雲間草の育て方

雲間草の育て方

日本の園芸店で市販されている雲間草は、一般的に「西洋雲間草」、「洋種雲間草」と呼ばれているヨーロッパ原産のものです。元々ヨーロッパ北部山岳地帯を生息地とする植物で17世紀頃から書物に登場しています。

雲間草の育てる環境について

雲間草は基本的には日向を好む植物です。しかし、高山植物が品種改良によって栽培が可能となった植物なので越冬より夏の育て方が難しく、蒸し暑い夏場は半日陰の風通しの良い場所で乗り切るようにします。庭植えなどで動かせない場合は日焼けや高温障害を避けるため30~40%の遮光ネットを利用すると良いでしょう。

冬は北風に直接さらされないように注意し、根の管理をきちんとすることによって翌年も栽培を楽しむ事が出来ます。鉢植えとして多く市販されますが、苗を購入して庭植えにする場合はロックガーデンを作り植え付けるようにします。日常の手入れで注意したい点は、古葉摘みです。

茶色く枯れてしまった葉をそのままにしておくと、そこから腐ってしまう事があります。ピンセットなどで季節に関係なくこま目に付け根から摘み取る事によって植物の風通しを良くし成長を促します。寒冷地ではそれほど神経質になる必要はありませんが、本州で湿度の高い地域では注意をするようにします。

また蒸れを防ぐために増し土を行います。増し土とは枯れた葉を綺麗に取り除き茎の部分を埋めるように土で覆うことです。増し土によって埋もれた茎の部分から新しい芽が出てきます。その他に、5〜6月の夏が来る前に株を小さくし蒸れを防ぐ方法があります。

株を小さくすると茎葉が混みあうことが少なく高温多湿を避ける事が出来るので夏越しがしやすくなります。用土は水はけの良い土壌にします。市販の山野草培養土を用いたり、軽石、硬質鹿沼土、桐生砂の小粒を等量の割合で使用します。

雲間草の種付けや水やり、肥料について

水やりは、鉢植えの場合は表土が乾燥したら与えるようにします。夏の間は二重鉢や砂床(プランターや鉢の底2〜3cmの所に水抜きようの穴を確保し、軽石や鹿沼土の小粒を満たしたもの)を作りその中に埋めておくと乾燥防止と鉢内の気温上昇を防ぐ役割をします。

庭植えの場合は、よほど晴天が続き土壌が乾燥しない限り水やりは必要ありません。雲間草は肥料を比較的好む植物で、3〜9月にかけて月1〜2回ほど液体肥料を2000倍に薄めたものをあたえるようにします。夏場は3000倍に薄めた方が無難です。

また5〜6月と夏の暑さがひいた10月中の植え替え時に固形肥料を1〜2つまみほど与えるようにします。雲間草の増やし方は挿し芽や株分けが一般的ですが、種付けを行う事も出来ます。開花後、3〜6mmほどの小さい果実から種が搾取出来ます。種は非常に小さいので取り扱いに注意します。

この種を冷暗所で保管し翌年の2〜3月中旬に種付けに使用します。種は一般的に発芽率が良いとされています。大変細かいのでなくさないように取り扱いに注意するようにします。種を少量の川砂にまぜてから蒔き、浅いバケツにつけ鉢底から水を吸い上げるようにします。

小苗は時期に関わらず成長に合わせて一回り大きな鉢に植え替えるようにします。放置しておくと根が詰まってきて夏場の気温が上昇し湿度が高くなってくる時期には根腐れを引き起こしてしまう可能性があるので注意が必要です。

雲間草の増やし方や害虫について

雲間草の増やし方は挿し芽や株分けが一般的です。種付けは前記に述べたように2〜3月中旬に行います。挿し芽は折れた枝部分を使用すると良いでしょう。株分けは暑くなる前に5〜6月頃行うようにします。株は出来るだけ小株にするよう一株5〜10芽ぐらいに小分けし、

十分な間隔を置いて植え付けるようにしましょう。株分けは増やす事も目的ですが、暑い夏場の親株の根腐れを防ぐ役割も果たします。取れてしまった芽は捨ててしまわずに挿し芽として利用することが可能です。根はほとんど切ってしまってもまた生えてくるので問題ありません。

