レモンの育て方

レモンの育て方

レモンの原産地や生息地はインドのヒマラヤ地方とされ、先祖とされている果物は中国の南部やインダス文明周辺が起源です。そして中近東を経てヨーロッパ地方に渡り、古代ヨーロッパでは鑑賞用の植物として親しまれていたのです。中近東ではアラブ人による医食同源の思想のもとに、レモンを使った料理やシャーベットがあります。

レモンを育てる準備

畑の場所は日当たりと水はけが良い場所を選んで、強い風が当たるところは避けるようにします。寒さに弱いので暖かい環境で、寒い地域の場合には鉢植えを行うようにします。レモンの木を健康的に育てるためにも、栄養が含まれている畑を耕しておくことが大切です。古くなった土や雨に叩かれた土でも耕すことによって、空気が入ります。

通気性が良くなるので、水はけの良い状態になります。まず余分な雑草を無くすためにも、小さな草は手で取り除きます。大きな草はカマなどを使って、根から取り除いておきます。畑の土の中から石やガラス、木の破片などの異物を取り除きます。地面の中に異物が混入すると根っこが育つのを邪魔するので、しっかり無くすようにします。

雑草を取り除くのが大変だという場合は冬の間にビニールを張って、雑草が生えてこないようにします。土の改良が必要な場合は、土壌の改良を行います。雨が降ると土が酸性になっていくので、畑全体に石灰を混ぜていきます。石灰をバケツに入れて、全体にバランス良く蒔いていきます。

さらに堆肥や肥料を混ぜ込んで、栄養がある土に仕上げていきます。赤玉土が6、腐葉土が3、川砂が1の割合で混ぜた土がレモンの栽培に適しています。品種を選ぶときには寒さに強く、枝の伸びが良い「リスボン」や「ビラフランカ」などを選びます。枝の棘が少なく、実の質が良い「ユーレカ」は家庭菜園に向いている品種です。

レモンの育て方

育て方の第一歩は植え付けで、あまり種付けは行わないのが特徴的です。種付けから育てたい場合は種付け用の種を購入するか、自宅で食べたレモンの種を植えるようにします。時間は掛かりますが、発芽はします。植え付けを行うのは、寒さが無くなった3月から4月に行います。

秋の9月ごろでも植え付けは可能ですが、十分根が育つ前に冬を迎えてしまうので暖かい地域のみにします。鉢植えにする場合は深く根を張るので、一回り大きな鉢を用意しておきます。一度育て終えたら、幹を中心にあいて3本の枝をメインとして、仕立てていきます。畑などで植えた場合は、幹を中心にして2本の枝をメインにします。

レモンは芽を出してから枝を伸ばす力がとても強いので、枝ばかりが伸びてしまうことがあります。栽培中になかなか花や実を付けずに枝ばかり伸びてしまったら、間引きをして枝の数を減らします。枝の勢いを押さえておくことで花の付きが良くなり、実が付きやすくなります。風通しも改善されるので害虫の発生を防いだり、日当たりを改善することが出来ます。

春から秋にかけて花を咲かせて実を付けていきますが、たくさんの実を付けても疲れて上手く生育しない場合があるので夏や秋に出来た実は小さいうちに摘んでしまいます。一か所に沢山の実が付いている場合は1つか2つ程度残して、摘果をしておきます。少数の実に栄養が集まるので、美味しい実を付けることが出来ます。

水やりは土の表面が乾いたら行い、実が大きくなる6月から8月にかけてはたっぷりの量を与えるようにします。水はけが悪い土ですと根腐れを起こしてしまうことがあるので、水はけにも注意することが大切です。良い実を作るためにも、肥料は欠かせないです。

畑などの地植えの場合は2月と9月に追肥をして、株周りに蒔いておきます。鉢植えの場合は12月から1月の花が咲くタイミングと、春と秋に栽培の状態を見て追肥をします。栽培状況を見極めて、肥料切れを起こさせないようにすることが大切です。苗を購入すれば栽培中の種付けや受粉なども必要がなく、初心者でも比較的簡単に育てることが出来るのが特徴的です。

