チリアヤメの育て方

チリアヤメの育てる環境について
育て方としまして、まずチリアヤメを栽培する環境に関してですが、他の秋植え球根の植物と同じように、日当たりと水はけのよい場所・土壌が栽培に適している環境です。冬に温暖で日当たりのよい場所を好み、やや乾燥するようなやせ地が適します。
夏の間は、ほかの草花で覆われていても強い耐性を持つためたっぷり日があたらなくてもかまいません。しかし、常に湿りがちな環境は苦手であるため、注意が必要です。肥料分が多く、多湿な環境・土壌であると球根が腐る可能性があります。
しかし、適切な土・環境を与えれば特別な管理や措置・施しが必要なく植えっぱなしでも育つ、強健な性質をもつ球根植物で、性質の面から言えばクロッカスにも似ています。ただ、いくら特別な管理は必要無いとはいえ、極度の乾燥は嫌うため、夏場などの高温期の管理には十分に注意しましょう。
花が咲き、散った後は花茎を切り取って、葉が枯れるまでよく日に当てましょう。秋植え球根同士で植えても、遅咲きのハーベルチアの花期と合わせられるものは限られます。単独で鉢に植えても花はあっという間に終わってしまいます。
関東以西では路地植えが出来ますが、半耐寒性小球根(0℃前後)であるため、東北地方や中部地方北部など寒い地域では、冬期は家の中で管理をしたほうが良いでしょう。クロッカスなどと同様に、踏み石や縁石の脇、芝生の中などに自然風に植え込むとよく合います。多少まとめて植えつけたほうがよいでしょう。
種付けや水やり、肥料について
タネをつけやすいので花がらは切り取ります。込み合ってきたら掘り上げて分球しますが、気にならなければ何年かは植えっぱなしでも大丈夫です。肥料に関しては、ほとんど与える必要がないほど、放置していても育つ植物です。地植えは特に必要がありません。
もし施したいのであれば、時季としては、10月中旬ごろから12月中旬ごろにかけてが目安となります。細かい時期に関して言えば、鉢植えのケースでは秋に葉が展開してきたら少量施しましょう。芽が出てきたら、緩効性肥料を控えめに与えましょう。
花が咲き、散った後にカリ分の多い肥料を与えて来年に備えましょう。鉢に植える際に使用する土に関しては、一般的な草花用の培養土や球根用の培養土で問題ありません。水はけのよいものであれば、それほど土を選ばず大抵のものには対応してくれます。
種の植えつけに関しては、球根は10月ごろに植えつけるのが一般的です。一日花なので、ある程度群生させたほうが見栄えがよくなるため、間隔はあまりあけず群生させると良いでしょう。4号鉢なら5球くらいが目安で、数年間は植えっぱなしの状態でかまいません。
流通している数は少ないのですが、ポット仕立ての苗では、秋から春まで植えつけを施すことが可能です。植え替えに関しては、こぼれダネが芽生えてふえることも非常に多いです。誰かが庭に踏み入れた際、靴についていた種から発芽、ということも少なくありません。株が混み合ってきたら秋早めに植え替えましょう。
増やし方や害虫について
チリアヤメがかかりやすい病気や被害を受けやすい害虫に関しては、これといった被害はあまり見られないため、そういった面では手のかからない植物です。与える肥料に関しても、基本的にはチリアヤメにはあまり施す必要がないため、環境・土の面で気をつけて管理をしてやると良いだけなため、
非常に育てやすい植物であると言えるでしょう。ただし冬の寒さには弱いため、しっかり冬期は寒さ対策を施してやることが大切です。また、水はけに関しても注意しておかないと球根や根が腐ってしまう可能性があるため、こちらにも注意してください。
増やし方に関しては、主にタネでふやします。種をまく適切な時期は、9月から11月にかけてとなっており、2年目(2作目)には花が咲き始めます。また、こぼれダネが芽生えて増えるという方法でも繁殖することが多く、現在各地で広く分布している原因はこれにあります。
人や動物、鳥類などがタネを体につけ、移動した先でタネを知らず知らずのうちにばらまき繁殖するケースが多いです。「自分では植えたはずがないのになぜ…?」という時は、まれにこういった要素が関係している場合が多いです。
タネで増えるほか、球根から花数が増えるケースもあります。花が枯れたあと同じ球根からそのまま芽が生え育つケースと、親球根ではなく脇に出来る子球根から芽が生えるケースと2つのパターンがあります。またタネもよく実るため、自然に親株の周りに落ちて芽生えます。
チリアヤメの歴史
チリアヤメ(チリ菖蒲/知里菖蒲 Herbertia lahue=Herbertia amoena=Alophia amoena)/ヘルベルティア・ラフエ/ヘルベルティア・アモエナ/ヒベルティア/ハーベルティア/アロフィア・アモエナ/ヒメアヤメ(俗称)/英名:Prairie nymph/
Herbertia pulchella(ハーベルティア・プルケラ)==Alophia pulchella(アロフィア・プルケラ)は、ラフエとは別種である、アヤメ科ヘルベルティア(チリアヤメ)属の半耐寒性多年草(秋植え球根)です。もともとの原産地は南米の国・チリやアルゼンチン・ブラジル・ウルグアイ
(チリアヤメの「チリ」はこの国名に由来)など南アメリカ一帯とされています。日本へは大正4~5年に渡来したといわれています。関東地方以西の平野部では野生化している場所もあり、条件がよいとこぼれダネで自然にふえます。
現在、その生息地は世界各地に広がっており、色々な場所でその姿を目にすることができます。遅咲きの秋植え球根植物であり、花後にケシのような実(サヤ)をつけます。熟すとサヤがはじけてたくさんのタネをばら撒くので、
こぼれタネでも繁殖していくことが多いため(タネは開花まで3年くらいはかかる)、日本各地で群生する結果となりました。関東以南では野生化しているところもあるほどです。チリアヤメは球根でもタネでもお店で販売されています。
チリアヤメの特徴
チリアヤメは、芝生の中などで散らばるように点々と可憐な花を咲かせ、小さいながらも鮮やかな濃いブルーの色がよく目立ちます。個体によりブルーの濃淡が変わり、花は朝開いて夕方にはしぼむ一日花ですが、次々と咲き続けます。草姿が小さいわりに花は大きく、
花径は3cmくらい、3枚の丸みのある花弁(外花被)が広がり、プロペラのような変わった形の花が咲きます。中心部には濃淡の模様が入り、3枚の小さな花弁(内花被)があります。夏の間は休眠していて、秋にひだのある針状の葉が四方に数枚出ます。
球根は小さな紡錐形で下方に伸長肥大し、さらにけん引根で引っ張られて地中深くにもぐっていきます。晩咲きのチューリップやシラーの花が終わるころに咲き始めます。葉は細く、線状でクロッカスによく似ています。草丈も低く、サトイモ科(ショウブ科)ショウブ属の多年草で、
主な生息域としては水辺に生えています。北海道除く日本~中国~ヒマラヤまでの、東アジアの亜熱帯・暖温帯に広く分布しています。葉の長さ20~50cmで、大きなニラ程度の幅と長さです。先の尖った細長い形と硬さが剣に例えられます。
色は濃緑で艶やかな光沢があり、品のいい香りあり。根はエビの背のようにごつごつと節くれだち、時に地表に裸出して横ばいし、そこから出したひげ根を地中に伸ばします。このひげ根で、岩に絡みついて生育することもあります。花は、春に淡黄色の肉穂花序をつけます。
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