アオキの育て方

アオキの育て方

庭木として重宝されているアオキは、日本の野山に自生している常緑低木です。寒さに強く日陰でも丈夫に育つうえ、光沢のある葉や赤い果実も非常に美しいことから、すでに江戸時代には園芸品種としての地位を確立しており、古くから多くの日本人に愛されてきました。

アオキの育てる環境について

アオキは寒さに強く、少々日光が当たらなくても生育する植物ですので、特に育て方や植える場所に注意を払う必要はありません。もともと東北以南の山中が生息地で、広葉高木樹林の下草として自生していたことから、多少の日照不足でも十分耐えることができるのです。

植物の中には非常にデリケートなものも存在しますが、アオキに関してはそこまで環境について神経質になることはないでしょう。もちろん日陰だけでなく日当たりの良い場所でも生育することはできますが、あまりに日光があたりすぎる場所にある場合は、葉焼けを起こしてしまうことがありますので避けたほうが無難です。

ただし土には気をつけなければいけません。アオキは乾燥を嫌う植物です。したがってやや湿り気のある肥沃な土壌を用意してあげることが必要です。露地に植えるのであれば、できるだけ乾燥しにくい場所を選んで植えるようにしましょう。

もし乾燥しやすい場所に植えてしまった場合はこまめに目を配ってやり、土が乾燥していれば水やりをして常に土壌の乾燥を防ぐことが大切になります。また強い風も気をつけなければいけません。

せっかくの美しい葉も風が当たることにより傷んでしまうことがありますので、なるべく風が当たらないところに植えるようにしましょう。鉢植えの場合であれば、置き場所を移動することができるので、夏は直射日光が当たるところを避け、冬は日光が当たるところにおくように心がければ問題ありません。

アオキの種付けや水やり、肥料について

アオキの種付けをおこなう場合は、3月頃に水はけのよい土地に植え付けます。種子は実の皮をむいて取り出し、湿った砂の中に入れて保管しておきます。植え付けは1粒ずつで、2センチ程度の深さの穴に蒔いていきます。水やりについては、土の表面が乾いていたらあげる程度で十分です。

半日陰の露地に植えた場合は、根がしっかり根付いているのであれば、特に水やりを心配することはありません。ただし鉢植えの場合は土の乾燥に注意を払う必要があります。春から秋の生育期にかけては十分な水を与えておかなければいけません。

夏場は特にたっぷりと水を与えてあげましょう。反対に冬は土も乾燥しにくいので、水やりの回数は控えてもかまいません。肥料は2月中旬から3月と8月から9月の間の2回、鶏糞などを株もとに置くようにします。ただし露地に植えている場合は、特に肥料を与えなくても大丈夫です。

木を大きくしたい、あるいは実をたくさんつけさせたいと考えているのであれば肥料を与えてもいいですが、与える肥料が多すぎると枝葉が旺盛になりすぎて、せっかく整っている樹形を乱す原因となってしまいます。

株もとに藁を敷くだけでも十分効果があるので、生育が順調なのであれば肥料を与えなくてもいいでしょう。鉢植えで栽培している場合についても、上記に挙げたように春と秋の時期に置き肥してもかまいません。もちろん鉢植えの場合にも肥料過多になってしまわないように注意することが必要です。

アオキの増やし方や害虫について

アオキを増やす方法としては実生と挿し木の二つの方法があります。実生の場合は3月頃に2センチ程度の穴に植えてやりますが、秋から冬に収穫した種を使用する場合は、湿った砂の中で保存しておいたものを使わなくてはいけません。

種は乾燥すると発芽しづらくなるので、この点には注意しておきましょう。また実生で増やす場合は、親とは性質の異なる品種となる可能性があるので、同じ品種が欲しい場合は挿し木の方法を選択したほうが無難です。挿し木をする場合は、2、3枚葉を残した新枝を水に数時間浸したうえで清潔な土に挿します。

葉はしおれやすいので、半分程度に切っておくといいでしょう。挿し木は真冬から芽出しの時期を除いてほぼ一年中おこなうことが可能ですが、適度に湿度のある梅雨時が挿し木に適している時期ともされています。

基本的にアオキは害虫に強い植物とされていますが、風通しが悪い状態にあるときはアブラムシやカイガラムシがつくことがあります。特にカイガラムシは成虫になると薬剤に耐性をもってしまうため、発生したのを確認したらすぐに薬剤を散布したり、こすり落としたりして駆除することが重要です。

またカイガラムシの排泄物はスス病の発生原因になることもありますので、できるだけカイガラムシが発生しないよう予防に努めましょう。もしスス病を発症してしまった場合は、すぐに黒くなってしまった葉を取り除いて、被害が樹木全体に広がらないようにすることが大切です。

アオキの歴史

庭木として重宝されているアオキは、日本の野山に自生している常緑低木です。寒さに強く日陰でも丈夫に育つうえ、光沢のある葉や赤い果実も非常に美しいことから、すでに江戸時代には園芸品種としての地位を確立しており、古くから多くの日本人に愛されてきました。

またアオキの持つ魅力は、原産地に住む日本人ばかりでなく欧米の人の心もつかむこととなったようで、すでに江戸時代には日本からヨーロッパの国々へ伝わっていたようです。長く厳しいヨーロッパの冬にも美しい緑色を保つことのできるアオキは、

当時から非常に珍重されており、現在でも欧米の家の軒先や街角に飾る鉢物として広く利用されています。ちなみに造園関係者の多くはアオキのことをアオキバと呼びますが、この呼び名はアウクバと変換されラテン語の学名になっています。

このことからもアオキがいかに欧米の人に受け入れられていることをうかがい知ることができます。現在でも庭木として人気の高いアオキですが、従来は日本の山野にはどこにでも生えている植物ということもあり、一般的なオーソドックスの品種ばかりが栽培されていました。

しかし近年は斑入りの模様が入った葉の美しさにひかれる人が多くなり、品種改良が盛んになってさまざまなタイプのものがつくられるようになりました。現在では斑の模様が多彩になるだけにとどまらず、実についても白色のものが開発されるなど、園芸愛好家の好みに合わせたものを選ぶことができるようになっています。

アオキの特徴

アオキの特徴は、その名が示すとおり全体が緑色をしているということです。しかも常緑性で、冬でも常に緑を保っています。葉だけにとどまらず、枝も緑色をしていることからこの名がつけられたとされているほど、昔の人にはアオキの緑が印象深かったのでしょう。

緑なのになぜ「アオ」と思う人も多いかもしれませんが、これは古代の日本では現在の緑色のことを青と呼んでいたことからきています。現代に生きる人々も、どちらかといえば緑に近い色をしている信号を青信号と呼んでいますが、これもアオキと同じような理由からです。

またアオキには非常に育てやすいという特徴があります。日陰でも十分生育することができ、寒さにも強いことから、北側の庭や裏庭に植える木として非常に適しています。さらに大気汚染などの公害にも強い樹木として知られており、そういった面も人気を集めている理由になります。

このように日陰など通常なら健全な生育に影響を与えてしまう環境でも丈夫に育つのがアオキの魅力ですが、栽培に手間がかからないという特徴も忘れてはいけません。低木の部類に入るうえ、特に剪定をしなくても樹形が整うという性質があることから、

庭の手入れが苦手な人でも簡単に栽培することができます。もちろん込み入った状態のままで放置しておくと、アブラムシやカイガラムシなどの害虫が発生する恐れがありますので、風通しを良くするために多少の剪定をする必要がありますが、庭木として使用する場合は基本的には放任していても大丈夫な植物です。

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