とうもろこしの育て方
とうもろこしを育てる前の準備
種付けや植え付けをする2週間前には、苦土石灰を土に混ぜておきます。日当たりと水はけの良い場所に植えることが出来るように、出来るだけ日光が当たる場所で育てます。肥料を多く吸収する作物なので、肥料をたっぷり与えた畑を作るようにします。また自然に受粉をするので、10株以上植えることが出来る場所に畑を設定することが大切です。
さらに栽培する畑の土の表面に藁やビニールフィルム、ポリエチレンフィルムなどで覆うと土の水分や湿度を一定に保つことが出来ます。地温変化の抑制や土壌侵食の防止、雑草発生の防止などに効果があります。種付けを行うなら種は前後30センチの間隔を空けて、1か所に3から4粒程度蒔いていきます。株と株の間は30センチ空けて、何かの瓶を使って鎮圧して穴を開けます。
深さは3センチ以上はとって、上から軽く土をかけておきます。軽く踏みつけるようにして、種付けは完了です。2列から3列になるように蒔けば、自然に受粉がまんべんなく行うことが出来ます。種付けから発芽まで、地域や温度、種類にもよりますが約10日ほどです。
とうもろこしにはたくさんの種類があり、品種や種類の違う花粉同士が受粉すると本来の性質を失ってしまう可能性があります。違う種類や品種を同時に栽培する場合には花粉がお互いにかからないように、100メートル離れた場所で栽培することが大切です。種付けをした種は鳥に襲われることもあるので、トンネルやネット、キャップなどでしっかり保護します。
とうもろこしの育て方や手入れの方法
とうもろこしの育て方は、種まきをしてから発芽するまで土の表面が乾燥しないようにこまめに水やりをすることです。種付けをした後に敷き藁やマルチングを行っておけば、簡単に乾燥を防止することが出来ます。発芽して草の高さが15センチになり、本葉が5枚程度になったら育ちの良い株だけを残して間引きをします。育ちが良い株だけを残しておくので、その他の苗は全て間引きをします。
苗から育てる場合は植え付けを行うときに間引きをしてもいいのですが、確実に定植することが大切です。初心者は定植してから、間引きを行うと安心です。間引きをするときには茎の部分はカットせずに、ハサミを土の中に入れて根元の部分から切るようにします。手で思いっきり株を抜いてしまうと残しておきたい株も切ってしまうので、成長が遅くならないためにも丁寧にカットすることが大切です。
発芽してからも乾燥には弱いので、栽培中もこまめに水やりをするようにします。特に開花や成熟期に水が不足すると、実成りに影響が出てしまうので注意が必要です。とうもろこしをコンテナやプランターで育てている場合は、追肥をしっかりとします。プランターでの栽培は合計2回行って、1度目は本葉が6枚以上になったら追肥をします。
2回目は雄穂が出たときに、もう一度追肥をします。1株につき肥料を10グラムコンテナの淵に沿って蒔いて、軽く土と混ぜ合わせるようにします。畑で育てているときは、草丈が50センチ以上になったら1度だけ追肥を行います。株の根元に肥料を30グラム与えて、株が倒れてこないように土寄せをしておきます。
育て方のポイント
育て方のコツは、株の本数が少ない場合には人工受粉をさせることです。プランターでの栽培などはどうしても株の本数が少なくなってしまうので、自然に受粉させることが難しくなります。実入りを多くするためにも、人工的に受粉をさせることがポイントです。雄花の黄色い線の位置で切り取り、株元のふさふさした毛のような部分の雌穂の上で揺らして花粉を振りかけます。
生えてきたわき芽はそのままでもいいのですが、雌穂が着床し始めた頃や光の通りが悪くなったときにカットしても大丈夫です。育て方のポイントは、支柱をしっかり取り付けることです。成長していくにつれ背が高くなるとうもろこしは風や雨で倒れやすくなってしまうので、しっかり支柱を取り付けるようにします。1回目の追肥をするあたりからどんどん高くなっていくので、1回目の追肥のときには設置しておくと安心です。
成長しきってから取り付けても遅いので、タイミングを見逃さずに取り付けるようにします。収穫する時期は、受粉をしてから20日から30日が経ったころです。先端にある絹糸が茶色くなり、枯れたときに頭の部分をめくって実の様子を確かめます。しっかり確認したら試し取りをしてみて、皮をめくって粒が丸みを帯びているのかチェックします。実入りが良く、しっかり詰まっていれば収穫の時期です。
手でしっかり実を掴んで、豪快にもぎり取るときれいに収穫することが出来ます。収穫の時期を逃すと甘みが減少するので、タイミングを見逃さずに収穫することです。収穫したあとも糖分が減少していくので、すぐに加工するようにします。とうもろこしは比較的強い作物なので、病気にはかかりにくいです。害虫は発生するので、虫が発生していないかこまめにチェックすることが大切です。見つけたらすぐに処分をして、被害を受けてしまった株は早めにカットするように心がけます。
とうもろこしの歴史
昔の生息地や原産地、起源は正確には分かっておらず、現在のとうもろこしの先祖にあたる野生のものが見つかっていないのです。大まかな原産地はメキシコやグアテマラなど、中南米あたりだといわれています。起源についても諸説あり、その中でも有力とされているのが「テオシント」説です。メキシコ付近に生息していたテオシントといわれるイネ科で一年草を起源として、改良や突然変異をして現在の形に辿り着いたという説です。
食用にはならない小さな実をつけるだけのもので、外見も現在のとうもろこしとは似ていないです。また他の2つの種を交配させて作ったのがとうもろこしの元祖とされる説もあり、絶滅したトリプサクム属やテオシントなどが先祖といわれていますがはっきり分かっていないのです。1950年ごろにはどこで栽培されていたのか調べられるようになり、メキシコのオアハカとハリスコの間にある盆地で栽培されていたという仮説を検証するために考古学者たちの調査が始まったのです。
1960年ごろには様々な調査結果から、メキシコ南部で8000年前に栽培されたとうもろこしの跡が見つかったのです。2000年代に入ってからの調査では、紀元前12000年ごろにメキシコ西部のバルサ流域に人類が暮らしていた跡が見つかり、とうもろこしを育てていた形跡が発見されたのです。
とうもろこしの特徴
とうもろこしは穀物として、さらに野菜としたの両面を持ち合わせている珍しい野菜です。穀物としての乾燥コーンはお米や小麦と並ぶ3大穀物で、炭水化物やたんぱく質、脂質を多く含んでいます。胚芽の部分にはビタミンB1やB2、ビタミンEなどのミネラルを多く含んでいて、たんぱく質を構成しているアミノ酸には疲労改善の効果もあります。中南米などの暑い地域や南アメリカの熱帯地方で栽培されていたので、強い植物ともいえます。
厳しい環境でも育てることができ、高温や乾燥した地域でも二酸化炭素を上手く取り込むことが出来る性質を持っています。一般家庭に広く知られているのは、スイートコーンです。粒に含まれている糖分が多いので、甘みがあるのが特徴です。収穫してすぐに茹でて食べることができ、日本人に一番馴染みの深い品種です。コーンフレークやコーンスープなどの、加工食品の材料としても使われています。近年では生で食べることが出来る品種もあり、皮が柔らかく甘さがあるのが特徴的です。
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