クワズイモ(Alocasia odora)の育て方

クワズイモ(Alocasia odora)の育て方

涼しげな葉で人気のクワズイモですが、その名はサトイモに似た葉からつけられました。サトイモに似てはいますが、イモに見える茎の部分は食用にされないことから、この名前がつけられたと言われています。

クワズイモに適した場所

クワズイモの自生地では、多湿の状態で常緑樹の下で生育していることから、特に夏場の強い直射日光を浴びると葉の一部が焼けたようになってしまうことがありますので、家庭で育てる場合は、朝日から午前中の光が十分にあたるような場所に置き、

レースのカーテン越しの太陽光を当てるように管理した方がいいでしょう。耐陰性は強い方ですので、比較的暗い場所でも育てることは可能ですが、日が足りないと間延びして成長し、葉が折れ曲がってしまう場合がありますので、なるべくやわらかい日差しが午前中いっぱい当たるような場所を選びます。

一般的に種付けからの栽培はせず、園芸店やホームセンターなどで苗や鉢の状態で大きく育ったものを購入します。選ぶ際は、根元や茶色の茎の部分をまんべんなく触り、軽く押してみてしっかりと堅いものを選びます。やわらかいものや、黒く変色しているものは、根腐れを起こしている場合が多いので、避けた方がよいでしょう。

また、カイガラムシの仲間がついている場合がありますので、葉の表裏や新芽の部分を見て、白い綿状のものがないか確認します。透明の液体が新芽や葉の途中から出ていることがありますが、これはクワズイモ本来の正常な症状なので心配はいりません。

クワズイモの年間管理

クワズイモは常緑樹の下で湿度の高い場所に自生していますので、比較的耐陰性はありますが、植物自体にたくさんの水分を含んでいる性質上、常に水がある状態のままでは根腐れを起こすことがありますので、水やりには注意します。

基本の水やりは、鉢の表面の土が乾いたら鉢底の穴から水が流れ出るまで与えますが、このときに表面の土を少し掘ってみて、人差し指の第一関節~第二関節くらいまでしっかり乾いていることを確認してから与えます。夏の乾きやすい時期には、

もう少し早いタイミングで水やりをします。受け皿に流れ出た水はその都度捨てるか、スポンジで吸い取るなどの方法で、溜まったままにならないように注意します。週に1度くらいの頻度で、葉裏や株全体に霧吹きをまいてあげるようにすると、

湿度を保つだけでなく、カイガラムシなどの病気を防ぐことができます。カイガラムシは新芽や葉裏の葉脈の叉につきやすいので、水やりや霧吹きの度にこまめにチェックし、ついていた場合はハブラシややわらかい布などで取り除きましょう。

クワズイモは元々、暖かい場所に生育している植物ですので、特に冬の寒さに注意が必要です。一部の品種では、最低温度が5度ぐらいまで耐えるものもありますが、基本的に冬場は最低でも10度以上が保てる暖かい場所に置き、窓際などの外気に影響を受ける場所は避けるようにした方がいいでしょう。

また、温度が低いときは成長が止まる場合が多いので、鉢の土の様子を見ながら冬場は水やりをストップした方が、結果的に根腐れを防ぐ場合もあります。どうしてもイモの部分が痩せてきてしまったり、葉がしおれてきてしまうような場合は、

暖かい日を狙って、午前中のうちに水やりを済ませます。成長するにつれ、根元に近い方の葉から黄色くなって落ちていきますので、見苦しくなってきたら根元に近いところから切落します。その後時間が経つと、残った茎の部分が黄色く変化して、

取り除けるようになりますので、その状態になったら速やかに取っておきましょう。残しておくと、体力が落ちている株の場合、そこから腐朽菌が入ったり、病気の原因になる場合があります。

クワズイモの植え替え

数年で根が鉢一杯に張り、根詰まりを起こしている場合もあります。水やりをしても、なかなか土にしみ込んで行かずに地際に溜まっていたり、鉢底の穴から根がたくさん出てきているようなら根詰まりのサインですので、植え替えを行います。

植え替えは、関東ではゴールデンウィークあたりの八重桜が咲くころから真夏を除いた秋口までの間に行います。現在植わっている鉢よりも、ひと回りからふた回りほど大きな鉢を用意し、あらかじめ鉢底石を底面に敷き詰めた上に、観葉植物用の培養土で植え付けを行います。

土が根にしっかりと密着するよう、割り箸などを使って、隙間ができないようにまんべんなくしっかりと突きます。このとき、古い鉢から植物が抜けない場合は、ハンマーを使って、側面をまんべんなく叩いて根と鉢に隙間を作った後、鉢の縁を上から下へ向かって強めに打つと比較的簡単に抜くことができます。

植え替え後は鉢底から出るまでたっぷりと水を与えます。植え替え直後は植物の根を傷めており、大変デリケートな時期ですので、なるべく温度差がない明るめの日陰で育て、新芽が展開してきたら元の場所に戻します。株元に小さな子株が出来たら、それを外して別の鉢に植え替えることで、新しく株を仕立て直すことができます。

クワズイモの歴史

涼しげな葉で人気のクワズイモですが、その名はサトイモに似た葉からつけられました。サトイモに似てはいますが、イモに見える茎の部分は食用にされないことから、この名前がつけられたと言われています。現在では、別名グリーンパラソルとも呼ばれ、

その特徴的な大きな葉から、商業施設の緑化や、家庭の観葉植物として利用されています。クワズイモは園芸用に分類された名前で、近縁種には同じく観葉植物として使われるアマゾニカやクプレアなどがあり、これらを総称して、アローカシア類と呼ぶ場合もあります。

アローカシア類は、野生種だけで70種類近くあり、葉の色や大きさ、形が多種多様になっているものもあります。アロカシア‘グリーンベルベット’などは特徴的な品種のひとつで、葉の表面がまるでベルベットの布のように細かな毛が生えています。多種多様な葉を楽しめる特徴を持っていることから、古くから観賞用として利用されてきた歴史があります。

クワズイモの特徴

クワズイモは、サトイモ科に属する植物で、Alicasia macrorrhiza Schottという学名がついています。熱帯にありそうな外見からは意外に思われるかもしれませんが、日本でも四国南部や九州、沖縄にかけて生息地(植物学上は自生地や生育地といいます)が分布している、多年生の草本です。

オーストラリアや熱帯・温帯アジアの原産地では、常緑の林の縁などの、湿度が高い場所で生育しており、太い根茎を地表に露出させて横たわっていくことで広がっていきます。大きいものでは、高さが50cm~1mほどになり、茎に古くなった葉が落ちた痕を残しながら先端部に葉をつけて成長していきます。

葉の茎は太く、明るくて淡い緑色をしており、たくさんの水分を含んでいますが、葉は茎に比べて薄く、大きいものでは30cmを超えるサイズに広がります。夏頃にカラーに似た緑色の肉穂花序という形の花をつけますが、ほとんど観賞されることはなく、株の負担が大きくなることから早期に切り取られ、

もっぱら葉を観賞するために栽培されています。アローカシア類で多くの種類が出回っており、白い葉脈と波打つ葉の形が特徴的なアマゾニカや、シルバーの光沢のある茎を持った赤銅色のクプレア、白い斑が入ったクワズイモなどが代表的ですが、それぞれに、冬場の最低温度や管理法が異なり、同じ仲間でも栽培方法を配慮する必要があります。

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