マグノリアの育て方

マグノリアの育て方
マグノリアは花付きを良くするためには日当たりの良い場所に植えることが基本です。しかしオオヤマレンゲなどは半日陰になるような場所がむいています。土は水はけが良く、保水性があるものを使います。土にはあらかじめピートモスや腐葉土などを3割ほど混ぜてふかふかの土に仕上げておくといいです。
鉢植えで育てる場合は赤玉土を8、腐葉土を2の割合で混ぜ合わせたものを使います。鉢底石は一般的な量よりも多い鉢の4分の1程度まで入れておきましょう。鉢底石に使うのは大粒の軽石などが多いですが、発泡スチロールを荒くくだいて使うこともあります。
ただし発泡スチロールの場合は大きく成長した根が時々貫通してしまうこともありますので、ある程度大きくなったら鉢を植え替えるか地植えにしてしまうのがオススメです。マグノリアは根が粗いので、大きくなってから植え替えするのは非常に困難です。
そのため、将来的なことも考えて植える場所を決めるのが良いです。植え付けは1月から3月半ば頃までにします。腐葉土や完熟堆肥などをすきこんで、根を切らないようにしながら根鉢を軽く崩して深く植えすぎないようにして植えます。
根鉢の周りには十分に水を注ぎ、根と土をなじませてぐらつかないように支柱で支えてあげます。水は庭に植えてある場合は基本的に夏の高温期以外は与える必要がありません。自然に降る雨だけで十分です。鉢植えでは夏は朝と夕方の2回、春と秋は1日から2日に1度与えるようにするのが目安です。
冬はあまり水を与える必要はないので土の表面が乾燥したら与えるというタイミングでOKです。肥料は若木の場合、5月、9月、1月に与えます。5月は成長期、9月は充実期、1月は休眠期です。
5月と1月は粒状の肥料を株の周りの土にばらまいておきます。9月は骨粉など窒素成分が少ないものを与えるようにするのがポイントです。成木の場合は5月と1月だけで十分です。
栽培する上でしたほうが良いことはある?
マグノリアを栽培する上では剪定は欠かせません。成木になってしまえば樹形は自然と整ってきますので剪定は必要ないのですが、まだ若木の間は剪定してあげるほうがきれいに形が整います。あまり大きくしたくない場合は開花後の新芽が出る前に行ないます。
伸びすぎた枝や込み入った枝は基部から2芽か3芽ほど残してカットしてしまいます。コツは外側を向いている枝をカットすることです。枯れてしまっている枝や枝の途中から生えてまっすぐに伸びているような枝は落ち葉期に基部から切りのぞいてしまいましょう。
マグノリアを種付けで増やせるのか
マグノリアはつぎ木で増やします。常緑の園芸品種をのぞいて、ほとんどの場合はコブシを台木にします。休眠期である12月から2月頃に行なうのがポイントです。種まきから2年ほどのコブシの木に増やしたい園芸品種を切り継ぎします。
枝先から5cmほどの長さのものがベストです。1芽から2芽ほどつくように枝を切り落として穂木にします。コブシの台木の株もと近くに切り込みを入れて、そこに穂木を差し込んで接ぎ木テープで固定しておくだけです。挿し木で増やすこともできます。
使うのは開花後に伸び始めた新梢です。新梢は6月から7月頃になると硬くなってきます。これを10cmほどの長さにカットして先端の葉を2、3枚だけ残してあとは取り除いてしまいます。30分間ほど水揚げして切り口に植物成長調整剤を塗布したら鹿沼土や挿し木用の用土に葉が触れる程度の間隔で挿しておきます。
水はたっぷりと与えておき、日陰の風があたらないような場所で管理しておきます。発根したら鉢上げしましょう。マグノリアの品種は実にいろいろあります。例えば金寿というのはアメリカのアクミナタ種をもとにして日本で品種改良されたものです。
小型で黄色い美しい花が葉が出てから咲きます。サヨナラという品種は丸みを帯びた大輪の白い花を咲かせます。花付きがいいので開花期にはとてもたくさんの花が咲き、あでやかです。こちらの樹高は10mにもなりますし、横にも枝が張っていくので広い場所に植えてあげる必要があります。
ハクモクレンとシモクレンの交配品種であるサラサモクレンやアレクサンドリナなどが代表的だといえます。日本原産のものですとシデコブシという樹高2、3mほどのものがあります。花弁数が多く、花の色は白やピンク、紫などがあります。
またオオヤマレンゲという茶花に使われる花はうつむき加減に花が咲きます。横枝が多くはりますが、樹高はあまり高くありませんので横幅がある場所に植えてあげることでのびのびと育ってくれます。
ちなみにマグノリアの花言葉は自然への愛、崇高、持続性、忍耐、威厳というものがあります。花は3日から4日ほど咲き続けます。苗が出回るのは3月から5月までの間で、最盛期は4月頃になります。早めに購入しておくほうが間違いなく手に入れることができます。
マグノリアの歴史を知ろう
マグノリアはアジアとアメリカなどが原産で生息地のモクレン属の植物です。中国では玉蘭、白蘭などと呼ばれており、品格のある高貴な花とされています。属名のマグノリアはフランスの植物学者であるモンペリエ植物園の園長ピエール・マニョール氏が由来となっています。
英名はリリー・マグノリアといいます。その歴史は非常に古く、紀元前1万年頃にまでさかのぼるといわれています。アメリカ先住民たちの象徴樹でもありました。日本に渡来したのは明治初期のことで、明治12年には上野公園に初めて植樹されました。
マグノリアはモクレン科の植物の総称です。その中の1つがタイサンボクで、精油を採取したものがアロマなどのマグノリアとして販売されていますが非常に高価なので、代替品として同じモクレン科のギンコウボクを使われることもあります。
香料などのマグノリアは濃厚で甘い香りですが、花のマグノリアは軽くさわやかな柑橘系の香りがします。葉には殺菌作用がありますので、昔は食器代わりのように使われることもよくありました。また木の皮や種子を乾燥させ、煎じて飲むことで気管支、食道の異物感の除去、鎮咳薬、膨満感除去薬、腹痛薬、攪乱鎮静薬などの効果があります。
マグノリアの特徴
マグノリアはアジアとアメリカなどで約90種くらいが分布しています。日本ではコブシやホオノキ、シデコブシ、タムシバ、オオヤマレンゲなどあります。シモクレンは平安時代に渡来し、花弁の外側が紫色で内側が白色です。
ハクモクレンは江戸中期に中国から渡来しましたし、常緑性のタイサンボクは明治時代に渡来した北米原産です。その特徴は大きな花です。草丈は2mから10mほどになり、花色は白色、赤色、ピンク、黄色や褐色などがあります。耐寒性も耐暑性もあり、元気に育ちます。
小型の園芸品種もあり、アメリカで育成されたものにはガールマグノリアという系統があります。その系統はスーザンやベティなどの女性の名前がついています。大きく育つものが多いので鉢植えで育てるには向いていません。庭に植えるのがベストです。
カイガラムシやカミキリムシなどの被害が出ることがありますので、幹に穴があいているかどうかチェックしてみるといいです。もし幹に穴が開いているようであれば、カミキリムシの幼虫が幹を食い破って食害してしまっている可能性があるのですぐに薬剤などで退治するのが良いです。
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