セイヨウムラサキの育て方

育てる環境について
セイヨウムラサキの育成環境について書いていきます。日当たりの良いところよりも、むしろ日当たりがあまりよくないところの方が良いでしょう。実際に、野生のものを見ても、木陰で咲いているところを発見されます。したがって、たとえば、家の庭で育てる場合は、できるだけ日当たりのよくないところが良いでしょう。
直射日光の当たらない家の裏庭が、栽培環境としてはお勧めです。それというのも、温度に弱いという特徴があるからです。直射日光による温度の上昇が成長力を著しく弱くしてしまいますし、生命力も弱くなってしまうわけです。そのため、できるだけ直射日光の当たらない日陰のところに安置することがポイントです。
また、愛好家の中には、肥料として土と石灰を混ぜ合わせたオリジナルの肥料を作ることが多いのですが、セイヨウムラサキの場合は、あまりお勧めできません。たしかに、野生のものをみると石灰岩質に集中して生息していることが多いので、石灰が肥料として最適さと思ってしまいます。しかしながら、野生のセイヨウムラサキがそのようなところに自生しているのは別の理由があるからです。
つまり、そのように石灰岩質のところでは、ほかの植物が育ちにくいということから、ほかの植物との生存競争を避けるために、そのようなところにあえて生息しているわけです。決して肥料として石灰岩質をみずから求めているわけではありませんので、わざわざ石灰を混ぜた土を使う必要はありません。
種付けや水やり、肥料について
育て方の中でも種付け、水やり、肥料について言及していきましょう。肥料としては前述したとおり、特に石灰を混ぜた土を使う必要はありません。ホームセンターなどで売られている通常の肥料で問題ありません。種付けについては、開花受粉が一般的です。隣り合わせに育てるだけで、あとは勝手に受粉されます。種付けは難しいものではありません。
しかしながら、愛好家の中には、雑種化を避けたい人もいます。日本ムラサキと西洋ムラサキを隣りあわせで育てていると、お互いに受粉してしまうからです。つまり、育てている人にとっては、純粋の日本ムラサキや純粋のセイヨウムラサキをずっと育てたいと考える人もいるわけです。そうした人は、隣り合わせで育てるのではなく、距離をとって育てることはもちろん、次のような工夫も必要です。
つまり、種の扱いです。種は熟していくと取れやすくなります。日本のものも西洋のものも数多くの種ができますので、種は採取することは避けましょう。純粋のものを増やす場合は、挿し木を行うことがもっとも効果的です。挿し木の時期は、夏から秋にかけてがお勧めです。
つまり、5月や6月の梅雨の時期や長雨の9月ころがお勧めです。水やりについては、定期的に行うことが大切です。また、やりすぎには注意が必要です。もっとも梅雨の時期にもっとも成長するので、水やりよりも、まわりの環境に気をつけたほうが良いです。近くに根張りの強い植物がいると成長が阻害されるからです。
増やし方や害虫について
セイヨウムラサキの害虫対策や育て方について書いていきます。ムラサキ科は基本的に弱い植物です。つまり、害虫によるダメージがほかの植物に比べて大きいというわけです。そのため、慎重に育てる必要があります。それでは、どのような害虫がつきやすいのかというと、その代表例はアブラムシです。ほかにも、ダンゴムシもそうです。
これらは葉を虫食い状態にするので、ムラサキ科にとっては非常に危険な存在です。葉が食われると植物は体力が落ちます。ムラサキ科も例外ではありません。葉が食われすぎると体力が落ちこんでしまい、時として枯死するケースも珍しくありません。食われた葉は取り去るのが無難です。
それというのも、害虫は病気ももたらすことがあるので、ほかの葉にも悪影響をもたらします。そのため、被害が深刻化しないように、食われた葉はハサミを使って取り去って処分することが良いでしょう。葉や茎を取り去ってもすぐに、わき茎が出てくるので、心配はありません。そして、害虫に対しては、次のようなものをおのおの使用すると解決することができます。
ダンゴムシに対しては天然有機忌避剤を使用すると良いでしょう。アブラムシに対しては、牛乳をかけると良いでしょう。こうした害虫対策を行うことできちんと育成することができるというわけです。最後に、増やし方については、前述しましたが、挿し木がもっとも効果的です。純粋栽培を行うには、挿し木をして増やすことが無難です。
セイヨウムラサキの歴史
セイヨウムラサキの歴史について書いていきます。セイヨウムラサキは日本原産の花ではありません。もともとは日本ではなくヨーロッパやアジアで栽培されていた花です。そういうことから、セイヨウという名前がついているわけです。それでは日本ではセイヨウムラサキは見られないのかというと、そうではありません。
