ベゴニア・センパフローレンスの育て方

育てる環境について
ベゴニア・センパフローレンスはとても丈夫な草花であり、育て方も特に難しいことはありません。日当たりの良い場所を好み、夏の直射日光にも耐える性質を持っています。胴葉系は夏になると緑が強くなってしまうこともありますが、特に心配はありません。
日当たりの悪い場所でも育ちますが、花付きが悪くなることがあるため、なるべく明るい場所に置くようにしてください。八重咲きの品種は一重咲きに比べると直射日光に弱いところがあるので、レースのカーテンなどで強い日差しは遮るようにします。
葉が密集してきたら梅雨前に切り戻しをしておき、気温が高くなる時期には蒸れを防ぐため風通しの良い場所に置きましょう。ベゴニア・センパフローレンスは湿気が苦手です。栽培に適した温度は16度から25度くらいになり、暑くなって気温が30度を超えるようになると花付きが悪くなり株も弱ってきます。
古い株の場合は8月くらいに切り戻しをすると、その後花が多く咲くようになります。寒さに弱いため冬場の温度管理に気をつけて、霜や冷たい風の当たらない場所に移動します。室内で育てる時もなるべく日光が当たる場所に置いておき、暖房の風が直接当たらないようにして、
10度以上の温度が保てる場所で管理すると、冬でも花が咲くことがあります。ベゴニア・センパフローレンスの耐寒温度は3度くらいなので、それを下回らないように注意してください。夜間に温度が下がりそうな時には、段ボールで冷気を遮断するなどの防寒対策をしておくと安心です。
種付けや水やり、肥料について
ベゴニア・センパフローレンスは種が非常に細かいので、平鉢やピートバンなどを利用して種をまきます。土はかぶせないようにして、鉢の底の受け皿から給水させます。種まきは4月から6月、または9月から10月ごろに行います。発芽したら悪いものは間引きして、
根付くまでは水やりは毎日行います。葉が2枚から3枚ほどになったらポットに仮植えをして液体肥料を与え、花が咲いてきたら鉢に植えつけます。土は水はけの良い物を使い、赤玉土、腐葉土、ピートモス、バーミキュライトなどを使用します。
ベゴニア・センパフローレンスは湿気を嫌うので、水を多く与えると根腐れを起こすことがあります。土が乾いてきたら水やりをするようにして、少し乾燥気味に育てます。夏は1日2回、気温が下がって涼しくなった頃に水やりをします。秋に近づくにつれて水やりの頻度を少なくして、
冬は凍結を防ぐため日中の暖かい時間に水を与えるようにします。気温が上がってきたら水やりを増やすようにしますが、この時与え過ぎに注意して土の状態を確認してから水やりを行うようにしてください。ベゴニア・センパフローレンスは乾燥してくると葉が光ってくるので、
葉に光沢が出てきたら水を与えるようにする方法もあります。肥料は植付けする時に、あらかじめ緩効性の粒状肥料を土に混ぜておきます。開花時期には液体肥料を与えますが、真夏は株が弱ってしまう恐れがあるので、追肥は控えるようにします。
増やし方や害虫について
挿し木で増やす場合には、4月から10月くらいに行います。5cmから6cm程の茎を準備して、上の葉は残して1節から2節の土に挿し込む部分にある葉を取り除きます。挿し木は切り戻しした時に出た枝を利用するとムダがありません。挿し木は30分ほどコップに入れて水を吸わせてから土に挿します。
直接土に挿さずに数日水に付けておいて、根が生えてから土に挿す方法もあります。挿し木は明るい日陰で管理をして、根が生えてきたらポットに仮植えをして十分生長したあとに鉢などに植えつけします。仮植えの時に摘芯をしておくと、脇芽が多く生えてきます。
比較的丈夫なベゴニア・センパフローレンスですが、春から秋の開花時期にはアブラムシが発生することがあります。発見した時には薬剤を散布して駆除するようにします。また湿度が高く風通しが悪い場所に置いておくと、うどんこ病や灰色かび病にかかることがあります。
どちらも原因はカビになり、うどんこ病になると粉をまぶしたように白くなり、生育不要になって花付きが悪くなってしまいます。灰色かび病は斑点ができてしまい徐々に腐ってカビに覆われてしまうといった被害が出ます。こうした病気を防ぐためには、
水の与え過ぎに注意して、葉の風通しをよくしておくといった対策が必要です。また、枯れた花や葉をそのままにしておくと、病気の発生につながるので、痛んだ部分や咲き終わった花などはこまめに摘み取るようにして病気を予防します。
ベゴニア・センパフローレンスの歴史
ベゴニア・センパフローレンスはシュウカイドウ科ベゴニア(シュカイドウ)属に分類される常緑多年草です。ベゴニアはとても種類が多い植物で、その数はおよそ2000種以上に及び姿形もさまざまなものがあります。その中でもベゴニア・センパフローレンスは、
公園の花壇などでもよく見かけるなじみのある草花です。原産はブラジルで、1800年代にヨーロッパに持ち込まれると品種改良が進み、さまざまな種類を掛け合わせて小型化し、栽培に適したものになりました。ベゴニア・センパフローレンスの名前の由来は、
1638年から1685年の間フランス領アンティル諸島の総督だったミシェル・ベゴンからきています。アンティル諸島はカリブ海に位置していて、ベゴンはこの地域を生息地とする植物の調査のため、フランスの植物学者であるシャルル・プルュミエールを当時のフランス王、ルイ14世に推薦しました。
この植物学者が1700年に出版した書物の中で紹介した植物が、ベゴニア属とされたことがこの名前の始まりです。学名であるセンパフローレンスとは、常に花が咲いているという意味があり、この草花の開花時期が長いことを表しています。
株のまとまりがよく扱いやすい草丈なので、近年では鉢植えよりも寄せ植えや花壇などでの利用が多くなっています。ベゴニア・センパフローレンスは多年草ですが、暖かい地域が原産のため、日本の冬を越せずに枯れてしまうことも多く、一年草として育てる場合もあります。
ベゴニア・センパフローレンスの特徴
ベゴニア・センパフローレンスは直径2cmから3cmの小さな花がたくさん咲き、花の色は白・赤・ピンク・オレンジなどがあり、ふっくらとした花びらの中央にある黄色いおしべがワンポイントになっています。草丈は10cmから60cmほどで、4月から10月ごろまで花が咲きます。
葉は丸い形をして肉厚で、鮮やかな緑色をした緑葉系と少し赤みがかった黒っぽい色の胴葉系、斑の入ったものがあります。間隔をあけずに植えるようにすると開花した時には一面が花のじゅうたんのようになり、とても美しい花壇になります。
庭先での花壇やプランターの他にもハンギングバスケットでの利用も適しています。ベゴニア・センパフローレンスには花びらが一重と八重のものがありますが、一重の方が比較的丈夫で育てやすくなっています。また種類によっては株が大きく育つタイプや大きな花が咲く品種などもあるので、
庭の雰囲気や配置する場所に合わせて種類が選べます。株のサイズをコンパクトにまとめておきたい時には、摘芯をしておくと形が崩れることが防げて、根元の方から新しい芽が育ってきます。咲き終わった花はこまめに摘み取るようにして、病気や栄養分の分散を防ぐようにします。
ベゴニア・センパフローレンスは寒さに弱いという性質をもっていますが、温度管理を行って冬は室内で育てるようにすれば十分越冬ができて、丈夫で比較的容易に栽培できるためベランダなどでの栽培にも適しています。
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