スプレケリアの育て方
育てる環境について
スプレケリアは元々はアマリリスの仲間として分類されていた球根植物で、育て方のポイントなどはアマリリスに準じる事が出来ると言います。原産がメキシコやグアテマラなどの南アメリカであり、熱帯の気候の中で自生している植物と言う事からも、温暖な気候であり、日照が多く、乾燥した気候を好みます。
そのため、日本の中でも南の地域などでは庭植えも可能になりますが、霜の心配が在る地域などにおいては冬越しが難しくなりますので、秋になった時に球根を掘り起こして冷暗所で保存をしておいたり、鉢植えでの栽培がお勧めです。因みに、アマリリスの育て方に準じることが出来ると言いますが、
この植物はアマリリスと比較をすると性質は若干強めだと言われています。日当たりが良い場所で栽培するのがベストですが、真夏の時期は直射日光が当たらない、半日だけ日陰の場所を選ぶのが育て方のポイントの1つです。庭植えなどで行う場合は、
日よけを行うなどして直射日光を遮光してあげることで植物を弱らせることなく管理をしていけます。尚、真夏の強い日差しと言うのは、スプレケリアにとってダメージが大きく、弱らせてしまうので注意が必要です。その点、鉢植えでの栽培の場合は自由に移動させることが出来るため、
初めての人でも容易に育てることが可能になります。しかし、鉢植えでの栽培の場合は、用土に水はけが良い物を選ぶ事がコツで、有機質に富んだ土などを利用したり、赤玉土の小粒を6、腐葉土を3、川砂を1の割合で配合した用土や、市販の草花用培養土などと利用すると良いです。
種付けや水やり、肥料について
日当たりは好むものの、直射日光を嫌うため、夏場は日陰で管理をしてあげることがスプレケリアの育て方のポイントの一つです。また、水はけが良い環境を作り上げる事も生長に良い影響を与えることが出来ます。尚、球根を植え付ける時期は、
霜の心配が無くなる4月以降が良いとされており、タイミングを外してしまうと、土に植わっていないむき出しの球根より花の蕾が出て来るなどの状態になるので注意が必要です。庭植えで行う場合は、球根の底部分が地表から10センチほどの深さになるように植えてあげて、
複数の球根を植える場合は15cmほどの間隔で植えてあげると良いです。鉢植えで栽培をする場合は、直径が15cmほどの大きさの鉢を用意して、1つの鉢に対して1つの球根を目安にし、球根の首の部分が少しだけ地上に出ているように浅目に植え付けます。
また、植え付けを行う用土は有機質に富んだものを利用したり、草花の培養土を購入して利用しても良いですし、小粒の赤玉土を6、腐葉土を3、川砂を1の割合で混ぜたものを利用しても水はけが良い環境を作り出せます。水やりについては、土の表面が乾いた段階でたっぷりと与えるようにしますが、秋になると葉は黄色くなり枯れていきます。
この段階から水やりの回数を減らしていき、冬場は休眠状態に入るので水やりを行う必要が有りません。但し、冬場の気温が13度以上保てる場合などでは、葉は枯れずにそのままとなりますし、休眠状態にもならないため、春から秋に与える水よりも少なめの量で水を与えてあげます。
増やし方や害虫について
スプレケリアを植え付ける時にはゆっくりと効果を持つ粒上の肥料を土に混ぜておき、6月から9月の期間は追肥として1週間に1度ほど液体肥料を与えてあげます。尚、花が終わると果実が出来、その果実の中には光沢がある平らな黒色の種が沢山採れますが、この種を使って増やす事も可能です。
因みに、庭植えなどの場合は球根を毎年秋に堀り上げておいて、春までは冷暗所で保管をしておきますが、鉢植えの場合は3年に1度の割合で地中で増えた球根を分球する事も兼ねて植え替えを行う必要が有ります。そして、この分球をした球根を使えば増やす事が可能になるのです。
