クロモジの育て方

クロモジの育て方

クロモジは原産国が日本の植物になります。本州や四国、九州といった幅広い地域を生息地としている植物です。クロモジはその独特の香りが人気の植物です。クスノキ科の特徴である、枝を折ると、鼻に抜けるようなスッとした独特の良い香りがします。

育てる環境について

クロモジは半日陰を好む植物です。日当たりがあまり良すぎてしまうと乾燥してしまい逆に傷んでしまいます。その為、一日のうちで半日だけ日が当たり、半日は日陰になる様な場所で育てると良いでしょう。建物の東側などが適していますが、それほど環境に左右されない強い植物なのであまり神経質に栽培しなくても大丈夫です。

寒さに強い植物ですが、苗を植える際、暖かい地域で栽培された苗を使用し、寒い地域で育てようとした場合環境に合わずに寒さで枯れてしまう場合があります。その為、苗を植える際は出来るだけ地元で栽培された苗を使用すると良いでしょう。腐葉土の混ざった用土では良く育ちます。花を咲かせるまでは5年から6年と時間がかかってしまいます。

水は出来るだけ控え目にあげるようにしましょう。中級者向けの植物になりますが、初心者でもコツさえつかめばしっかり育てる事が出来るでしょう。植え付けをする場合は真夏のような暑い時期でなければいつでも植えて大丈夫です。また、あまり日当たりが良い場所で育ててしまうと葉が焼けてしまう場合があるので注意しましょう。強樹木なので根付きさえすれば比較的育てやすい植木になります。

あまり湿り気が多い場所や水はけが悪い場所で育ててしまうと根ぐされを起こしてしまうので避けるようにしましょう。どうしもその様な場所に植え込まなければいけない場合は、土壌の入れ替えを行うと良いでしょう。それと共に植え込み部分に土を足していき大きく盛り上げるようにしてください。こうすることで通気性を確保し、水はけの良い環境を作る事が出来ます。

種付けや水やり、肥料について

苗を植え付けする場合は真夏でなければ通年、いつでも失敗することはありません。土は水はけがよく、肥沃なものを好む傾向にありますがそれほど気にしなくても育てる事が出来ます。苗を植える際は、水はけがよくなるように、赤玉土や腐葉土を入れて、また土壌を肥沃にしてから植えると良く育ちます。

また、鉢植えで育てる場合は、ホームセンターなどで売られている花と野菜の土で植え付けをすると良いでしょう。また、大きく成長したクロモジを違う場所に移動させようとしても移植が難しくなってしまいます。移植すると翌年には幹の上から枯れてしまう場合があります。庭植えにした場合は、よほどの乾燥がない限りは水やりはしなくても大丈夫です。

自然の雨水などだけでも十分育てる事が出来ます。ただし夏の暑い日が何日間も続くような場合はたっぷり水をあげるようにしましょう。そうする事で枯れを防ぐ事が出来ます。肥料はそれほど必要としませんが、寒肥として1月から3月に緩効性の肥料をあげると良いでしょう。日陰を好む落葉低木で丈夫で扱いやすいのが特徴ですが、鉢植えすると管理もしやすくさらに育てやすくなります。

移植をする場合適している時期は11月から2月にかけてですが、植え込みは通年可能です。植木をする際は移動は落葉してからにすると良いでしょう。手入れもそれほどする必要がないので、自然のままでも大丈夫です。少し葉の量が増えてきたら、風通しを良くする程度で軽く切ってあげる程度でも十分です。

増やし方や害虫について

クロモジを増やす際は、挿し木で増やす事が出来ます。挿し木をする時期が6月から7月が良いでしょう。他に実生や取り木でも増やす事が出来ます。また害虫は特に注意するものはありませんが、まれにカイガラムシやうどんこ病が付着する場合があります。剪定する際、風通しを良くする事でこれらを防ぐ事が出来ます。

