シラーの育て方

シラーの育て方

シラー(Scilla)とは、ユリ科の植物で別名はスキラー、スキラ、スキルラと呼ばれております。学名の「Scilla」は、ギリシャ語のスキロー「skyllo(有害)」が名前の由来といわれており、地下茎部分が有毒なことから、その名が付けられました。

シラーの育てる環境について

シラーの育て方や環境ですが、なるべく日当たりの良い場所で育ててください。水はけの良い所であれば、プランターでも地植えでも、どちらでも大丈夫です。葉っぱが青い期間は日光にしっかりと当ててあげるのが良いのですが、

シラーでもっともポピュラーなベルビアナとシベリカは耐陰性があるので、半日陰でも生育は充分可能です。非常に簡単で初心者にも育てやすく、日本全国なら、どの環境でも育てることができます。夏になると、花が終わり葉っぱが枯れて休眠期に入ります。

この時期には日光を当てても仕方ありませんので、鉢植えの場合はそのまま日陰へと移動させてもかまいません。ある程度球根が大きくならないと花を咲かない性質もあります。ほとんどの種類は耐寒性があるので、特に防寒をする必要はないのですが、

寒冷地で秋の早くに芽が出てしまった場合、寒さで葉先が枯れてしまうことがありますので簡単な霜よけを行ってください。 過湿の状態にすると、根や球根が傷むので気をつけましょう。花が咲き終わったら、そのままにしておかずに、

枯れた花(花ガラ)はこまめに摘み取るようにしてください。花ガラと花茎をそのままにしてしまうと、種を作ろうとして株が消耗してしまいます。花が終わった後も、葉には養分を作ってくれる役割があるので、切らないようにしましょう。球根植物を上手に育てる重要なポイントは、

根を十分に張らす事と水を切らさないことです。一度でも水切れを起こすと根が傷み、十分な水分を吸う事が出来ず、花を正常に咲かせることが出来なくなります。葉がしっかりしていても、蕾が出来なかったり、花が咲かない原因のひとつとなります。

シラーの種付けや水やり、肥料について

シラーは、原産地が温帯のため、水はけの良い土を好みます。赤玉土6と腐葉土4か、それに順ずる割合が好ましいです。アルカリ性の土を好みますので、酸性土でも枯れるわけではないですが、庭植えする場合は苦土石灰を混ぜて中和させておくと育ちやすいです。

日本の土は全国的に弱酸性です。 水やりは土表面が乾いたら、たっぷり底から水が流れ出るくらいかけてあげてください。休眠期はカラカラに乾燥しないよう時々水やりしてあげます。あげすぎるのは良くないので、ご家庭なら他の植木の近くに置いて、ついでに水がかかるくらいが丁度いいと思います。

種類により球根の大きさは異なるので植え付ける間隔は異なってきますが、一般的には小~中型種は5~10cm間隔で、大型種は10~20cm間隔としています。かぶせる土の厚みは庭植えで5cm、鉢植えの場合は3cmほどにします。原則3〜5cmと覚えておけば大丈夫です。

小型種は間隔が開きすぎると寂しくなるので、つめ気味に植える方が見栄えがします。つめ気味でも特に生育に支障はありません。鉢植えの場合、大型種で6号鉢に1球、小型種で5号鉢に3球を目安にしてください。できるだけ浅く植え、

根の張れる深さを確保してあげる必要があります。球根の先端が出るか出ないかほどの深さがベストです。かぶせる土の厚みは1cm程度にしてあげましょう。植え替え時期は、球根の状態や種類にもよりますが、2~3年に一度くらいです。

シラーの増やし方や害虫について

シラーの球根は、3年ぐらい植えっぱなしでかまいません。夏になって葉が枯れたら掘り上げます。掘り上げたら日陰で乾燥させて保存しておきましょう。そのあと秋に植え付けます。 増やし方としては、球根が増えていたら植え付け時にそれを分けることによって球根を増やすができます。

また、花後にできた種をとっておき、9月頃に撒いて上手く育てると3~4年で花を咲かすことのできる大きさの球根に育てることができます。普通の花や草は、あぶらむしや毛虫、あおむしなどの葉を食べてしまったり、根っこを腐らせてしまったりする害虫にかかり病気になることが多いのですが、

シラーに関してはかかりやすい害虫はとくになく、非常に育てやすい種類となります。それでも気になる場合は、植え込むときに同時にオルトランを施すと、アブラムシなど主要害虫の予防となります。その後も1ヶ月に1回程度は、定期的に施薬しましょう。