レモンの育て方のコツや収穫

育て方のコツは寒さに弱いので、しっかり寒さ対策をすることです。畑は日当たりが良く暖かい場所を選び、鉢植えの場合は移動しやすい容器を選ぶようにします。沢山の実を付けるので肥料切れを起こさないようにして、夏の暑い時期にはたっぷりの水をあげるようにします。

青虫やアゲハチョウの幼虫がよく付いてしまうので、害虫には十分に注意します。青虫は見つけたら、すぐに殺してしまうことが大切です。生育に必要な栄養を取られてしまったり、大きな被害が起こる前に薬剤の散布などをして事前に対策を行うことも大切です。害虫は葉の裏に付きやすいので、定期的に細かく確認することが大切です。

花が咲いた後、半年程度で収穫することが出来ます。春に花が咲いたなら秋ごろが収穫のタイミングで、収穫してから室内で完熟させるのがベストです。木の上で完熟するまで置いておくと香りが弱くなり、果汁も少なくなるので完熟するまでに収穫します。

香りを楽しむためならまだ青い状態で収穫して、料理などに活用します。収穫後の保存は乾燥を防ぐためにも、野菜室に保管しておきます。長期間保存をしたい場合には、冷凍庫で冷凍しておくことも可能です。輪切りした場合も冷蔵庫での長期保存は難しいので、冷凍保存をします。

レモンの歴史

レモンの原産地や生息地はインドのヒマラヤ地方とされ、先祖とされている果物は中国の南部やインダス文明周辺が起源です。そして中近東を経てヨーロッパ地方に渡り、古代ヨーロッパでは鑑賞用の植物として親しまれていたのです。中近東ではアラブ人による医食同源の思想のもとに、レモンを使った料理やシャーベットがあります。

その料理やシャーベットが、地中海の国に伝わっていったのです。10世紀になると東地中海の海岸での栽培がはじまり、11世紀になるとエジプトの市場でも売られるようになります。11世紀から13世紀は十字軍によって果汁を飲む方法や調理方法がヨーロッパ中に広がり、1493年にはコロンブスによって、アメリカ大陸にも渡ります。

大航海時代には航海中に発症してしまう壊血病の予防として、レモンが活躍します。レモンに含まれているビタミンが壊血病に効果があるとされ、乗員たちに摂取されるようになったのです。その他にオレンジなどの果物も摂取され、イギリス海軍ではレモンの積載を義務付けたのです。

船乗りには欠かせない果物は世界中に伝わるようになり、人間の食生活の発展に貢献していったのです。日本には明治時代に初めて渡来し、愛媛県や広島県、熊本県などで栽培されるようになります。

レモンの特徴

ミカン科ミカン属の常緑低木で、その果実のことをいいます。柑橘類の一つであり、酸味や香りを楽しむことが出来る果物です。原産地はインド北部で、樹高は3メートルほどになります。枝には棘があり、葉には厚みがあるのが特徴です。紫のつぼみを付け、白やピンク色の強い香りがある花を咲かせます。

実の部分は楕円形で、先端に乳頭といわれている突起があります。始めは緑色をしていますが、完熟するにつれて黄色になっていきます。見た目は同じ柑橘類のライムによく似ていて、品種によっては熟すとオレンジ色になるものもあります。一つの木で100個から150個前後の実を収穫することができ、栽培出来る種類も豊富です。

日本で栽培されているものは少なく、ほとんど地産地消されています。実の部分の特徴は果汁を食用に利用することが出来ることで、とても酸味が強くpHは2を表します。果汁を使ってジュースやレモネードなどの清涼飲料水に加工したり、製菓や料理に使うことも可能です。

果汁に含まれているフラボノイドが食後の脂質代謝に有効だと分かり、油ものに添える意義が判明したのです。薄く輪切りにすれば紅茶に入れたり、料理に添えられたりします。

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