また、環境にもよりますが、害虫などに侵されてしまった場合は早めに消毒をするようにしましょう。もし害虫が心配であれば、予防として、オルトラン粒剤などを使用することで予防することが出来ます。ホームセンターなどでも簡単に入手することができます。また、根元付近に雑草があまり生えていると虫が入りやすくなってしまうので、お手入れをすると良いでしょう。

見た目もオシャレで、日本の庭に大変似合う植物になります。低木なので小さいお庭でも十分楽しむ事が出来るでしょう。ほのかに香る独特の香りがとても良い物です。乾燥だけ気をつければそれほど管理をしなくても十分育てる事が出来ます。見た目も青々としていてとても癒される植物です。

1本だけでも十分見応えがあるので、是非お庭などに植えてみましょう。枝を折ると豊かな香りがして、とても心地よい空間にしてくれる植物です。存在感があり、誰からも好かれる植物ではないでしょうか。昔から様々な用途に利用され、生活の一部となっていた植物です。育てやすく、また見た目も良いので是非苗から育ててみましょう。

クロモジの歴史

クロモジは原産国が日本の植物になります。本州や四国、九州といった幅広い地域を生息地としている植物です。クロモジはその独特の香りが人気の植物です。クスノキ科の特徴である、枝を折ると、鼻に抜けるようなスッとした独特の良い香りがします。気品ある香りが、春の小花と新緑の青々と茂った姿が大変美しい庭木です。

クロモジはその独特に気品溢れる香りから和菓子などに使用する高級楊枝としても人気があります。明治36年刊の”大日本有用樹木効用編”には、伊豆で香油を製して外国に輸出したとあります。このクロモジという植物の名前の由来は、小枝が平滑で黄緑色をしていますが、小枝に地衣類(ちいるい)の一種が付着して黒班(はん)がある為、

それがまるで何か字を書いたようにも見える為、この”黒文字(クロモジ)”という名前がついたと言われています。また、昔は、宮中に仕える女官が、クロモジの皮を残して先の方を砕いて歯ブラの代用として使用していたとも言われています。樹脂や枝からは良い香りがし、葉や種子からは香油も取る事が出来、また楊枝としても使用出来る優れた植物です。

また、その独特の香りを使用し昔は化粧品や石鹸などの香り付けにも利用されていました。他には生け花の材料としても使用されることもあり、東北や北陸地方では狩の獲物をクロモジの枝に刺し、神への供物として使用していました。その為、別名”鳥木”とも呼ばれています。クロモジの姿は葉が青々としてすがすがしく、香りもするので日本庭園にはもってこいの植物ではないでしょうか。

クロモジの特徴

クロモジの葉は互生ですが、枝先に集まっています。葉自体は、長楕円形をしておりで基部はくさび形をしている為先が尖がった形をしているのが特徴です。葉は緑色をしており、初めは両面に軟毛があります。薬草としても効果があり、関節痛やリウマチに効果がある為、民間療法として枝葉を浴槽に入れて入浴したりされています。

4月になると、葉が開くのと同時にと、小枝の節に花が咲きます。淡黄緑色の小さな花を多数付けますが、花を見る為の植物というよりは、どちらかというとその青々とした葉を楽しむ方が強いでしょう。高さは2mから5mくらいまで成長し、直径約10cmくらいの太さになります。樹皮は灰褐色でなめらかです。

若い枝は黄緑色をしており、黒い斑が入るのが特徴です。はじめ絹毛がありますが、次第に無毛になります。黄緑色の小さな花が集まって咲き、花柄には毛があります。花被片は通常6個、雄花の花被片は長さ約3mmの楕円形になっており、雌花の花被片は少し小さめになっています。花が咲いた後は落ちてしまいます。雄花の雄しべは9個です。

果実は液果です。直径約5mmの丸い形をしており、9月から10月頃の秋口に黒色に熟します。花が咲く時期は4月になり、その花が結実するのは秋になります。雌雄異株になるので、どちらか一本だけでは実は成りません。しかし、花よりもその葉や枝ぶりを楽しむ植物なので単体で植える人も多くなっています。育て方も比較的簡単なので、是非庭先なので育ててみましょう。

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