ヘリコニアの育て方

育てる環境について
ヘリコニアの原産は熱帯アメリカであり、日本はほとんど温帯です。育てる環境において一番気を配らなければならないのが気温となります。ただし、いくら熱帯植物だからといってもわざわざビニールハウスを作る必要はありません。温帯地域ならば、4月の中旬頃から10月の終わり頃までならば屋外で育てることも可能です。
亜熱帯地域である沖縄に関しては、一年を通して屋外で育てることが可能と言われています。一方、北海道・東北は屋外で育てるのにはあまり適しません。ただし屋外が駄目でも室内なら問題ありません。特別に暖房を取り付ける必要もなく、一般のリビングに置いておいても気温に関しては問題ないとされています。
もちろん、長期旅行などで室内に誰もいない期間が数日間続くと枯れる原因となるため注意が必要です。そして、室内・屋外どちらにも共通して気をつけるべき事があります。それは日当たりです。成長は日照時間に大きく左右されると言われています。日当たりの悪い環境に置かれると成長しにくく全体的に元気が失われて病気にかかることもあります。
その一方で熱帯植物であるため例え真夏の強い日差しであっても何ら問題なく育ってくれます。そのため、ヘリコニアを育てるときは室内にしろ屋外にしろ、日当たりを一番に考えてあげる必要があります。このように育てる環境は温度と日当たりの大きく2つのポイントにおいて注意を払うことが肝心となります。日当たりに移動させるため鉢植えで育てるのが一般的となります。
種付けや水やり、肥料について
温度と日当たり以外においても、もちろんポイントがあります。たとえば水やりと肥料です。この2つにおいては、ヘリコニアの生長期とそうでない時期を考慮しなくてはなりません。その生長期は5月から10月の半ばまでと言われています。その間はとにかく生長させることを重視するようにしなくてはなりません。そのため、たっぷりの水をやることが大切です。
熱帯植物であるため、多少水をあげすぎても根腐れすることはほとんどありません。とにかく土を乾燥させないように心がけなくてはなりません。そして、肥料は一ヶ月に一度は置き肥すると良いです。さらに二ヶ月に一度は緩効性化成肥料を与えると良いとされています。緩効性とは肥料の効果が長期間に渡って持続することを言います。
これを使うことで葉っぱを多く、そして大きく育てることができます。そうすることで寒い冬でも越冬しやすくなります。もしも、一度ヘリコニアを育てたときに越冬で失敗した人は、緩効性化成肥料を使ってみると次は成功する可能性が高まります。生長期の水やりと肥料は以上のとおりです。
では、それ以外の期間となると肥料に関してはほぼ与える必要はありません。生長期の前後一ヶ月は少し控えて、それ以外は控えて十分です。与えるとしても土が乾ききったと思ったときだけでいいです。また、室内で育てるとき加湿しているのならば、ほぼ水やりは必要ありません。生長期と違って、この時期は静かに休める時期と考えれば大丈夫です。
増やし方や害虫について
そして、ヘリコニアを育てるのに気をつけないといけないのが害虫や病気です。特に日本の冬は空気が乾燥しやすくなります。そうなるとハダニやカイガラムシなどが発生しやすくなり、それが原因で炭疽病などの病気になることもあります。なかでも注意しなくてはいけないのがカイガラムシです。カイガラムシは柔らかい植物を好む傾向にありますが、その柔らかい葉が多いのがヘリコニアです。
一度カイガラムシが発生すると、一気に植物全体に広がってしまう可能性があります。そのため予防することが大切となります。ハダニと同様に乾燥が原因であるため、葉水することで害虫の発生を大幅に減らすことができます。葉水とは葉っぱを濡らすことで、霧吹きなどで葉っぱの表面を湿らせておけば十分です。
気をつけないといけないのは水を控える時期でもあるため、吹きかけすぎないようにしなくてはなりません。また注意するポイントの一つに鉢植えのバランスです。鉢植えで育てることの多いヘリコニアですが、大きく育つためバランスが悪くなって倒れやすくなります。そのときは株分けをすればバランスが良くなります。
分けた株は新しい鉢植えに植えれば育つため、ヘリコニアを増やすのにも適しています。ただ株分けするとき植物にストレスを与えてしまいます。そのため、生命力が漲っている5月から8月頃に株分けするのが良いとされています。植物へのダメージも少ないため、失敗する可能性を減らせます。
ヘリコニアの歴史
ヘリコニアは単子葉植物のショウガ目に属する植物です。大きく芭蕉のような葉っぱから以前はバショウ科に属させていましたが、現在は独立してオウムバナ科となっています。園芸においてはこのオウムバナ科全体をヘリコニアと呼んでおり、オウムバナの名前の由来は花の形とカラーにあります。
円錐形に尖っており、オレンジ色・黄色・赤色とカラフルな花がまるでオウムの嘴のように見えます。そこからオウムのような花、オウムバナ科と名づけられました。その一方、ヘリコニアという名前はギリシア神話に出てくるヘリコン山が由来となっています。そこには芸術を司る女神ムーサが住んでおり、
花の美しさを褒め称える意味でこの名前になりました。その一方で、花の形が蟹のハサミに似ていることから英名ではロブスター・クローと呼ばれています。その美しさは日本でも人気があり、観賞植物として室内で育てている家庭もあります。その一方でプレゼント用に切花として売られていることも少なくありません。
そして、花言葉は「注目」「脚光」とあるように、パーティーなどの主役にプレゼントすることが多い花です。ヘリコニアの原産地は熱帯アメリカとなっています。100種類以上もある野生種ですがそのほとんどが熱帯アメリカや南太平洋諸島といった熱帯を生息地にしています。そのため、ほとんど温帯に属している日本列島で栽培するのは不可能ではありませんが、いろいろと工夫を凝らす必要がでてきます。
ヘリコニアの特徴
ヘリコニアの最大の特徴と言えば、やはり花の形状にあります。その形状には大きく2パターンあります。一つは花穂が上に向かって伸びるものですが、こちらは数が少ないです。というのも、花穂は左右交互に独特なフォルムを形成しながら伸びていくため重くなるからです。そのため、花穂が垂れ下がるようなタイプが多くなってしまいます。
多くの人々はヘリコニアと聞くとまず垂れ下がるタイプのものをイメージすることが多いようです。またその花穂のフォルムとカラーも種類によって非常にバラエティー豊かとなっています。プシッタコルムはまるでユリのような形状をしています。その一方でストリクタはカラーリーフが左右交互に咲いているような形です。
どの種類も実に個性的であるため、一目見ただけでヘリコニアだと分かる人はかなりの園芸通と言えるかもしれません。その形状と合わせてオレンジ色・黄色・赤色とカラフルであり、一つの花に数色混じることもあります。また花と同じくらいに葉っぱも特徴的です。単子葉植物であるため、大きな葉っぱを左右交互に出していきます。
すでに記述したように、その葉っぱは芭蕉のような形であるため、花がなくとも十分に観賞用として利用することができます。そのため、多くの家庭では一年を通して観賞用植物として愛用しているところが多くあります。多年草でもあるため、育て方が上手であれば、毎年美しい花を咲かせてくれます。また生命力そのものは強いため、長ければ10年くらい生長しつづけるのも一つの特徴と言えるかもしれません。
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