落花生の育て方

落花生の育て方

落花生は、豆科植物で生息地は、南アメリカ・アンデス山脈の東側が原産といわれています。ここから南米各地に広まりコロンブスのアメリカ大陸発見後にそれに準じた様々なルートで1574年に欧州へ伝えられました。

落花生の植え付けの準備

植え付けの半年前より畑に石灰を混ぜ耕しておきます。水分過多を嫌うので水はけのよい粘土質の土の少ない土壌を選びます。また、水はけを妨げないために土塊を細かくするほどの耕し方をしないようにすることが必要です。

また、品種としては連作を嫌いますので前回収穫した土地は避けた方がよいでしょう。一般的には種子用として販売されているものを早めに準備して苗を育てることになりますが、石灰分が少ないと空ざやとなってしまう事があるため注意が必要です。

その他窒素分が多いと蔓ボケといわれる状態となり実りが悪くなりますので肥料は控えめがよいでしょう。また、種子用として鞘付きで保存されていたものは、さやから実を取り出して一昼夜水に浸して給水させておきます。

落花生の種付け

栽培適温は25~28度と高く、種付けは5月以降になります。畑に直接種付けをすることもできますができれば苗を栽培植え替えた方がよいでしょうその育て方のほうが育ちがよく実のつき方もよくなります。

準備しておいた種はセルトレイといわれるもので苗を栽培します。細かく仕切られた枠の中に一粒ずつ1㎝ほどの深さに種付けします。落花生は種付けから数日で発芽します。小さな丸い葉が出て夜になると閉じ朝になると葉を開きます。栽培してみないとみられないかわいらしい一面でもあります。

苗は本葉が2枚に分かれたら畑に植え付けます。栽培する畑の畝は幅40㎝、高さ10~15㎝ほどのものを作り、30㎝ほどの間隔で植え付けます。植え付けた後には株の周りに水をまいておきます。

落花生の育て方

育て方のコツとして落花生の花は受粉後しぼむと、もぐりこみが始まりますので開花中の中耕と丁寧な土寄せがポイントといえます。この時期を間違えると収穫が2~3割ほど落ちてしまいます。追肥は、側枝が伸び始めたころに若干施します。

成分としてはカリ分の多い肥料を与え窒素リン酸が利きすぎると蔓ボケとなってしまいます。施し方は、株の脇に肥料をばら蒔き棒などで土に混ぜ込みます。落花生に限らずマメ科の野菜には、根に根粒菌というバクテリアを寄生させています。

根を見ればわかりますが小さな粒がついています。この根粒菌は、豆類の根から栄養をもらい吸気中の窒素を代わりに豆類与えることで共生関係を築いています。このため過剰な追肥は必要なくカリ分の補給を重点的にするだけでバランスの良い追肥ができます。

大切な土寄せですが、草丈が30㎝から40㎝に伸びた頃から始めて、15日程度の間隔で2回ほど畝溝の土を株元に土寄せします。ですが、前述したとおり日にちだけを見るのではなくもぐりこみの時期を見逃さないようにするのが収穫を増やす育て方になります。

また品種により蔓の広がり方が立ち性のものや這い性のものとありますので土寄せの時に注意が必要です。またこの時期灰色カビや褐斑病、コガネムシなどの病害虫が発生することがありますが、その場合には早めに薬剤などで駆除する必要があります。

個人でプランターなどで栽培する場合は、大きめのプランターを用意して、プランターの底が見えなくなる程度に鉢底石や軽石を敷き、用土1?当たり、粒上肥料の置き肥4gと苦土石灰1gの割合で混ぜた培養土を入れます。

平らにならした表土の中央に2㎝間隔で3粒程度の種を蒔き約3センチほどの土をかけます。この後、発芽までは、乾燥気味に管理して発芽後はあまり乾燥させないように管理します。水分を嫌いますがあまりに少ないと実が小さくなってしまいます。後は畑での栽培と同じように土寄せ追肥を行い収穫します。

