エンレイソウの育て方
育てる環境について
もともとが涼しい地方を好む野草ですので、冬の寒さには強く、夏の暑さには若干弱めです。鉢植えで育てる場合は、秋から春までの気候が穏やかな季節には日なたで育て、春の終わりがけからは日陰の方に移します。夏になったらその間は温度変化が小さくなるように配慮し、涼しい日陰におきましょう。
鉢は深鉢を用いて、硬質鹿沼土か日向土、軽石、赤玉土か桐生砂などの小粒を適量混ぜたものと細かいヤシ殻チップを3割ほど入れたものが良く育ちます。山草鉢は乾きやすいものですので、軽石の量を減らすなどして、赤玉土を使って水もちを確保するように土を作ります。
庭植えする時は落葉樹の下あたりに鉢植え用の土を20cmほど土を盛り上げるように客土し、その上に植えます。寒冷地の場合には、腐葉土をよく混ぜると更に良いでしょう。回りにシダなどの同じような環境が適している植物を植えて、湿度が保たれるような環境作りを行います。
強い風によって柔らかい茎が折れることもありますので、開花前あたりから支柱立てを行います。地上部が枯れる時期まで支柱は立てたままいしておきます。また秋に芽が育ってきて、地表に出てきてしまうことがあります。そのままにしていると寒い風にあたって傷んでしまいますので、
農業用のマルチで防寒をおこなうか、ヤシ殻チップなどによって保護します。寒さに強い特性がありますので、雪が積もる地方であれば、雪がマルチの役目してくれますので、秋にヤシ殻チップなどを乗せておけば冬でもちゃんと冬を越します。
種付けや水やり、肥料について
タネまきは6月ごろに行います。タネを採る場合には、初夏のころ、果実が熟して柔らかくなったのを確認したらすぐにタネを採り、清潔な苗床に撒きます。乾燥させて保存したタネは、発芽率が大変悪くなります。また種蒔きから育てると花が咲くまでに7年近く掛かってしまいますが、
それでも一番育てやすい方法です。親株と同じ土で苗床を作り、乾かさないように管理します。翌春か翌々春には、緑色の糸状の葉を出します。ささやかですので、雑草と間違えててしまうことも多々あります。最初の数年間は大人のエンレイソウとは全く違う、細い葉が1枚出るだけの状態で過ごします。
親株と同じように肥料を上げて、同じような葉が出た時を見計らって、8月から9月上旬に鉢や庭に植え替えます。水やりは鉢植えの場合、土の表面が乾けばが十分に与えるようにします。葉が枯れずにいる間は絶対に乾燥させないように気を配ります。
乾燥から守る環境も作っておきます。鉢底穴から給水ひもを垂らす底面給水の方法も適しています。休眠中であっても乾燥は厳禁です。砂床に埋めて水やりするのも良い方法ですし、地面に鉢ごと埋めるのも良いでしょう。庭植えしているのであれば、
日照り続きでしおれている状態であれば、水やりを行います。休眠中は水やりは必要としません。肥料は鉢植えでは、秋から5月にかけて2か月に1回の割合で、三要素が等量配合された緩効性肥料を1芽に2つまみ程度与えます。月1回、油かすと骨粉が等量配合された固形肥料を2個程度置き肥する方法でも良いでしょう。
肥料は、湿らせたものを土に混ぜ、1から2か月ほど発酵させてから与えると使う効果的です。秋から翌年7月までは、週1回程度で3000倍に薄めた液体肥料を与えます。同時に秋からは草花用の液体肥料、芽が出てから4月中は観葉植物用の液体肥料、5月から7月まではリン酸が多めに含まれた液体肥料を用います。庭植えでも同じです。
増やし方や害虫について
増やす方法は種まきが一番育て方が容易とされていますが、株分けも可能です。しかし大株であったり根茎が長く伸び、芽も多く出てくるような種類しか適していません。しかも根茎が自然な形で離れ無理なく外れる様な部分、なおかつ5芽以上つけている状態で分割できる根茎がある場合です。
日本産種ではそこまでは株が大きくなることはなく、株分けは期待できません。そのため時間がかかるものの、種蒔きから行うのが一番確実なのです。かかりやすい病気はマイコプラズマ病です。春に株全体が寸詰まりになったり、花弁が緑色になる、または緑の縞が入るなどすることで確認できますが、