害虫発見時には既に卵から成虫まで各世代が生息することがあり、定期的な施薬を継続することにより、より効果が得られます。薬剤の散布は、風のない朝夕の涼しい時間を選んで行ってください。日中の高温時に薬剤を散布すると、葉や花がやけて薬害が起こる場合が多々ありますので注意してください。

殺虫剤ではありませんが、種まき後の発芽した苗や購入した苗を植えた時に、防虫ネットで覆うと外から来る害虫からある程度予防する事ができます。トンネル支柱と防虫ネットで覆えば外から来る蝶の幼虫などからある程度守る事ができますが、蝶が苗の葉にすでに卵を産んでいれば、

ネットの中で孵化した虫に葉を食べられたり、土にヨトウムシなどがいれば茎を食べられてしまう場合もあるので、ネットだけでは完璧ではありません。その場合は殺虫剤を使用しましょう。また、隙間からナメクジなどの虫が入ってくる場合もありますので、隙間がないようにしっかりネットで覆うことも大事です。

シラーの歴史

シラー(Scilla)とは、ユリ科の植物で別名はスキラー、スキラ、スキルラと呼ばれております。学名の「Scilla」は、ギリシャ語のスキロー「skyllo(有害)」が名前の由来といわれており、地下茎部分が有毒なことから、その名が付けられました。

原産地はヨーロッパ・アジア・アフリカと言われており、生息地は、主にヨーロッパ・アジア・アフリカの温帯地方に分布する球根植物で、原種が100種ほどあります。一口にシラーと言ってもその草姿は多様です。球根の形態などから一部をヒアシントイデス属もしくは、

エンディミオン属として区別することもあります。日本にもルツボで知られている「シラー・キネンシス」が自生していますが、明治時代の中期に、観賞用として他の種も渡来していきています。どの種類も乾燥した地面に適しています。

シラーの別名は、星形の小花を付ける『オオツルボ「ペルビアナ」(大蔓穂)』と呼ばれ、英名は「English bluebell(イングリッシュ・ブルーベル)」です。他にも、釣り鐘状に咲く「ツリガネズイセン」、また茎と葉がヒヤシンスに似ているため、

「ワイルドヒヤシンス」などと呼ばれています。地中海原産の「ペルビアナ」はとても強健で、幅広の披針形の葉を持ち、花茎に青い星形の小花固まって数十個ほど咲かせます。主な種類は、 ヨーロッパ原産の「ヒスパニカ」。微のかに香りがあり、

直立する花茎にピンク・青・紫の釣鐘形の花を20~30個ほど咲かせます。地中海沿岸に分布する「ヒアシンソイデス」は、晩春に1mほどの茎に青い星形の小輪花を咲かせます。コーカサスやイラン北部に分布する「シビリカ」は、鐘形で濃い青の大輪花を咲かせます。

シラーの特徴

草丈は種類にもよりますが、5cmほどのかわいらしいものから、50cmほどに育つものまであります。花期はともに3~6月頃で、鉢の市販期は2~4月、球根は9~10月頃が主です。 耐寒性が強く、初心者でも栽培は容易です。花の咲き方や大きさは種類によって違いはありますが、

地面から花茎を伸ばして穂状に多数の花を咲かせるのが基本の咲き方です。花色はブルーや紫、ホワイトなどがあります。葉は線形や帯状で地面から出てきます。園芸では秋に球根を植えて春~初夏まで花を楽しむのが一般的です。その後、夏に葉っぱが変色して枯れ始めて休眠期に入ります。

寒さに強くて育てやすいものが多く、鉢植えや地植えで栽培します。花が終わった後に球根を掘り起こして管理しておくことも出来ますが、シラーに関しては掘り起こす必要もなく、地中に植えたままで翌年まで放置していても、球根が腐ることなく同じ場所に花が咲きます。

特徴としては、ペルヴィアナのように1株でも充分見栄えのする立派な花を咲かせるものもあれば、シベリカのように小型だが密植すると栄えるものなど種類によって大きさや花姿が異なります。小型や中型の品種はプランターや鉢で育て、ロックガーデンにたくさん植えると、

かわいらしさを楽しむことができますし、大型種は花壇に植えると豪華さがでるので、自分はどのシラーを育てているのか理解しておくのが重要です。花言葉は、変わらない愛・隠れた価値・冷静・さびしさ・しんぼう強さ・多感な心・不変・哀れ・恋の呼びかけ です。

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