ハヤトウリの育て方

種付けと棚つくり
4月から5月にかけて種爪を行います。苗ではほとんど販売されていないので、ハヤトウリを栽培するときには果実を購入し種付けをします。中に一つだけ入っている種を植えるのではなく果実のまま種付けをするので決して果実を割らないようにします。
もし植え付ける前に自然に芽が出てきても、それを植えても大丈夫です。畑に直接植えてもよいし、プランターなどで種付けをして芽がでてから定植をする方法もあります。あらかじめ石灰などの肥料を混ぜておいた土に、洋ナシ型のハヤトウリの果実の膨らんでいる方がななめ上を向くように半分だけ土に植えこみます。
膨らんでいる方に割れ目があるのですがその線が地面につくくらいの深さに埋めるのがコツです。埋め込んだら十分水をやるようにし、その後は長い間雨が降らなけれ場補給をするくらいで良いでしょう。ハヤトウリは成長が早いので、種付けをすると同時に支柱を立てて、つるが巻き付けるような棚を作ります。棚の高さは1.8メートル以上にするのが良いでしょう。
つるもの用のネットと丈夫な支柱や金属のパイプを用いて真夏に日の良く当たる窓際から2回のベランダに向けて立てかけるようにすると緑のカーテンができていきます。またアーチ支柱とまっすぐな支柱、ネットを用いてアーチ型の支柱を作ってもよいでしょう。
ハヤトウリの育て方
本葉が7、8枚になったら親づるの先端を切り子づるを伸ばすように摘心します。そして子づるが1メートルくらいになったら再度摘心をし、孫づるを伸ばしていくようにします。孫づるにたくさん実ができるのです。花が咲くのは9月の中旬からです。開花して2、3週間すると収穫ができるようになります。
果実の大きさが12センチ程度、重さが300gくらいになった頃が収穫のタイミングです。追肥は必ずしも必要ではありませんが、摘心のあとと花が咲き始めたころに追肥をすることで大きく成長し、実もさらにたくさんできるようになります。
収穫したら次回また栽培するために果実を一つか二つ保存しておく必要があります。冬の間は新聞紙にくるんで冷暗所で保存し、春になったら果実ごと植えるようにするとまた新しい果実がたくさんできることでしょう。
ただ「センナリウリ」という別名の通り一つの株からたくさんできるので、増えすぎて果実ができすぎると困る場合、一回上手な育て方を終えた次の栽培時は一つの果実で栽培をするようにしましょう。
育て方のポイント
ハヤトウリの栽培は水やりや肥料に関しては手間なく簡単に栽培することができますが、支柱や棚を作り方や植え付け場所に気を付けることがポイントに一つです。つるは上へ上へと伸びていくので、二つ植え付けをするときには棚や支柱の両側に植え付けることや、果実がたくさんできた時に耐えうるような頑丈な支柱や棚にすることです。
またたくさんの果実を実らせるために、「摘心」が育て方の重要なポイントとなってきます。親づるよりも子づる、子づるよりも孫づるにたくさん実るので、孫づるを大きくするように親づるや子づるの先端を切っていく作業が必要になってきます。
ハヤトウリを使った上手な料理法と栄養価
ハヤトウリはしゃきしゃきした歯ごたえを楽しむためにきんぴら風にしたり、いためたり、漬物風にしたり、色々な料理法があります。
一般的な家庭での料理法としては、まず皮をむいて、切って種とわたの部分を取り除き、千切りにしたり、好きな大きさにカットし、少し水にさらした後、油でいためたり煮たり、酢などに着けたりして好きな風に食します。少しあくがあるので、水にさらすことや、敏感な肌の方が調理をする場合にはゴム手袋をはめるなどの工夫が必要な場合もあります。
ハヤトウリ自体に味があるわけではないので、甘辛く和風料理にしたり、中華風に甘酢や辛みそで味付けしたり、シチューなどに入れたり、酢や塩で漬けたり、マヨネーズなどに合えたりして、和、洋、中のどのような料理にもすることができて便利な野菜です。ハヤトウリの栄養価は低く、カリウムとパントテン酸をやや多めに含んでいるくらいです。
カリウムは体内のナトリウムを排せつする働きがあり塩分量を調節してくれ、筋肉や心臓の働きを調節し、細胞内駅の浸透圧を一定に保つ働きもあるといわれています。パントテン酸は熱やアルカリ、酸に弱いのですが、資質の代謝に必要な成分です。またタンパク質や炭水化物の代謝にもかかわっています。
パントテン酸は不足すると成長が停止したり、めまいや副腎障害の原因にもなるので、栄養価が低いといえどもハヤトウリを食べることで、塩分の取りすぎを抑えたり、資質や炭水化物などの代謝を良くしてくれるという恩恵があるのです。
夏には緑のカーテンとして日よけの役目をしてくれ、摘心さえきちんと行うようにすれば、水や肥料のことをあまり気にすることなく栽培することができるので、初心者でもうまく育てることができる野菜と言えるでしょう。
ハヤトウリの歴史
原産地はメキシコ南部から熱帯アメリカ地域で、アステカ文明やマヤ文明のころから食べられてきたと記録されている野菜です。はじめは原産地周辺だけで食べられていたのですが、スペイン人に征服されてから世界へ広がりました。
中国では1915年ごろには中国江南地方、雲南、福建などで栽培され,つるになる様子が仏様の手に似ているということで「佛手うり」と呼ばれ縁起物にもされていました。タイでも広東や四川など中国の生息地から伝わって来、「ファクメオ」と呼ばれて栽培されていました。
日本には1917年に鹿児島にまず入ってきました。そして「薩摩隼人」にちなんで「ハヤトウリ」という名前が付けられたのです。日本では鹿児島県や沖縄県などの気候が栽培に適していて、生息地とされ盛んに栽培されています。
ハヤトウリの特徴
ウリ科のつる性の多年草です。見た目は洋ナシのような形をしていて淡い緑色をしているものと白いものがあります。一株で100個以上の果実ができ、大きな果実の中に一つだけ種があることも特徴的です。
表面はでこぼこがたくさんあるものやとげのあるものもあります。ハヤトウリ自体には味はあまりないのですが、しゃきしゃきとした歯ごたえが特徴的で、風味よりも歯ごたえや舌触りを楽しむ野菜と言えます。
根も茎も葉もどれも食べることができますが、一般的に出回っているのは果実の部分です。日本では生でサラダとして食べたり、煮物、蒸し物、スープの具、漬物などにして食べることが多いです。サイズが小さいものなら皮が薄いので皮ごと食べることもできます。
ハヤトウリは寒さに弱く、霜が降りると地上から出ている部分は枯れてしまいます。暖かい地域では冬を越すこともできますが、枯れてしまったらわらやマルチを敷いて寒さを防ぐようにしておくとよいでしょう。
またハヤトウリはほかのウリ科の野菜とは違って短日植物で、開花や収穫は秋になってから行います。花が咲くのも秋で、まず雄花から咲き始め、その後雌花が次々と咲き始めます。そして受粉に成功すれば2、3週間で収穫できるほどに実が成長するのです。若い果実も熟した果実も見た目は色はあまり変わりませんが皮が固くなってきます。
それでも皮をむけば食べることができます。ハヤトウリはほとんどが水分なので、ダイエット中の方には特に向いているでしょう。そして植え付ける際にほかのうりと違う点は、果実の中に一つだけ入っている種を植えるのではなく、果実ごと植えるところに特徴があります。
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