春が一番症状が出やすい季節です。そのような症状が出た後、成長不良によって、最後には枯れてしまいます。感染力自体は強くありませんが、完治することがありません。そのためかかってしまった時には、その株を廃棄するしかありません。
株分けなどを行う際に刃物を当てる場合もありますが、必ず消毒をしてから刃物を使うようにしましょう。良くつく害虫はアブラムシです。特に春の季節に新芽や蕾につきます。手で取るか、古い歯ブラシなどを使って落とすなどが駆除には有効です。
新芽や葉裏などに寄生すると、植物の汁液を吸って生育を阻害します。著しく悪くなります。またウイルスをい媒介することもあります。繁殖力が大変強い虫のため、長期間効果が持続する浸透移行性の薬剤などを使った駆除も効果的です。
エンレイソウの歴史
エンレイソウは、ユリ科のエンレイソウ属に属する多年草です。タチアオイとも呼ばれています。またエンレイソウと呼ぶ時には、エンレイソウ属 の植物全般を指すこともあります。日本においては北海道から本州、四国、九州と広範囲に分布していますが、
生息地は低地に限らず山林でも見られ、やや湿った場所を好んで自生しています。原産国ということであれば、東アジアのサハリンや北米が挙げられます。中国では薬草として用いられ主に胃腸薬として使われていました。今でも民間薬で知られています。
高血圧や神経衰弱、健胃、腹痛、食あたりに効くとされ、根茎を乾燥し、1日に3グラムから5グラムほど煎じて飲みます。 日本においても古い書物にエンレイソウの記述を見ることができます。「延命草」「養老草」「三葉人参」などの名で薬効について書かれていますが、
日本でも胃腸薬として扱われていたことがわかります。中国名で「延齢草根」と書かれますが、これをそのまま日本でも使いました。しかしエンレイソウの根には有毒成分であるサポニンなどが含まれ、過剰な摂取によって、嘔吐や下痢を伴う中毒症状が引き起こされてしまいます。
薬草に使われた経緯があるものの、素人考えで服用するのは大変危険とされています。園芸植物として愛でる分には全く問題はありませんので、安心して楽しめます。また黒く熟した果実は、ごく一般的な食用として知られています。これについては毒性はありません。
エンレイソウの特徴
エンレイソウの仲間は特徴的な葉柄を持たずに茎から直接生える丸みを帯びたひし形3枚の葉と、その葉が輪生する中から咲く花弁を持たない3枚のガクの花を持っています。その特徴によって非常に覚えやすい植物になっています。3枚の葉の中心から短い花柄を伸ばして小さな花を咲かせますが、
花弁のように見える3枚のガクは緑色もしくは濃紫色や茶色で、ちょっと横向きに咲く様は大変可憐でかわいらしいものです。2センチほどの大きさです。ただしエンレイソウの仲間の中では花びらをもたないのはエンレイソウだけで、ミヤマエンレイソウやオオバナノエンレイソウ、
またそれらの雑種については花びらがあります。いづれも山野草、草花の特徴を持っています。国産のエンレイソウについては、栽培が簡単にできるとは言えず、オオバナノエンレイソウの山採り株などは特に育てにくいと言われています。
育てるならば、今元気な状態で育てている人から株を譲ってもらうか、タネから育てるのがオススメです。園芸種には花びらが細長くレモンイエローになるトリリウム・ルテイム、ちょっと大ぶりなトリリウム・クロロペタルム、
大きな株立ちになるトリリウム・エレクツム、八重咲きのトリリウム・グランディフローラム‘フローレ・プレノ’などが挙げられますが、その中でもトリリウム・グランディフローラム‘フローレ・プレノ’は完全な園芸品種で、比較的手に入れやすく栽培もそこまで難しくはありません。
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エンレイソウは、ユリ科のエンレイソウ属に属する多年草です。タチアオイとも呼ばれています。またエンレイソウと呼ぶ時には、エンレイソウ属 の植物全般を指すこともあります。