バラ(ミニバラ)の育て方

バラ(ミニバラ)の育て方

バラ(ミニバラ)とはバラ科バラ属の植物で、ミニバラや姫バラ、ミニチュア・ローズ、パティオ・ローズ、マイクロ・ミニなどとも呼ばれています。その名の通り花は小さめで、大きくなっても5cmほどとなっています。

バラ(ミニバラ)の育てる環境について

バラ(ミニバラ)は5月~6月上旬が主な開花時期で、11月にかけて繰り返し開花します。そのため春にはポット植えの若苗が出回り、また専門店では1年を通して鉢植えの苗が販売されたり、挿し木の株も流通するなど、初心者でも比較的栽培しやすい植物です。

弱酸性の土を好むので、弱酸性の土を購入するか、自分で土を作る場合はピートモスを主とした土を配合して育てます。ピートモスはミズゴケなどが堆積・分解された土で、保水性や通気性、肥料分保機能に優れています。またその性質は弱酸性なので、

弱酸性の土を好む植物には特にぴったりの土となっています。 なので多くの鉢花はピートモスを主としたの土で栽培されています。しかし一度乾くと給水しにくかったり、ピート自体に肥料分が含まれていないなどの欠点も持ち合わせています。

そのため、自分の手で肥料のバランスや量をコントロールする必要があります。バラ(ミニバラ)は太陽を好む植物ですが、急激な温度変化にはあまり強くはありません。特に台風の時期には注意が必要です。台風による涼しい雨天から台風が過ぎて快晴になると、急激に温度も上昇します。

このような急激な温度差が起こった場合、葉で行われる蒸散がしっかり行われず、体温が下げられなくなるため、植物自体がばててしまい葉やけを起こしてしまいます。そんなときは木陰やすだれを利用して日陰でしばらく慣らしたり、こまめな打ち水などで鉢周りの温度を下げるようにします。

種付けや水やり、肥料について

バラ(ミニバラ)の水やりは、夏は1日に1回~2回、冬は2日に1回くらいを目安に行います。葉や花に直接水をかけてしまうと植物が傷んだり病気が入ったりする危険があるので、できるだけ葉などにかからないよう、根の方に水やりをします。

土の表面が乾いてきたら水やりをします。土が乾きすぎてしまうと、ピートモスはなかなか水分を吸わなくなってしまうので、そんなときはバケツに水を張り、10分~20分くらい鉢ごと水に浸けておくと回復します。しかし乾燥を気にしてあまり頻繁にやりすぎると、

根腐れする恐れもあるので、そのバランスによく注意しましょう。春や秋は午前中に、夏は朝と夕方、冬は暖かい日中に水やりをするのがベターです。その日の天気や日照りの様子を見ながら調節します。バラ(ミニバラ)は太陽を好む植物です。

室内に置くと十分な日光を得ることができず、花や葉が落ちやすくなってしまうので、日当たりの良いところでかつ雨などが直接当たらない軒下などに置いて育てます。バラ(ミニバラ)は適度な温度と光があればどんどん花を咲かせてくれる植物です。

しかし、気温が低く日照量も少ない冬は、花はほとんど咲かず休眠期と呼ばれます。しかし花が咲かないからといって手入れを怠ってはいけません。この休眠期には、次の春に花を咲かせるための準備をします。

11月頃、花の咲き終わりを迎えたらそれ以降の剪定は禁物です。葉は冬の少ない日照量の中で目いっぱい光合成を行っているので、葉は全て残すようにし、枯れた花を取り除く程度にしておきます。しっかり日光に当てるほか、緩効性の肥料を適量の半分ほど与えましょう。

増やし方や害虫について

次の花をうまく作るために大切な育て方のひとつとして、剪定が挙げられます。春から秋までは適宜花の剪定をします。花が咲き終わったら、5枚葉の上で全体に同じ高さになるように剪定をします。なぜなら5枚葉の付け根には必ず花芽を持っているからです。

その芽より上の花は剪定して切り落とすことで、次の花を上手に咲かせる一助となります。剪定をする際は、花くびだけを切るのではなく、思い切って切戻します。つぼみがあればこれも切り落とし、一輪挿しなどで楽しむのも良いでしょう。

