ニューギニア・インパチエンスの育て方

育てる環境について
ニューギニア・インパチエンスの育て方で気をつけておきたいのは温度です。生息地が南国のため寒さに弱く、多年草ではありますが日本で栽培すると冬の寒さで枯れてしまいます。ただし温度管理をきちんと行っておけば、越冬させて翌年も楽しむ事ができます。
室内で越冬させる場合は、温度は最低でも5度以上を保つようにしておきます。強い日差しを受ける場所での栽培も避けるようにして、風通しの良い半日陰で育てるようにします。11月から4月までの間は室内で管理して、それ以外の時期は明るい半日陰で育てるようにします。
株にまんべんなく光が当たるように時々向きを変えておきましょう。室内で育てる時にはエアコンの風が直接当たらないように注意して、直射日光が当たりそうな時はレースのカーテンなどで光を遮るようにしてください。反対に日照不足になってしまうと、
花が付きにくくなりつぼみができても落ちてしまうこともあります。花がしぼんだ後はこまめに摘み取るようにすると、たくさん花が咲くようになり、葉が枯れた場合にもすぐに取り除いておくと病気の予防になります。ニューギニア・インパチエンスは、
ハンギングバスケットやコンテナでの栽培にも適しています。植え替えする際には生育が早いため少し大きめのサイズに植えるようにして、ベランダなどでコンテナや鉢を吊り下げて利用する時は、通常の土の代わりにバーミキュライトやピートモスなどの軽量の物を利用するようにします。
種付けや水やり、肥料について
鉢やポットでニューギニア・インパチエンスを入手したら、根を切らずにそのまま花壇や大きめの鉢に植えつけます。ニューギニア・インパチエンスはとてもデリケートで、根を傷つけてしまうと枯れることがあります。生育が早いのですぐに根詰まりをおこし、
鉢の底から根がはみ出すといった状態になることがありますが、その場合も根を切らないように注意して一回り大きな鉢に植え替えます。越冬させて多年草として楽しむ場合、何度が植え替えすることになりますが、一気に大きな鉢に植え替えてしまうと根腐れを起こす可能性があるので、
極端に大きな鉢への植え替えは止めておきましょう。土は保水性のあるものを利用し、小粒の赤玉土、ピートモス、腐葉土を混ぜあ合わせて使います。ニューギニア・インパチエンスは乾燥に弱いので、水やりは表面の土が完全に乾く前にたっぷりと与えます。
水切れを起こすと葉がしなびてくるため、鉢の底から流れ出るくらいに十分に水やりをします。夏場は水の吸い上げと水分の蒸発が激しいため毎日、場合によっては1日2回ほど水を与えます。冬場に室内で育てている時は、表面の土が乾燥してから水やりを行ってください。
肥料は春から秋の開花時期には置き肥と液肥を併用して与えるようにします。この時期の肥料は花付きを良くするために重要な役割を果たしているので、肥料は切らさないようにしましょう。それ以外の時期には特に必要はないのですが、気になる場合は固形肥料を株元に置いておきます。
増やし方や害虫について
ニューギニア・インパチエンスを増やす時は、5月から7月または9月から10月の間に挿し木で行います。挿し木は茎の先端から3~5節程度(15cmくらい)の辺りを切り、下葉はすべて取り除いて先端部分の葉だけ残しておきます。30分ほど茎を水につけておき、その後土に挿しておきます。
挿し木がしっかりと根付くまでは土が乾かないように半日陰において管理します。株を冬に室内で越冬させる場合には、冬前に株を1/3程度刈り込んでおき、春になって植え替えする時に再び10cmほど残して切り戻します。ニューギニア・インパチエンスで発生する害虫は、ハダニやアブラムシです。
害虫は乾燥すると発生しやすくなるため、水やりの際に根元だけでなく葉にも水をかけて、十分に湿らせておきます。葉が縮れてきたり黄色くなってきた時には害虫が発生している可能性が高いので、見つけた時は殺虫剤などを散布して害虫を駆除するようにしてください。
病気では、灰色カビ病にかかることがあります。灰色カビ病が発生するとまずシミのような斑点ができて、やがて灰褐色のカビに覆われてしまいます。これは葉だけでなく花にも生じるため、湿度が高くなる時期には特に注意が必要です。
灰色カビ病を予防するには、なるべく風通しを良くして湿気を抑えるようにします。また、枯れた葉や花などにも病原菌がついているので、花がらや痛んだり枯れてしまった部分はすぐに取り除くようにしておきましょう。
ニューギニア・インパチエンスの歴史
ニューギニア・インパチエンスはツリフネソウ科の常緑多年草で、学名を「Impatiens hawkeri」と言います。インパチェンスにはたくさんの種類が存在していて、その数はおよそ500種以上にも及びます。そのたくさんのインパチェンスの中からニューギニアを原産とした野生種を元に、
