合を少し減らしてパーライトを加えることがおすすめされています。
フクシアの増やし方や害虫について
フクシアを増やしたい場合には、挿し木による方法が一般的となっています。若い茎の部分をカットして、赤玉土小粒とパーライトなどの用土に挿します。挿し木をするのに適しているシーズンは、2月から3月頃と9月から10月頃だとされています。
挿し木をおこなってから根が出てくるまでは日陰で管理をしていきます。増やし方で大切になってくるのが水挿しですので、水揚げをした後に用土に挿して発根させていきます。水挿しは2日に1度は水替えをおこない直射日光があたらない半日陰で管理するようにしましょう。
およそ10日くらい経ってくると小さく発根してきます。この状態からさらに数日もすると1センチメートルほど根が伸びてきますので鉢上げすることができるようになります。鉢上げできるくらい根が伸びてきたらポリポットに植え替えて半日陰で管理していきます。
フクシアを育てていく場合には灰色かび病と呼ばれている病気に注意が必要です。この病気は、湿度が高くなる時期と冬などの気温が下がる時期に発生するものですので、枯れ葉などを取り除いたり風通しが悪くならないようにしてあげましょう。
害虫にはオンシツコナジラミ、ハダニが発生します。排泄物などが原因で葉の部分にべと付きを感じたり、カビが発生して黒っぽく変色してしまうケースがあります。ハダニが発生すると葉が白っぽくなり光沢が失われてしまいますおで、専用の殺虫剤などを利用して対策を施していきましょう。
フクシアの歴史
フクシアという植物はアカバナ科の低木ですが、アカバナ科の多くは多年草でフクシアの他にもツキミソウ、マツヨイグサなどが挙げられます。世界各国に分布していますが日本国内には5属が分布しています。日本ではホクシャという別名で呼ばれることもあります。
英語圏などではフューシャと発音し、ドイツやオランダではフクシアと呼ばれています。イギリスでは花の様子が耳飾りの様に見えることからイヤードロップの別名で呼ばれることもあります。もともとフクシアは、フランス人の宣教師で植物学者のチャールズ・プルミエによってヒスパニオラ島で発見されました。
ヒスパニオラ島とは現在のドミニカ共和国のことを言います。発見されてからもヨーロッパに持ち込みことに成功していませんでしたが、1873年頃にアメリカ人のトーマス・ホッグによって再発見されることになります。名前の由来は、ドイツ植物学の父レオンハルト・フックスの名前だとされています。
19世紀前半頃からヨーロッパで園芸品種が作られるようになり、イギリスで品種改良が盛んにおこなわれていました。ヨーロッパで初めてフクシアが栽培されたのは1790年頃で、交配が開始されたのは1825年頃だとされています。
主な原産地は、中南米や西インド諸島の他にも、ニュージーランドやオーストラリアが生息地として挙げられます。植木鉢などで育てられることも多く、品種によって花の姿などが異なりますが園芸品種はそれぞれの特徴によって分類されています。
フクシアの特徴
フクシアは4月頃から10月頃に開花する植物で、草丈はおよそ30センチメートルから50センチメートルほどになります。葉の付け根部分から伸びている軸の先端に咲く花は、下向きに咲くという特徴があります。風鈴のような可愛らしい姿をした花を、
下向き咲かせる様子から貴婦人のイヤリングと呼ばれることもあります。花の姿には一重や半八重、細い筒状の花をつけうようなタイプがあります。花びらの中には1本の雄しべと8本の雌しべが下向きに伸びていきます。花の色にはレッド、ホワイト、パープル、ピンクなどさまざまな種類があり、
品種も多いですので濃いものから淡いものまで幅広く楽しむことができます。開花した後の付け根部分の膨らみは、長楕円形のような形をした果実になります。育て方や仕立て方として樹形選びがありますが、ブッシュと呼ばれている仕立て方は枝がしっかりとしていますので直立し、
立性とも呼ばれています。トレイラーというのはしなやかに垂れ下がる枝が特徴で、吊り鉢に仕立ててあげたりリング仕立てにすると見栄えがよくておすすめされています。ステッフトレイラーと呼ばれているものは、枝は硬めですが垂れ下がりますのでハンギングに適しています。
ハンギングというのは、吊るしたり壁に掛けたりして植物を鑑賞する手法のことで、ハンギングバスケットやウォールポットなどが利用されています。栽培する際には乾燥を防ぐために水やりに注意が必要です。
庭木の育て方など色々な植物の育て方に興味がある方は下記の記事も凄く参考になります♪
タイトル:ゴデチアの育て方
タイトル:イチゴノキの育て方
-
-
ナスタチュームの育て方
黄色やオレンジの大きな花をつぎつぎと咲かせるため、ハーブの利用だけでなく観賞用としても人気のナスタチューム(ナスタチウム...
-
-
おいしいほうれん草の育て方
野菜の育て方を覚えれば、誰でも美味しい野菜を誰でも育てることが出来ます。そこでほうれん草の栽培について説明します。ほうれ...
-
-
ペペロミア(Peperomia ssp.)の育て方
ペペロミアの原産地はブラジル、ボリビア、エクアドルなどで、主な生息地は熱帯や亜熱帯です。約およそ1400種類もの種類が存...
-
-
ペピーノの育て方
日本的な野菜の一つとしてナスがあります。他の野菜に比べると決して美味しそうな色ではありません。紫色をしています。でも中は...
-
-
ハナショウブの育て方
ハナショウブとは6月の梅雨の時期に花を咲かせる花弁の美しいアヤメ科の多年草です。原産は日本や中国などのアジア圏になります...
-
-
コマクサの育て方
高山植物の女王とも呼ばれているコマクサは高山に咲く高山植物の一つです。北アルプスなどの山々の中で見ることが出来ますが、比...
-
-
ヒナゲシの育て方
ヒナゲシはヨーロッパ原産のケシの一種で、虞美人草という別名を持ちます。虞美人草という名前は中国の伝説に由来しています。秦...
-
-
エンレイソウの育て方
エンレイソウは、ユリ科のエンレイソウ属に属する多年草です。タチアオイとも呼ばれています。またエンレイソウと呼ぶ時には、エ...
-
-
自宅で植物を育てよう
部屋に植物があると生きたインテリアにもなり、その緑や花の華やかな色は日頃の疲れやストレスへの癒やしにもなります。ただ、生...
-
-
ブリメウラ・アメシスティナの育て方
「ブリメウラ・アメシスティナ」は、南ヨーロッパを原産とした鉱山植物です。花の宝庫と呼ばれ大自然あふれる山脈、ピレネー山脈...
フクシアという植物はアカバナ科の低木ですが、アカバナ科の多くは多年草でフクシアの他にもツキミソウ、マツヨイグサなどが挙げられます。世界各国に分布していますが日本国内には5属が分布しています。