但し、スプレケリアは自然に分球をあまりしないのが特徴です。しかし、自然に分かれた球根を手で分けてあげて増やす事が出来ます。尚、分けた球根は小さいものは大き目の鉢などにまとめて植えてあげて、大きく生長したら1個毎に鉢に植えるなどしていけば、多くの花を咲かせることも可能になります。
因みに、スプレケリアの生長は比較的ゆっくりであり、子球が花の咲くほどのサイズになるまでには3年から4年ほどかかりますので、親球根をナイフなどを利用して切り分けて行う方法も有りますが、確実に成功するとも限らないためお勧めは出来ません。
尚、スプレケリアの病気と言うのは基本的には殆ど無いのですが、多肥や多湿による球根へのダメージが起きる事も有ります。また、害虫についてはアブラムシが蕾や新葉に発生する事も有りますが、見つけ次第殺虫剤などで防除するようにします。
スプレケリアの歴史
スプレケリアはメキシコやグアテマラなどを原産とする球根植物であり、生息地は熱帯アメリカになります。球根植物は、一つの球根から芽を出し茎を育て、そしてその先端などに花を咲かせる植物であり、多くの植物は複数の品種が在るのが特徴です。
しかし、スプレケリアに関しては、メキシコやグアテマラなどの地域に対して、1種類のみが分布するものであり、個体差や変異となるもののは存在すると言われていますが、現在はこれらの地域に生息する1種類のみと言う特徴があります。尚、交配種については、
アマリリスとの交配種として「ヒッペアスケリア」が在り、ハブランサスとの交配種として「スプレカンサス」と呼ばれる属間での雑種が栽培されています。この事からもスプレケリアは1属1種の球根植物であり、属名のスプレケリアと言うのは、
ドイツの弁護士スプレケルゼン氏の名前に由来していると言われています。因みに、この植物は以前はアマリリスと同じ仲間であるヒッペアストラム属に分類されていたのですが、現在ではこの属名からは離れて、スプレケリア属としての分類になっています。
しかしながら、どちらも近い仲間とも言われており、植物自体の性質、そして栽培や育て方などについてもアマリリスに準じているケースが多くあり、アマリリスの栽培を可能にする環境であれば、スプレケリアの栽培も可能になると言う特徴もあります。
尚、両者を掛け合わせて別の新しい品種を作り出す事も出来るとしており、先ほど説明を行ったアマリリスとの交配種となる「ヒッペアスケリア」であり、ヒッペアスケリアは「ヒッペアストラム」と「スプレケリア」の交配種になります。
スプレケリアの特徴
スプレケリアは別名「ツバメズイセン」と呼ばれる球根植物で、メキシコやグアテマラなどに1種のみが分布します。尚、多年草の植物であり、草丈は30㎝から40センチほど、花色は赤色で、開花時期は5月~6月になります。春に球根を植え付けると5月から6月の初夏となる時期に開花となります。
球根より平らな形をした花茎を20㎝ほど伸ばして行き、花茎の先端部分には花弁が6枚の赤い花を一輪だけ咲かせます。また、花が咲いた時の様子がツバメが飛んでいる姿に見える事からも、ツバメスイセンと言った和名が存在しているのです。
開花と同時に、球根からは細長い葉を5枚ほど伸ばし、秋になるとその葉は黄色くなって枯れますが、球根は冬の間は地中で休眠状態になります。尚、耐寒性は弱く、耐暑性は強いと言う特性を持ちますが、球根は冬場に地中に埋まった状態になるため、
寒冷地など霜の心配がある地域においては球根は秋以降に掘り起こして、暗い場所で保存をしておくと安心です。一般的には、背丈が30㎝から40㎝ほどの大きさになりますので、鉢植えでの栽培がお勧めです。花は1輪のみとなりますが、その花は大輪であり、
鮮やかな赤色は見る人の目を惹くなど、インパクトを持つ植物であり、花が咲き終わった後は、丸い果実が実り、果実の中には光沢を持つ平らな黒色の種が多数出来ます。また、この種を利用する事で増やす事も可能になりますが、種からですと開花までは4~5年かかると言われています。
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