ガウラの育て方

ガウラの植え付け・種付け
植え付けに適した時期は、四月から六月ごろです。ガウラは植え付ける土壌は特に選ぶことはありませんので、普通の用土を使ってください。水はけと保水力のバランスがとれた土壌に適していますが、少々やせた土地でも大丈夫です。背丈が高くなる品種では、ある程度の間隔をとって植え付けるとよいでしょう。
日当たりを好む花ですので、日当たりのよい場所を選ぶようにしてください。また、ガウラは種を付けることによって増やすことができます。種付けは秋の九月から十月、もしくは春の四月ごろに行ってください。温暖な地域では、秋に種付けをすると翌年には開花を見ることができます。
春に行う場合には、ヤエザクラが咲くころを目安にするとよいでしょう。種付けの方法には直まき・箱まき・ポットまきなどがあります。発芽率は非常によいです。直根性なので、育てる場所に直まきにしても問題ありません。箱まきとは、雨で花の芽が流れたり虫に食われたりすることを防ぐために育苗箱や平鉢に種をまいて目の届く範囲で管理する、という方法です。
箱まきをしたら軽く土で覆い、本葉が3~4枚程度になったらポットに仮植えするとよいでしょう。秋に種付けする場合には、霜に注意をすることが必要です。冬を越す際には霜に当たらないように日当たりの良い場所で栽培し、霜の心配がなくなるころに定植します。
ポットまきでも箱まきと同様に、軽く土で覆えばよいです。ポットの底に芽がまわってきたころに定植してください。その際には根鉢を壊してしまわないように注意することが必要です。種付けをするときも、植え付けるときと同様に種同士の間隔を考慮するようにしてください。
ガウラの育て方
ガウラは強健で幅広い環境にも対応できるので、あまり育て方に気をつかう必要はないと言えます。じめじめとした環境よりも多少乾燥気味の環境でよく育つ花ですので、水をやりすぎてしまわないようにしてください。特に、冬はやや乾燥した状態を維持しながら管理した方がよいです。ただ、極端な乾燥は嫌う傾向にあります。
鉢植えで栽培している場合、水やりは土の表面が乾いてきたころにたっぷりと行ってください。花壇で栽培している場合には、最初の一週間くらいは乾燥を防ぐよう注意を払うことが必要ですが、それ以降はあまり長い間雨が降らないようなときに水やりをするくらいで大丈夫です。
肥料も、あまり多くは必要ありません。植え付ける際に元肥をやっておけばその後は特に心配することもありません。植え付けを行った翌年からは、芽が動き出す春ごろと花が終わる晩秋に、株元に適量の肥料をやればよいでしょう。育て方に気を遣いすぎて肥料をやりすぎてしまうと、逆に花にとってよくありません。
開花期には、アブラムシがつぼみや花につくことがあります。アブラムシは様々な病気を運ぶことがありますし、単体ではあまり影響はありませんが、密集すると花に大きな悪影響をもたらします。このようなアブラムシを駆除するためには、ある程度の殺虫剤を使用するとよいでしょう。以上の育て方を守れば、ガウラは健やかに生育していくはずです。
ガウラの管理など
ガウラの増やし方には、種付け・挿し木・株分けがあります。種の付け方は「植え付け・種付け」の項を参照してください。挿し木に適した時期は五月から六月ごろです。茎を二節くらいを目安に切断し、水に三十分間ほど浸してから水揚げし、挿し穂にします。この際に、発根を促すために植物成長調整剤や発根促進剤を切り口につけてもよいです。
その挿し穂の下の節の葉を取り、そこが土に埋まるように挿します。次の葉がついた節が少しだけ刺さる程度に調節してください。挿した後は、発根して新芽が出るまでは土を乾燥させてしまわないように注意を払うことが必要です。株分けは、植え替えと同様の時期に行えます。三月ごろに行うことも可能です。
ガウラは成長が早いので、鉢植えの場合は二年ほど経てば鉢の中が根でいっぱいになってしまいます。庭植えの場合にも、茂ってきたら株分けを兼ねて植え替えることがおすすめです。鉢植えでは毎年、庭植えでは三年から四年に一度を目安にして植え替えを行ってください。
植え替えの時期は、三月ごろが適しています。植え付けと同じくらいの時期にも行うことができます。ガウラを栽培していて花がよく茂ってきたら、切り戻しを行いましょう。庭植えの場合でも三年ほどすればかなり茂ってきます。そうすれば株が込み合って通気性が悪くなり、株の中心部分が蒸れて病気にかかってしまう可能性もあります。
そのような事態を防ぐために、切り戻しをしてやることが必須です。切り戻しの時期としては、六月から八月が適しています。地表から20センチメートルほどのところまで切り戻します。枯れた葉・花茎を取り除くことも忘れないでください。こうすれば、切断した茎の途中から新しい花茎が伸び、次の花が咲くのを見ることができます。
ガウラの歴史
ガウラは北アメリカを原産地としている花ですが、北アメリカでは「雑草」と認識されているようです。主な生息地はアメリカ合衆国のテキサス州やルイジアナ州です。ギリシャ語で「堂々とした」「華美な」を意味する「gauros」が名前の由来となっています。
ガウラ属の花は北アメリカに二十種類ほどあり、その中でも観賞用にされるのは本種「G・リンドハイメリ」と呼ばれるものです。この種は日本へは、明治時代の中ごろに入ってきたと言われています。日本に伝来してからは「山桃草(ヤマモモソウ)」という別名がつき、またその白い蝶が飛んでいるような外見から「白蝶草(ハクチョウソウ)」と呼ばれることもあります。
以前は草丈が1メートルにも及ぶものだけでしたが、現在は多くの園芸品種が育成されていて草丈の低いものも存在します。また花の色も、以前は白色しかありませんでしたが、近年になると「シスキュー・ピンク」と呼ばれる濃いピンクの品種や複色の品種も育成されるようになりました。
ガウラの特徴
アカバナ科の多年草に分類されており、「清楚」という花言葉を持っています。寒さにも暑さにも強く、栽培するのは比較的簡単なので初心者向けと言えるでしょう。多少放置していてもよく育ちますし、ときおり道端に咲いていることもあるほど強健です。草丈は60~100センチメートルほどで、そこに四枚の花びらを持った2~3センチメートル程度の小さな花をたくさんつけます。
白色やピンク色の花が夏から秋にかけてかわいらしく咲き、その様子は「白い蝶が舞うようだ」とも評されます。半常緑性で、開花期が長いです。だいたい六月から九月にかけて、花がついているところを見ることができるでしょう。使用用途は幅広く、花壇の背景やフラワーアレンジメントでのフィラーフラワー(空間を埋めるために使われる)、グランドカバーやコンテナの寄せ植えなどさまざまな場面でこの花を利用することができます。
しかし背丈が高いものが多いために倒れやすく、倒したくなければ支柱をつけることをおすすめします。自然に倒れた姿を鑑賞することもできますが、その場合は倒れても大丈夫なように広い場所を用意することが必要となります。一つの花は短命ではありますが、花つきがよいため、全体としてはほとんど途切れることなく花が咲き続けます。日当たりから半日陰にかけて旺盛に生育する花で、やや乾燥した環境を好む傾向にあります。
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