さまざまな種類を掛け合わせて作られた園芸種がニューギニア・インパチエンスです。別名「ニューギニア・ハイブリット」とも呼ばれるこの種類は、19世紀に発見された後にアメリカで品種改良されて、その後ドイツや日本などでもさらに改良が進み、
一層花付きが良く豪華で育てやすいものになりました。インパチェンスと比べると葉の色が濃く花と株が大きいため、とても見栄えがします。ニューギニア・インパチェンスの野生種の生息地は、太平洋南部に位置するニューギニア島の高山地域です。
そのため南国原産の花でありながら、極端な暑さと寒さに弱いという性質があります。ニューギニア・インパチェンスは園芸用として育てやすくなっていますが、栽培する時には温度管理に十分注意してください。花の色には南国らしい鮮やかな色彩の朱や赤、白色、赤紫、黄色など、
豊富な色が揃っていて、単色の他にも色が混ざっている物もあり、さまざまな色を組み合わせたニューギニア・インパチエンスの寄せ植えも楽しめます。主に鉢植えとしてよく出回っている種類ですが、近年ではポットでの販売も多くなってきました。
ニューギニア・インパチエンスの特徴
ニューギニア・インパチエンスの花の直径は約2cm~4cmととても大きく、色鮮やかで印象的なので単体でもかなり見栄えがします。半日陰で湿気のある場所を好むため、園芸に不慣れでも育てやすい植物です。明るい場所であれば日が当たらなくても十分育つので、
半日陰になってしまう場所に彩りを添える花として重宝されている植物です。開花時期にはたくさんの花が咲くためとても見ごたえがあり、庭や花壇だけでなく室内やベランダでのガーデニングにも多く利用されています。ニューギニア・インパチエンスの開花時期は長く、
5月から10月まで楽しめますが、暑さが厳しくなる時期に一度根元から10cmくらいの長さまで切り戻ししておくと、再びたくさんの花を見ることができます。また終わった花がらはすぐに取り除くようにして、花が咲いた後の茎はこまめにカットしておくと、
節から新しい芽が出てきます。株が育つと丈は25cmから50cmほど、横幅は30cmから50cmほどになります。ニューギニア・インパチエンスは強いインパクトのある花なので、寄せ植えなどで利用する場合は柔らかい印象の植物と合わせるのではなく、
葉の形に特徴があるものや色味の強い植物と合わせるようにするとバランスが取りやすくなります。また寄せ植えの際にはニューギニア・インパチエンスと同じような環境を好む植物を植えるようにしておくと、いずれかの植物が枯れてしまうといった失敗が防げます。
-
-
ラッキョウの育て方
ラッキョウの生息地や原産地は中国のヒマラヤ地方といわれ、中国では紀元前から栽培されていたのです。主に薬用として利用されて...
-
-
ウコンの育て方
ウコンという名前は知っているものの、現在では加工されて販売されていることがほとんどのため、実際にはどのような植物であるか...
-
-
クレピスの育て方
クレピスは学名で、モモイロタンポポ(桃色蒲公英)というキク科の植物です。ただし、クレピスの名前で呼ばれることも多いです。...
-
-
ポテンティラ・メガランタの育て方
ポテンティラ・メガランタは別名をハナイチゴや西洋キンバイといいます。葉がイチゴのものに似ていて愛らしい黄色の花を咲かせま...
-
-
シモツケソウの育て方
シモツケソウは日本原産の固有種で、本州の関東地方から九州にかけてが生息地となっています。山地や亜高山の草地、林の縁などに...
-
-
コルジリネの育て方
コルジリネはキジカクシ科のセンネンボク属に属します。原産地は東南アジア、オーストラリア、ニュージーランドなどでの熱帯から...
-
-
ベランダで出来るミニトマトの育て方
家庭菜園をはじめたいけど、畑や庭のない人もいると思います。そんな場合は、まずミニトマトかはじめてみませんか?ミニトマトな...
-
-
キクイモの育て方
キクイモは一年中育てることができる多年草の為、一度植えますと基本的に毎年開花する植物です。また、この名前は日本での名称で...
-
-
カエデ類の育て方
カエデ類はカエデ科カエデ属の木の総称で、さまざまな品種が存在しています。日本原産の品種も20種類以上がありますし、生息地...
-
-
モクレンの育て方
中国南西部が原産地である”モクレン”。日本が原産地だと思っている人も多くいますが実は中国が原産地になります。また中国や日...
ニューギニア・インパチエンスはツリフネソウ科の常緑多年草で、学名を「Impatiens hawkeri」と言います。インパチェンスにはたくさんの種類が存在していて、その数はおよそ500種以上にも及びます。