フトモモの育て方
フトモモの育てる環境について
フトモモは、株の状態が良ければ長期間の開花が出来ること、丈夫で育てやすいため、初心者でも比較的容易に栽培が行えることなど、育て方のポイントを抑えておけば花の香りの特徴でもあるバラに似た香りを楽しめるなどの魅力を持ちます。
因みに、この植物は果樹、熱帯植物および観賞植物に分類されているものであり、果物は熟すことで食用にもなります。また、この植物の花は特徴もあり、放射線状に延びる雄蕊が花火に様に見えるなど、観賞にも最適と言う事からも庭木として栽培する人も多いのです。
耐寒性はやや弱いため、冬場などは室内で管理をしてあげることで冬越しも可能になりますし、耐暑性は弱くもなく強くも有りませんが、夏時期などは涼しい場所で管理をしてあげれば育成が可能になります。尚、植え付けや植え替えの適期は4月から9月であり、
この時期に植え付けを行い、肥料についても同時期に与えてあげます。開花時期は4月から8月頃で、果実の収穫期は6月から10月頃になります。また、剪定については8月から10月頃に行うのがポイントとなります。育てる環境は、日向を好む事からも日当たりが良い場所に植え付けることが大切です。
尚、日照不足になると果実が付かなくなることが有ると言われていますので注意が必要です。鉢植えなどで育てる場合などでは、室内の窓際などで、日当たりが良い場所に置いておけば、それ程手間をかけずに冬越しが出来るなどのメリットも有ります。
フトモモの種付けや水やり、肥料について
フトモモは比較的丈夫な植物であり、用土を選びませんが、鉢植えで栽培する場合などでは水はけを良くするなどの目的で、赤玉土小粒を7に対し、腐葉土を3の割合で配合して鉢植え用の用土を作ります。植え付けは4月から9月の中で行いますが、植え替えについても同時期に行えますが、
2年から3年に1度の割合で植え替えを行っておくと成長も良くなります。水やりは、植え付けを行った時や植え替えを行った時にはたっぷりと水を与えてあげて、それ以外は鉢の中の土の表面が乾燥してきた段階で水を与えてあげます。
また、果実が付いている時にはたっぷりと与えてあげることがコツであり、冬場以外の水やりは大切です。尚、冬場は若干乾燥気味にしておいても良いのですが、寒さにはそれほど強くはないので、日当たりが良い場所に置いておくことで、4月から8月にかけて花を咲かせ、果実を作り出します。
肥料については春から秋の成長期の中で与えてますが、窒素やリン酸、カリウムの栄養成分が同等に含まれているものや、リン酸の成分が多目になっている肥料を利用すると良いです。これ等の肥料を、置き肥で施してあげます。また、春先などの時期に有機質肥料を中心に施してあげると、
果実が甘くなるのでお勧めです。因みに、最近はフトモモが野生化している地域もあり、それほど手間をかけずに栽培は可能ですが、適度な肥料を施す事で花つきが良くなったり、果実の味も変わるので一定の管理を行う事がポイントとなります。
フトモモの増やし方や害虫について
6月から10月頃がフトモモの果物の収穫期となりますが、収穫を行った後は、上方向に長く伸びる枝について剪定を行っておく必要が有ります。枝は付け根部分から切り取り、重なっている古い枝、内側に向かっている枝なども切るなどの剪定を行います。
適度に剪定を行う事で、栄養が全体に行き渡るようになり、花付が良くなり多くの果実を収穫出来ますし、果実の味も良くなります。増やし方としては挿し木で行うのが良いとされています。4月から9月の期間の中で挿し木を利用する事で増やせますが、
挿し木用の枝は長さ5㎝から7cm程度の長さに切り、バーミキュライト、赤玉土小粒と言った用土に挿しておくことで、7年から8年ほどで収穫が可能な状態に成長します。フトモモは基本的には手間が少ないのが特徴ですが、適量の肥料を与える事や、用土の表面が乾燥している時には水を与え、
冬場は日当たりの良い場所に置いておくことで成長を促せます。また、フトモモは病気が特別ないので、何かを施すと言う事をする必要は有りませんが、枝が混雑してしまうと風通しが悪くなりますし、日照不足が起きると間延びしてしまうことになります。更に、このような状態になる時に発生するのがカイガラムシなのです。
カイガラムシは害虫の一つであり、フトモモの天敵とも言えますので、殺虫剤などを利用して防除すると同時に、カイガラムシが発生しないようにするためにも適度な剪定を行い風通しを良くしたり、日向に置いて日照不足を緩和させるなどの管理が大切です。
フトモモの歴史
フトモモと呼ばれる果実をご存知でしょうか。これは、フトモモ科の常緑高木であり、原産は東南アジアで、漢字で書くと「蒲桃」となると言いますが、これは中国名であり、読み方としては「プータオ」となります。中国から沖縄県に伝った際に、「フートー」になって、現在のフトモモと言う呼び名に転じたと言われています。
因みに、フトモモ科の植物と言うのは、世界に70属ほど存在しており、品種としては3000種にのぼると言れており、ユーカリやチョウジと言った有用植物も有りますし、果実を食べること出来る品種も数多く存在しています。熱帯や亜熱帯に分布しているのが特徴で、高温多湿の条件が生息地を決めていると言います。
また、日本国内において、温暖化の影響により路地などで生育する品種も増えていると言われています。花期は5月頃であり、直径3cmほどの白い花を咲かせ、花びらは白色であり、雄蕊が多くあるのが特徴です。また、果実は夏場に黄色に熟して、径4cmほどの大きさになりますが、
バラのような芳香があり、味は薄目ではあるのですが食用となります。尚、バラのような芳香が有る事からも、英語名ではローズアップルとも呼ばれています。沖縄県では中国から伝わり、栽培が行われていましたが、現在は栽培はあまりおこなわれておらず、
寧ろ、野生化しているものが多いとされます。ハワイ諸島やレユニオン島、ガラパゴス諸島、オーストラリア、中米の一部の地域において、野生化していることが問題になっていると言われているのです。
フトモモの特徴
フトモモは熱帯アジアが原産の植物であり、花は白色であり、多数の雄蕊を持ち、雄蕊は放射線状のように、細長い雄蕊を無数に放射しているような形をしているのが特徴で、高木もしくは低木の樹木で、葉は単葉で全縁であり、腺点を持ちますが托葉は有りません。
また、花は放射相称であり、その多くは両性となっています。花が咲くことで、バラに似た芳香が有るため、ジャム、ゼリーなどの香料として利用されているといいます。また、バラに似た芳香がする事からも、ローズアップルとも呼ばれています。
常緑の熱帯果樹であり、果実は食用も可能ですが、先ほど説明を行ったようにジャムやゼリーなどの加工品として利用されるケースが多くあり、中にはお酒の香りづけとして加工されてる事も有ります。開花は春先になりますが、株の状態が良ければ長期間開花を続けると言った特徴が有り、
果実は花が咲いた後に40日から60日ほどで収穫可能になります。尚、フトモモの果実には果汁が少ない事や、味が淡泊などの理由からも、果樹としての栽培はそれほど多くは有りません。但し、白い花が綺麗な事や、その花は放射線状の細長い雄蕊を放射する形が魅力的な事などの理由からも家の庭木などに利用される人が多いと言われています。
また、古くから世界の熱帯地方で広く栽培されている事や、沖縄県の中でも庭園樹として栽培している人も多いとされており、樹高としては1メートルから2メートルほどの低木であり、環境適応性が高く、熱帯地方を中心にして栽培もしくは野生化しているものが増えています。
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