スカビオーサの育て方
スカビオーサの育て方を学ぼう
スカビオーサは一年中日当たりと風通しが良い場所で栽培できればベストです。どちらかというと冷涼な場所を好みますし、多くの植物と同じように高温多湿は苦手です。特に多湿によって蒸れてしまうと下葉が枯れてしまいますので、梅雨時から夏にかけては特に注意が必要です。
夏はできるだけ涼しい場所で栽培してあげるのが育て方の大切なところでもあります。そして地植えにしているのであれば梅雨から夏にかけてはマルチングをしておきます。マルチングというのは株元にワラを敷いたり、腐葉土で覆ったりして地温の上昇を防ぐことです。
耐寒性はスカビオーサはかなり強いですから冬でも屋外で何もしなくても冬越しすることができます。たださすがに寒冷地ではマルチングをして凍ってしまわないように気をつけてあげるほうが良いでしょう。使う土は水はけの良いものを選びましょう。
鉢植えに植える場合は赤玉土4、軽石砂4、腐葉土2の割合で混ぜ合わせたものを使うと良いです。水は生育期に乾燥させてしまうとスカビオーサの花が咲かなくなってしまいますので注意しなければいけませんが、過湿は嫌いますのでやり過ぎには気をつけます。
水を与えるタイミングは土の表面が乾いている時です。真夏は蒸れやすいですからお水をあげるのであれば朝もしくは夕方にあげるようにするのがベストです。肥料は生育期には液体肥料を1000倍から2000倍に薄めたものを時々与えるくらいで、それ以外の真夏や冬の休眠期間は肥料を与える必要はありません。
種付けはできるのか?
スカビオーサを増やしたい時には西洋マツムシソウの場合は種付けさせて増やしていきますが、多年草タイプであれば株分けをしたり挿し芽をすることで増やしていきます。種付けは花が咲き終わった後に花茎をカットしないでそのまま栽培していると種付けされますから、それが茶色になるまで十分に待ち、地面に落とさないように気をつけて採取します。
種まきをするのであれば9月から10月頃が良いです。清潔で肥料が入っていない土をポットに入れてそこに種まきをして栽培するのが手軽です。種をまいたら薄く土をかけておき発芽するまでは乾かさないように気をつけます。発芽したら一番元気なものを1つ残して残りは間引きます。1週間に1度液体肥料を薄めにのばしてから与えます。
冬は肥料を与えず、暖かくなったら庭や鉢などに植え替えます。多年草の場合、株分けをする時は春先に行い、挿し芽は茎の先端を7cmから8cmほどにカットし、それを川砂などに挿しておきます。灰色カビ病に春から梅雨時、秋から初冬にかかりやすいので注意しなければいけません。
灰色カビ病にかかってしまう原因は多湿状態になってしまってることなので、風通しが良く株が蒸れないように予防するのが育て方のコツです。灰色カビ病は葉や茎、花にシミのような斑点ができ、それが広がっていって最後には腐ってしまうというものです。
灰色のカビが生えてしまうのです。株全体に広がってしまうと処分するしかないので、一部でも見つけたらすぐにそこを取り除き、殺菌剤などをまいておきます。西洋マツムシソウの場合は1年草(2年草)なので植え替えをする必要はありません。
しかし、多年草タイプの場合は鉢植えをしている場合、根詰まり防止のために1年に1度もしくは2年に1度、鉢を一回り大きめのものに植え替えます。地植えのものは3年から4年ほど植えっぱなしであれば株分けをしておくのが良いでしょう。
スカビオーサの花言葉
スカビオーサにはいくつかの花言葉があります。風情や感じやすい、魅力、恵まれぬ恋、朝の花嫁というものがあります。これはヨーロッパでは紫色の花を未亡人に贈る花としていて悲しみの花嫁や喪中の花嫁という意味があるmourning brideとスカビオーサを英名で名付けています。
しかしこれは少し暗いイメージがありますで、アメリカの花屋がそれと似せた言葉で明るいイメージがあるということでmorning brideつまり朝の花嫁とイメージが良い呼び方で呼びだしたことが由来だといわれています。
6月30日と8月3日、8月26日の誕生花でもあります。スカビオーサは育て方が比較的難しくないことから栽培している人が増加しつつあります。世界で70種類ほどありますし、日本にも変種などがあります。帰化種や栽培種などもあり、花の直径は5cmほどです。
スカビオーサにはピューレグリーン、プチグリーンなど緑系の花のもの、アプリコットやイエロームーンなどの黄色系のもの、クリスタルやモモコ、スーパーピンクなどのピンク系のもの、ボルドーという濃い紅色系のものがあります。
また、アンダルシアやラベンダーなどの紫系のもの、クイーンという白とピンクのコンビネーションの花が咲くものなどあります。チリシリーズというのもあり、濃い紅色の花が咲きます。お好みでいろんなカラーを混ぜて植えてみるのも楽しめます。
スカビオーサの歴史
別名を西洋マツムシソウといいます。英名ではピンクッションフラワーやエジプシャンローズ、スイートスカビオスなどあります。スイカズラ科マツムシソウ属で、日本で高山などに自生しているマツムシソウの仲間です。原産地は文献によっていろいろ説がありますが、ヨーロッパ、南アフリカといわれています。日本に渡来したのが明治時代です。
属名であるスカビオーサはラテン語で皮膚病の疥癬という意味があります。疥癬はかゆみを伴う皮膚病のことをいいます。スカビオーサ属のある種類が皮膚病に薬効を持つということから昔から皮膚病の薬として使われていたことによります。
江戸時代後期にはスカビオーサがヨーロッパで皮膚病の薬として使われていることは日本国内でも知られており、国内ではスカビオーサを手に入れにくかったことからよく似ていると考えられ、手に入れやすかったマツムシソウを代わりに使っていました。
マツムシソウ自体にも血流促進、脳血栓や心筋梗塞の予防などの効果があります。生息地も原産地と同じです。ピンクッションフラワーと呼ばれるようになったいわれは長い柱頭が立って針山に針を刺したように見えることです。
スカビオーサの特徴
スカビオーサの草丈は10cmから大きいもので1mほどになります。5月から10月頃にかけて花が咲きます。1年草のものと多年草のものがあり、西洋マツムシソウと呼ばれているものは1年草のほうになります。西洋マツムシソウも本来は何年も花を咲かせるタイプなのですが、国内では園芸上1年草もしくは2年草として扱われています。
野生種は暗い紫色の花を咲かせますが、園芸種にはいろんなカラーがあり、青、ピンク、白、濃い紅色などもあります。比較的育てやすく、耐寒性はかなりのものです。草丈が高くなる種類もあるのでそういう種類は花が咲く前に倒れてしまう恐れがありますから、支柱をたててあげるなどしておくと良いです。
日光が大好きな植物なので、1年中日当たりの良い場所に置いて育ててあげるとすくすくと大きくなり、きれいな花を咲かせるようになります。鉢植えや露地植えだけではなく、ロックガーデンなどにも向いています。
乾燥には強いのですが、逆に過湿にはとても弱いので気をつけなければいけません。西洋マツムシソウはスカビオーサ・アトロプルプレアという学名があります。西洋マツムシソウの草丈は10cmから30cmほどになります。
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