庭植えの場合はスペースが広いと根腐れの心配も少ないので自然のまま成長しておくようにします。土壌が水はけが良いかをチェックしておくようにしましょう。そして、株分けは3年に一度ぐらいの割合と考えましょう。雲間草の害虫としてカイガラムシが挙げられます。

春から夏にかけて発生し、成長点付近や葉の付け根に潜り込み植物の汁を吸い成長します。見つけたら液体駆除剤をすぐに散布するようにします。その他、ハダニが夏に発生します。葉の裏側など見落としやすい場所に発生するので注意するように心掛けましょう。

アブラムシは春先に新芽や蕾に付着します。早期発見が大事なので見つけたら水で吹き飛ばしたり液体駆除剤を散布し、風通しの良い場所に移します。隣接した植物からのナメクジなどの被害もあるので注意しましょう。

また6〜8月にかけて軟腐病が発生しやすくなり茎の根元が腐って抜けてしまう事があります。この病気にかかってしまったら腐った部分を切り落とし、清潔な用土に植え替え風通しの良い場所に移動させるようにします。

雲間草の歴史

日本の園芸店で市販されている雲間草は、一般的に「西洋雲間草」、「洋種雲間草」と呼ばれているヨーロッパ原産のものです。元々ヨーロッパ北部山岳地帯を生息地とする植物で17世紀頃から書物に登場しています。昔から交配が盛んに行われ品種改良を重ねた結果、

栽培が難しい高山植物の中でも大変丈夫で家庭でも比較的育てやすい植物となりました。交配のもととなった種は、サキシフラガ・カエスピトーサ(Saxifraga Caespitosa)、サキシフラガ・グラヌラータ(Saxifraga granulata)、サキシフラガ・ヒプノイデス(S. Hypnoides )などがあります。

これらのほとんどの種は高山の岩場に生息しています。日本の本州中部、北アルプスの白馬岳、御嶽山のみに生息していている雲間草は市販されている西洋雲間草とは別種であり、品種改良は行われておらず野生の山野草としてのみ生息しており、日本で絶滅危惧種に分類されています。

この他、北海道に生息する千島雲間草があります。サキシフランガと言う名前の由来は、岩(サキシ)と割る(フランガ)というラテン語の語源から成り立っており、昔胆石をとる薬効がある草として知られていた事からだと言う説と、

岩の間に自生するものが多く岩を割って生えているように見えることからだと言う説があります。ヨーロッパでは、草丈が10~20cmと短い事からグランドカバーやロックガーデンに植えられています。

雲間草の特徴

雲間草はユキノシタ科ユキノシタ属の耐寒性多年草です。ヨーロッパでは芝生代わりにグランドカバーとして植えられたり、ロックガーデンに用いられる事が多くあります。日本では園芸店に秋から冬にかけてと花茎が伸びてくる春先に鉢植えで販売されますが、開花時は3〜5月の春です。

高山植物が品種改良を重ねた植物なので耐寒性に強く冬越えしますが、夏の暑さや湿度には弱く注意が必要です。草丈は上には伸びず茎が地面をはうような形で成長します。春になると花茎が伸びてきて梅のような形の花径2~4cmほどの白、ピンク、赤の可愛らしい花をさかせます。

雲間草の花言葉は、小さく可愛らしい花を咲かせる事から「愛らしい告白」、春先に勢いよく一斉に咲き誇る花から「活力」とがあります。種まきから育てる事も可能ですが、一般的には苗を購入したり成長した株分けや挿し芽で増やします。

夏越しがポイントの植物で、日本の蒸し暑い夏を乗り切るためになんらかの対策をしないと開花後枯れてしまう事が多い植物です。そのため夏場は風通しの良い半日陰で栽培するようにします。小柄な植物なので他の背丈の高い高山植物などと一緒に植え寄せして楽しむ事も出来ます。

6〜7月頃熟して先端が開いた3〜6mmの果実から小さな種を採取することが出来ます。湿度を嫌うので気温の上昇と共に根腐れにも注意します。水やりも土が乾燥すると水をあげるように心がけ、常に少し乾かし気味にすることも栽培のポイントです。

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