芝桜の育て方
芝桜の育て方を学ぼう
芝桜の育て方の基本はまず植える場所を間違えないことです。芝桜はあまり日の当たらない場所に植えると茎がひょろひょろとしてしまいますし、花もあまり咲きません。せっかくの魅力が台無しになってしまいますので日当たりが良く、水はけと風通しが良い場所を見つけましょう。同じ場所で何年も咲かせる場合は目土という方法を行います。
これは植えてある株の上から土をかけてならすというもので、茎の下半分が埋まるほど土をかけてしまうのが目安です。芝桜は横に這うように伸びていくわけですが、伸びた茎の筋から新しい根っこを生やします。そのため、この目土を行なうことで茎と地面との隙間がなくなって新しい根が生えやすくなるのです。
3、4年育てていると古い株は花付きが悪くなってしまうのでそれを取り除いて、あらかじめ作っておいた苗で補充してあげるとまた隙間があくことなく、きれいな花を咲かせてくれます。ただしあまり株が込み合ってしまうと蒸れやすくなりますし、その部分の葉が枯れてしまうことがあるので適当に間引いてあげる必要があります。
水は土の表面が乾いてからたっぷりとあげればいいのですが、やり過ぎないように気をつけましょう。肥料は植える前に土に混ぜ込んでおき、あとは早春と初夏の辺りに化成肥料を少しだけばらまくか液体肥料を2週間に1度、2、3回与えればよいです。ただし育て方のポイントとして肥料は窒素成分が少なめのものを与えることを覚えておきましょう。
芝桜は窒素成分が多い肥料を与えて栽培すると茎はよく育ちますが、花があまりつかなくなってしまうのです。かかりやすい病気はほとんどありませんが、ハダニだけは注意が必要です。高温で乾燥した土のある場所によく発生するので時々栽培している場所を見回ってチェックしておくほうが良いです。
種付けはできるのか?
芝桜はそのままでも横に這いながら根っこを増やしていき、そこからまた新しく芽が出るなどして増えていきます。ですから、どちらかといえば種付けをわざわざしなくても株分けをしたり挿し芽をするなどして苗を作ってそれで増やすようにすることのほうが多いです。
また丈夫なほうなので、茎を適当にちぎってそれを土の中に埋めておくだけでも根が生えてきてまた花を咲かせることがあります。ただし晩秋に株分けなどを行なうと寒くなる前に根を十分に張ることができず、枯れてしまうことがありますので栽培する上で気をつけることとして理解しておくといいです。
さし芽をする場合は先端から5cmほどに切って下の3分の1ほどの葉を取り除いておき、土にさしておくと3週間前後で根が生えてきます。苗の植え付けは3月から5月頃、もしくは9月から10月頃を目安にしましょう。
さし芽などで簡単に増やすことができますから、種付けなどを意識しなくても大丈夫です。種付けしたとしても小さな花ですからかなり注意して見てなければ気づくことがありません。栽培して増やしていくのであればやはり苗からにしたほうがよさそうです。
芝桜の種類は?
育て方を前もって学んだら、お庭をどんな種類のもので埋めたいのか想像してみるのが良いでしょう。芝桜にもいくつかの種類があるのです。花が大きめのピンク色の花びらをしているダニエルクッション、白の代表的な品種はモンブラン、一応赤色品種ではありますが、ピンク色にも見えるスカーレットフレーム、モンブランとあまり変わらない花色をしているけれど、モンブランよりも葉の色が濃いのがリトルドットです。
白色にピンクのストライプが入っている品種は多摩の流れ、別名キャンディーストライプです。他の品種よりも開花時期が長く、珍しいブルーの花を咲かせるのがオーキントンブルーアイ、冬でも葉のきれいな緑色を保つことができるオータムローズはダニエルクッションよりも少し色が薄めのピンクです。
そしてオータムローズをさらに薄くしたような色をしているのがアトロプルプレアです。少し紫がかっているのが特徴です。これらの品種の中で特に人気が高いのはよく見かけることができるダニエルクッションとモンブラン、そしてスカーレットフレームです。これらは芝桜をたくさん植えてある公園などでも群生させて見事な花を咲かせています。
花が終わった後は刈り込んであげることでまた新芽が出てきてきれいなグリーンが広がります。刈り込みは剪定鋏や芝刈り機を利用するのが良いでしょう。刈る時には上から押さえつけ過ぎないようにすることできれいに刈り込むことができるようになります。上の部分をなでるように刈っていくのがポイントです。
こうすることで株の密着を防ぐことができますし、蒸れにくくなるので害虫などの発生も予防することができます。ちなみに育てやすいのはダニエルクッション、リトルドット、アトロプルプレア、スカーレットフレームの順になります。
芝桜の歴史を知っておこう
たくさん増えると小さな花がまるで絨毯のように見えることから公園などにも植えられることが多い芝桜は北アメリカ東海岸が原産です。ハナシノブ科の植物で、別名をモスフロックスといいます。モスフロックスのモスとは苔のことをさします。日本では横に這っていく様子を芝に例えていますが、海外ではまるで苔のようだと考えられたのでしょう。
横に這って広がっていくタイプで毎年多く花が咲いてくれる多年草です。芝桜という名前がついたのはまるで芝のように茎がほふくし、桜のような花を咲かせることが由来です。学名はフロックス・スプラータなのですが、このスプラータというのは針形のという意味があります。
1786年頃にアメリカからヨーロッパへと渡り、その後ヨーロッパから日本国内へと渡来しました。生息地は同じく北アメリカになります。地面を広く覆って雑草が生えてくるの防いでくれるのでグランドカバーとして利用されることも少なくありません。
芝桜というと日本古来のものではないかというイメージも持たれがちですが、はるか北アメリカの地からやってきたのだと考えると不思議なものです。芝桜はその名の通り、芝のように世界各地に広がって人々の目を楽しませています。
芝桜の特徴とは
芝桜は4月から5月頃に花を咲かせます。状態の良い土に植えておけば1株だけでも50cmほどに広がって成長します。芝桜は群生させるのがポイントなので花壇などでもなるべく広い場所に植えてあげるといいでしょう。花の色はピンク、白、藤色などがあります。品種によってはそれらの色が濃かったり薄かったりして雰囲気が変わります。
花壇で縁取らせるように植えたり、草丈のある植物とあわせて植えたりしても良いのでいろんな使い道がある花といえます。初心者の方でも育てやすく、寒さにも強いので寒冷地でも植えて楽しむことができます。この花の草丈はわずか10cmほどしかありません。グランドカバーとして使うのはOKですが、人の足などに踏まれてしまうことには強くありませんので人が踏まないような場所に植えてあげる必要があります。
水はけと風通しが良く、日当たりが良い場所が一番植えるのに適した場所です。石垣や土手などに群生していることが多いのはこれらの条件を満たしている場合が多いからです。乾燥には強い植物なので、夏でも水やりもそれほど気を使う必要はありませんから育てやすいです。
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