エゴポディウムの育て方
育てる環境について
エゴポディウムが一番良く成長する環境は、明るい半日かげで適度に湿気のある場所です。木陰やシェードガーデンなどはおすすめです。耐寒性が非常に強いので、冷涼地であればほとんど場所を選ばなくても生育してくれるので、育て方は簡単です。
一方、都市部に近い環境である場合は、夏の暑さや乾燥によって株自体が弱ってしまうことがあるので、明るい半日かげで湿度のある場所が良いです。日向では、夏の日差しの強い時期になると葉焼けを起こすこともあり、エゴポディウムの魅力であるきれいな班が見られなくなることもあります。
冬になると葉は全て枯れ落ちますが、芽吹きが良いので春になる次々と新芽が出てきます。日かげのない場所では、新芽が出てきたら葉を美しく保つために夏の間は日かげを人工的に作ってあげましょう。エゴポディウムの葉の大きさは、育てる環境によって差が出てきます。
生育に必要な適度の日当たり、水分、肥料の分量によって変わってきます。また、植え付ける用土は、一般の草花用培養土や赤玉土7:腐葉土3の配合土などを利用しましょう。肥沃で湿度のある土では、葉が大きくなり葉柄も長く伸びがちになりますが、
土に軽石や鹿沼土を多めに入れてあげると、水はけの良い土となり、葉は小さく丈も大きくならないため、ほとんど地面に張った状態で育ちます。環境や好みによって育て方を変えると、同じエゴポディウムでも違った種類のようになり、育てるのも楽しくなります。
種付けや水やり、肥料について
エゴポディウムの植え付けでは、特に決まった時期はなく一年中可能ですが、最適な時期は3月~5月と10月頃です。この頃に日光がある程度遮ることができる場所を選んで植え付けます。植え付けに使用する用土は、園芸店に販売されている草花用の培養土を使用すると簡単です。
また自分で配合する場合には、赤玉土7に対し腐葉土を3の割合で配合します。この時、植え付ける場所が庭の比較的狭い場所である場合は、軽石や鹿沼土を多めに入れて水はけの良い土に作り変えておくと、湿気を好むエゴポディウムの生育が落ち着くため、こうかてきです。
土が肥沃でなおかつ水分を多く含んでいると、成長はどんどん進みます。ほったらかしでもどんどんと生育していくエゴポディウムですが、植え付け時だけはきちんと管理することが大切です。この植物は根を広い範囲に伸ばして成長していくので、根がしっかりするまでは
水やりを欠かさないようにしましょう。肥料は、庭植えの場合はほとんど必要ありませんが、花を多く咲かせたい場合には、春と秋に暖効性の肥料を施すと良いでしょう。鉢植えで栽培する場合には、4月~10月頃までの月1回~2回程度液体肥料を、水やり代わりとして与えてあげます。
そうすることで、暖かくなると新芽が次々と出てきます。 葉を観賞できる時期は4月~10月までと約半年楽しむことができ、その中であまり咲くことのない花が咲く時期は6月の約1か月間のみです。その貴重な期間にたくさんの花を咲かせるよう、肥料の施し方も工夫してみるのも良いです。
増やし方や害虫について
エゴポディウムを増やすためには、株分けを行います。この植物は地下茎をぐんぐん伸ばして生育していくので、伸びすぎてしまった部分などを利用すると良いでしょう。株分けに最適な時期は、3月~5月と10月頃の梅雨が来る前の時期と、葉の観賞期が終わる頃です。
この時期に地下茎を切り分けて植えつけます。また、鉢植えの場合には、根が込み合ってきたらひとまわり大きいなものに鉢替えを行うと良いでしょう。この植物は植え替えを嫌うので、不要な部分を間引く程度にしておきましょう。こうした植物は、植え替えをしなくても良いように、
安易に植えつけるのではなく、しっかりを場所を選んで植え付けることが大切です。また、この植物はそふく性なので、植え替えをする必要はありません。病気や害虫は、ほとんど発生することがないのも、エゴポディウムの手軽の育てることができるメリットでもあります。
ただし、夏場の日差しが強い時期に葉焼けを起こすと、ケムシ類やアゲハ類の幼虫が付きやすくなることがあるので、注意が必要です。葉が密集して増えていくので、害虫が付くと一気に広がってしまいます。従って、害虫を見つけたら、殺虫剤などで速やかに除去しましょう。
防除の仕方は、セリやミツバ、ニンジンなどと同様の方法で対処できます。また、葉焼けや害虫によって傷んでしまった葉は、見た目にもきれいではないので、切り取ってしまいましょう。こうすることで、また新たに新しい葉が芽吹いてきます。
エゴポディウムの歴史
エゴポディウムは、古代ローマ時代にイングランドの修道士によって、北ヨーロッパに伝えられたのが初めといわえています。従って、原産はヨーロッパで、その後北アメリカにも帰化して生息地となった植物です。この植物は、セリ科・エゴポディウム属の耐寒性多年草です。
地下茎が地上に近い場所で広範囲にわたって広がっていくため、いくつかの地域では、作物の栄養を奪う厄介な雑草として扱われていたりもします。エゴポディウム属には5種類ほどの種類があり、園芸などに利用される種類は変種で、エゴポディウム・ポダグラリアという斑入り葉の品種です。
現在は、斑入り品種以外の品種はありませんが、葉の部分が黄色がかったものが選抜されはじめているので、今後新たに品種改良され新品種が登場してくるかもしれません。エゴポディウムの葉は、鮮やかなグリーンに白い班が入っていることでとても明るい印象を与えることから、
日かげのシェードガーデンのグランドカバーや、樹木などの株元のカバーに、またコンテナなどの寄せ植えに最適な植物です。セリ科に属している理由は、6月頃になるとセリに似た白く小さな花を咲かせるためです。葉の方はとてもシンプルなので、
他の草花を上手く引き立てる脇役的存在として重宝されています。また放っておいてもぐんぐんと成長していくため、手間が掛かからず手軽に栽培できます。和名はイワミツバと呼ばれ、春先の葉の柔らかい部分は食用にもなります。
エゴポディウムの特徴
エゴポディウムの野生種は緑葉で斑入りではありません。園芸用に品種改良されたものが斑入り品種となります。イワミツバとも呼ばれるだけあり、品種によっては食用や痛風・関節リウマチの治療にもこの植物が用いられます。春先の葉が柔らかい時期に収穫して食すると、ほうれん草に似ていて美味しいです。
園芸品種である斑入り種は、7つの小さな葉が集まって1つの葉を形成しており、生育の良いと長さ・幅共に20cm程まで大きくなります。そして葉柄は30cmにもなり、存在感を発揮します。葉に付く班の部分が広く、どの葉も不規則な形になりますが、
斑入りの性質は安定しているため必ず葉には班が入り、緑葉になることも斑入りから緑葉に戻ることもありません。エゴポディウムは、半日かげを好み、耐寒性は非常に強いです。日向でも生育しますが、日かげで育てたほうが葉をきれいに保つことができます。
また、ほふく性の植物なので、地下茎が地上に近い部分に張ります。その生育は非常に旺盛で、広い範囲にわたってどんどんと根を張っていきます。そのため、しばらく放っておくと地面が見えないくらいに葉が密集して茂ります。
これを利用して、樹木などのグランドカバーにしたり、暗くなりがちなシェードガーデンを明るい印象にするアクセントにも最適です。また、害虫などはほとんど発生しないので、管理もとても楽です。ただし植え替えは嫌うので、植える場所は慎重に選んだ方が良いでしょう。
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