ナイトフロックスの育て方
育てる環境について
ナイトフロックスは、高温多湿を嫌うため風通しの良い日向を選んで育てましょう。多年草というカテゴリに属していますが、一年草タイプと多年草タイプがあります。ですが、多年草タイプだとしても日本の蒸し暑い夏を越すことは困難であり、春に花を咲かせても夏の暑さで枯れてしまうと思っていた方がよさそうです。
夏を越せたとしても株の寿命を短いためあまり過度の期待は禁物と言えるでしょう。夏を越すための方法は、選定がポイントです。風通しを良くするために夏が来る前に選定しておきましょう。そうしておいて涼しい環境、すなわち明るい日陰で育てます。豊かな日当たりが求められるナイトフロックスですが、開花時期にはさらにたっぷりとお日様の光が必要になります。
開花時期に日当たりが悪いと、花付が悪くなる可能性がありますので十分注意しましょう。また冬に寒さには強いですが、霜が当たると株自体が弱り枯れてしまう恐れがあります。霜が当たらない軒先やベランダの中などにおいて管理するようにしましょう。寒さには一定の強さがありますが、植え付けなどの時期は見極めましょう。
植える時期は霜などが弱まり、寒さが緩くなった頃を選んで植え付けるようすると管理がしやすくなります。開花時期は4月から6月なので4月前の時期には十分日当たりに注意すること、寒くなれば霜が当たらないように注意することを忘れないようにする、といったこの二点に注意していれば、栽培しやすく特に育てる環境を選ばない植物です。
種付けや水やり、肥料について
高温多湿を嫌う植物ですので、水やりのタイミングは少し我慢するくらいでやりましょう。土が乾いてきたかなと思ってから少し待ち、完全に土が乾いてからたっぷりと与えるようにしましょう。しかし強い乾燥は苦手なため、乾燥気味に育てることは避けましょう。真夏など水が蒸発しやすい時期は、土の状態をしっかりと見て、その環境下にあった回数を与えるようにしましょう。
最初のうちは朝・昼・晩と土の状態をチェックすることをオススメします。土が乾いてから、水をタップリやってください。春以降の生育期には水をよく吸い上げて、水切れがおきやすくなります。また春からの生育期には、植物自体も良く水を吸い上げるようになります。そのため水切れには十分注意して育てるようにしましょう。ですが、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるという条件は変わりません。
くれぐれも土が水を含んで湿っているところに、水を再度与えるのは避けるようにしましょう。肥料などは特に必要ないと言われていますが、開花時期などの育成期のサポートをするためにも肥料は必要です。植え付け時期や育成期の春と開花時期の終った秋ごろに緩効性肥料を与えてあげましょう。
植え付け時の肥料は、その後の成長を助けてくれるので、もっとも効果的な与え方と言えるでしょう。園芸店などで株の元に置くタイプの肥料を選んで、プランターや鉢植えに植えたナイトフロックスの株元において上げましょう。土は、花と野菜の土などで育ちます。
増やし方や害虫について
ナイトフロックスの増やし方は、おもに種まきでしょう。園芸店などで種を購入し膜方法もありますが、植え付けているナイトフロックスにもちゃんと種は出来ます。花が終わった後のめしべの根本を見てみましょう。子房が育っていればそこに実がなります。そして胚珠が種になりますので花が多ければ多いほどたくさんの種が収穫できます。
またこぼれ種でも来春に花が咲くこともありますので、比較的手をかけずに増やすことが出来るでしょう。種から増やすのは、難しいなら園芸店で苗を買ってくるのもオススメです。害虫被害や病気なども比較的少ないのがナイトフロックスの特徴です。しかし全く被害がないわけではなく、アブラムシなどには十分注意しましょう。
葉の裏や茎などにアブラムシが発生していないかを定期的にチェックすることが大切です。また花が終ったあとにできる実や種を狙った害虫が現われることがあります。その時期には特に注意して見ておくようにしましょう。万が一見つけたらオルトランなどのアブラムシに対応した殺虫剤を散布しましょう。
スプレータイプは広範囲に飛び散り、風に流されやすくなります。散布するときは風向きを確認して、人がいないかや近くの植物などにも注意して使うようにしましょう。可愛らしい白い花を咲かせるナイトフロックスは、日本のお庭でも人気が高くその育てやすさから植えられる人気の植物です。今年は育て方も比較的簡単で甘く素敵な香りを漂わせるナイトフロックスを育ててみませんか。
ナイトフロックスの歴史
ナイトフロックス(nightphlox)とは属名に「ザルジアンスキア」という名前を持ったゴマノハグサ科の植物です。原産国は南アフリカで生息地は不明ですが、高温多湿を嫌うため湿度の高い土地では育ちません。属名であるザルジアンスキア(Zaluzianskya)の名前の由来はポーランドの植物学者、AdamZaluzianskyvonZaluzian(1558~1613)から付けられたと言われています。
他にも「ZaluzianskyaovataWalp」という学名と、ムーンライト・フレグランス(MoonlightFragrance)という英名もあります。なぜムーンライト・フレグランス(MoonlightFragrance)と呼ばれているかというと、その由来は香りにあります。夕方から咲き始める花には甘く香しいかおりがあります。昼間の間は花も咲かず、つぼみのままなのでとても地味な植物ですが夕方になると誰もが振り向かずにはいられない存在感を示してくれます。
そのような甘美な香りを持つナイトフロックスですが、花言葉は意外にシンプルな「温厚」です。つぼみでの存在感と花が開いたときの存在感のギャップもこの植物の魅力なのではないでしょうか。イギリスなどヨーロッパでの人気も高く、日本でも多くのお庭で愛されている植物です。一年草ではなく、毎年つぼみを付けては可愛らしい花を咲かせてくれるのですが、すこし寿命が短く短命な花と言えるでしょう。
ナイトフロックスの特徴
上記でも記載したようにこのナイトフロックスの最大の特徴は「香り」にあります。その香りはとても形容しがたく、どの様な言葉で表現すればよいか悩んでしまいますが、一部の資料に「ハニー・アーモンド・バニラ・フレグランス」と書かれているものがありました。まさにハチミツのようにしっとり甘く、アーモンドのように独特であり、バニラの甘さが引き立つ香りという表現がぴったりの花です。
花の形はフロックスの花に似ており、ハートを思わせる可愛らしい花弁5つからなる小さな花です。けっして派手ではありませんが、その形の可愛らしさから人気の高いお花です。表と裏とで色が違うのも特徴の一つでしょう。表は白で裏側が赤紫色をまぜたような感じになっています。
多くの植物は朝や昼間に花を咲かすのですが、このナイトフロックスの開花は夕方からです。この夕方から開花する種類を「夜開性」と言います。昼間の間も全く花が開いていないわけではなく少し開いているのですが、日が落ちてまっ暗になると完全に開くというのがなんともキュートな感じではないでしょうか。
ザルジアンスキアは園芸店でも売られている植物です。出回っている品種は「ヴィローサ種」や「カペンシス種」「オヴァタ種」でしょう。カペンシス種の「ミッドナイトキャンディー」やオヴァタ種の「ムーンライト・フレグランス」が主流でピンクの花を咲かせるヴィローサ種も人気の高い品種です。こんもりと丸い仕立てよりは上方向に伸びる姿をしているので、草丈は20センチから50センチほどでしょう。
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