また同時に、枯葉や枯れ枝を取り除き、灰色カビ病の発生元を取り去くのがポイントです。剪定後は葉が少なく株全体をチェックしやすい状態で、肥料や薬も散布しやすくなっています。薬散布に適したタイミングなので、病害虫が無いかチェックをします。

花を育てる際に、病害虫はつきものですが、バラ(ミニバラ)にとっての病害虫は主にアブラムシやハダニ、ヨトウムシです。心配な病気は灰色カビ病やうどん粉病、、黒点病などが挙げられます。これらの病害虫や病気を防ぐには日々のチェックをこまめに行い、

薬を適正に使用して早期に対処することが大切です。薬の形式としては、スプレータイプだと手軽に簡単に扱うことができ、初心者にもおすすめです。殺虫剤や殺菌剤が混合された便利なタイプもあります。同じ種類の薬を使い続けるのではなく、3種類くらいの薬をローテーションで使用するとよいでしょう。

バラ(ミニバラ)の歴史

バラ(ミニバラ)とはバラバラ属の植物で、ミニバラや姫バラ、ミニチュア・ローズ、パティオ・ローズ、マイクロ・ミニなどとも呼ばれています。その名の通り花は小さめで、大きくなっても5cmほどとなっています。葉も小さく、高さも20cm~50cm程度と低めのものが主流です。

バラそのものはとても古いもので、紀元前2000年頃の古代文明時代にはすでにあったといわれています。ローマ神話にも登場するほどポピュラーな花で、ギリシャ・ローマ時代には、花冠を被っていると酒に酔わないと信じられていたため、

香の強い花と緑の葉で編んだ花冠をお酒の席で被る風習がありました。また、ワイングラスにバラや月桂樹の花を入れると酒に酔いにくいともいわれていました。そんな歴史の古いバラの中でも、ミニバラの歴史は比較的新しいものとなっています。

1815年に中国のコウシンバラの矮小種がヨーロッパに紹介されたことに始まります。1821年にはモーリシャスのバラとして、ロサ・プシラが紹介され、その後最終的にロサキネンシス・ミニマと命名されました。日本では江戸時代頃には知られていました。

その花の色は非常に豊富で、コンパクトな株の中に小さな花を咲かせ、春から秋にかけての長い季節楽しめます。香りの強さは品種によってさまざまですが、比較的弱い芳香の品種が多くなっています。原産・生息地はアジアをはじめとしてヨーロッパや中近東、北アメリカ、アフリカの一部など世界中に広がっています。

バラ(ミニバラ)の特徴

バラはその樹の形から、木立ち性のブッシュ・ローズ、半つる性のシュラブ・ローズ、つる性のクライミング・ローズの3種類に分類されます。そのうちミニバラは木立ち性で、チャイナ系オールドローズのコウシンバラ矮小種の性質を受け継いでいます。

花の形も非常に豊富で、花びらの数や花弁の形、咲いたときの全体の形などで分類できます。例えば花びらの数でいうと、5枚の花びらが一重になり重なりが無いものを一重、6枚~24枚程度の花びらが二重以上になっているもの半八重と呼びます。

そして25枚以上の花びらを持つものを八重と呼びます。花弁の形でいうと、花弁の両脇が後ろに反り長細い剣のような形になっているものを剣弁、花弁の両脇がやや後ろに反り丸い剣形になっているものを半剣弁、横に広く丸い花弁で両脇のそりが無いものを丸弁と呼びます。

花全体の咲き方でいうと、中心部分が高く咲くものを高芯咲き、横から見て逆三角形に見えるものを盃状咲き、横から見てお椀のような半円に見えるものをカップ咲き、花の中心が立っているように見えるものをロゼット咲きと呼びます。

ロマンスランやショートケーキなどのように、花弁の表裏の色が違うものを複色花、マジック・キャローセルのように、花弁のふちが別の色で縁取られているものを覆輪花と呼びます。このようにミニバラはその咲き方や花の色、形などのバリエーションがとても豊富で、品種ごとに違った風合いが楽しめます。

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