落花生の収穫

落花生に収穫の時期は開花してから品種にもよりますが85日~95日を目安とします。葉が黄色く色づいたらこの時期に株の周りにクワを入れて掘り出します。この時、試し掘りをしてさやの状態を観察することで収穫に時期を見定めます。

まだ収穫に速いさやは、網目がなくすべすべの状態ですが、収穫適期のさやは、網目がはっきりしてふくらみも一粒ずつはっきりしています。8割がたのさやがこの状態であれば収穫します。あまりに実を大きくさせてしまうと引き抜くときに、子房柄が切れてしまい土の中に残った場合収穫がしにくくなります。

ただ、掘り出した後に霜に当てると傷んでしまうので注意が必要です。収穫した後保存する場合は、十分に乾燥させる必要があります。この乾燥が不十分ですとカビなどが発生して品質が下がり傷んでしまいます。

収穫後自家栽培でなければ味わえない食べ方として掘りたての落花生の塩ゆでがあります。水洗いの後2.5~3%の塩水で40分ほど茹でます。温かいうちに食べます。これだけですが枝豆にも負けないビールのつまみとなります。茹でるのに時間がかかりますのでその時は圧力釜を利用すると半分ほどの時間で茹であがります。

また、乾燥させたものでも市販の流通品とは比べ物にならないくらい風味があります。収穫後1~2週間ほど天日干しをします。この時さやを振ってみてカラカラと音がすると乾燥は完了です。電子レンジにかけるか、カラから実を取り出してフライパンで煎って食べます。

落花生の歴史

落花生は、豆科植物で生息地は、南アメリカ・アンデス山脈の東側が原産といわれています。ここから南米各地に広まりコロンブスのアメリカ大陸発見後にそれに準じた様々なルートで1574年に欧州へ伝えられました。

日本においては、沖縄で古くから栽培されており、南京豆という別名からも推測されるように中国からの伝播がなされたものといわれています。その後神奈川県では明治4年横浜から中国産の種子を取り寄せて栽培が試されました。

また明治7年には政府がアメリカより種を輸入して各地で栽培が開始されました。現在の代表的な産地は千葉県で明治9年旧南郷村において中国商人から栽培の情報を得て試作したところ風土や気候にマッチして良好な育成を見せたため千葉県において盛んに栽培されることになりました。

落花生の特徴として粗悪な土壌であっても問題なく育ち一作あたりのコストパフォーマンスも優れていました。また、落花生の油漬けを作るのにこの地方に生息する鰯の油を使うためこの地方の特産物となりえた事情もあります。

栽培を奨励したものの食べ方も分からないため収穫された作物は県が買い上げて東京で販売されました。予想に反して高値で取引が行われそれ以降生産が拡大されることになりました。

落花生の特徴

別名南京豆とも呼ばれからの中に身が入って乾燥させた状態で流通するのが一般的です。日本では鞘に入っているものを落花生と呼びさやから取り出して加工した状態のものをピーナッツと呼ばれる傾向にあります。

ナッツというと木の実を思い浮かべることから一般的には気になっていると思い込んでいる人が多いようですが実際は地中の根の部分に出来ます。30センチ前後に成長するものが普通で品種によって鶴の伸び方に差はあるものの大きさにほとんど違いはありません。

普通のマメ科の植物とはその成長過程が変わっていて、子房柄と呼ばれる蔓が黄色い花が散った後、花托の脇から伸びてきて地面の中まで伸びていきます。この蔓の先が水平に膨らんで鞘を形成しその中に実をつけます。花が落ちたところに実がつくので落花生という名がついたと言われています。

国内での生産は量が少ない状態で多くは殆ど中国産で輸入品が出回っている状態です。乾燥させた落花生は日持ちがするためインドやナイジェリアなどの生産国から輸入されているため国産のものは希少といえます。旬は、9月から10月にかけて最盛期となり乾燥過程を経て出荷されます。

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