日本でも公園の芝生をみると生息しているのが確認されます。実は、日本にはセイヨウムラサキではありませんが、ムラサキという日本原産の花がずっと生息していました。しかしながら、1970年代頃よりヨーロッパ原産のセイヨウムラサキが公園を中心に多く見られるようになりました。そうはいっても、どこでも見られるというわけではありません。
野生で見つけようとおもっても専門家でなければ、まず見つかることはないと考えたほうがいいでしょう。ただし、最近は日本原産のムラサキと混同されて交雑種が栽培されるようになっています。つまり、純粋な日本原産のムラサキがどんどん少なくなっており、セイヨウムラサキが日本にどんどん進出しているということです。
そのため、近年は純粋なムラサキやセイヨウムラサキはなかなか見つけることが難しくなっている状況です。特に、日本原産のムラサキを保護しようといろいろな運動が起きているのが現状です。しかしながら、その一方でセイヨウムラサキの愛好家も多く、ショップでの購入が増えているのも事実です。以上がこれまでの歴史になります。
セイヨウムラサキの特徴
セイヨウムラサキの特徴について書いていきます。日本を本来の生息地とするムラサキと比較してみると、茎に特徴があります。茎が非常に数多く分枝します。また、葉についてはムラサキに比べて、柄がないのが特徴です。ちなみに、ムラサキという名前がついていることから、紫色をしていると思われがちですが、実際にはそうではありません。
これは人間の用途が関係しています。つまり、人間が紫色の染料の材料として使うことから、この名前がついているということです。高さは一般的には1メートル程にはなります。これは茎は直立する傾向があるから、すっと伸びやすく高さを確保できるためです。また、毛については、全体的に粗い毛があります。触ってみるとわかりますが、ざらざらします。
花については、非常に小さな花を咲かせます。大きさは直径で1センチもありません。日本原産のムラサキに比べてもかなり小さいです。半分以下です。花の色は黄白色です。黄白色というのがわかりにくければ、クリーム色といったほうが良いでしょうか。果実については、これも非常に小さいものが一般的です。
長さが5ミリにも満たないものが多いです。こうした花の特徴以外にも述べておくことがあるとしたら、育てやすさというものが挙げられます。日本在来種のムラサキに比べて非常に栽培しやすいからです。これは種子を非常に数多くつけるからです。こうしたことから、実は中国では栽培用として非常に人気があります。
-
-
いちごの育て方
いちごの歴史は古く、すでに石器時代から食べられていました。南米や北米が生息地になり、野生の果実は甘味が少なく大きさも小粒...
-
-
家庭菜園の栽培、野菜の育て方、野菜の種まき
家庭菜園ではプチトマトやゴーヤなど育てやすい野菜を育てるのが人気です。ですが、冬野菜でもある大根の栽培でも、手軽にするこ...
-
-
イチリンソウの育て方
イチリンソウは日本の山などに自生している多年生の野草でキンポウゲ科イチリンソウ属の植物です。元々日本でも自生している植物...
-
-
ニオイヒバの育て方
ニオイヒバはヒノキ科 の ネズコ属に属する樹木です。原産国は北アメリカで、カナダの生息地です。日本では「香りがあるヒバ」...
-
-
ファイウスの育て方
花においては、ラン目、ラン科、カンゼキラン属とされています。園芸上はランになり、多年草として育てることができます。花の高...
-
-
ウェデリア(アメリカハマグルマ)の育て方
ウェデリアは地面を這いながら成長が特徴の這い性のキク科の植物であり、常緑の多年草になります。原産地は中央アメリカから南ア...
-
-
アボカドの種を植えて観葉植物にしよう
アボカドというと、「森のバター」や「バターフルーツ」と呼ばれ、高脂肪で栄養価が高いことで有名です。脂肪分の80%以上が不...
-
-
アボカドの種を観葉植物として育てる方法。
節約好きな主婦の間で、食べ終わったアボカドの種を観葉植物として育てるというチャレンジが密かなブームとなっているのをご存知...
-
-
サルスベリの育て方
サルスベリは、木登り上手のサルですら、すべって登ることができないほど、樹皮がツルツルとなめらかなことからつけられた名前ら...
-
-
キフゲットウの育て方
キフゲットウは東アジアとインド原産のショウガ科ハナミョウガ属の高さ1メートル以上になる熱帯性多年草です。日本でも沖縄県か...
セイヨウムラサキの特徴について書いていきます。日本を本来の生息地とするムラサキと比較してみると、茎に特徴があります。茎が非常に数多く分枝します。また、葉についてはムラサキに比べて、柄がないのが特徴です。ちなみに、ムラサキという名前がついていることから、紫色をしていると思われがちですが、実際にはそうではありません。