ジンチョウゲの育て方

ジンチョウゲの育てる環境について
ジンチョウゲの育て方として、庭植えにする場合は、極端に暗い日陰や西日が当たる場所でなければ、どこでもよく育ちます。ただし日陰では花が咲きにくいので、西日の当たらない半日陰の場所を選び植えつけます。水はけが良ければ土質も問わず育ってくれるので、水はけにだけ注意して植えます。
特に有機質に富んだ弱酸性の土壌が向いています。またジンチョウゲは鉢植えにすることもできます。ある程度の耐寒性を持っていますが、冬の霜や冷風で葉が傷むことがあるので、冬の鉢植えは風の当たらない場所に置くようにします。鉢植えにする場合、
根が切れてしまうと株ごと枯れることが多いので、植え替えしないことを前提に栽培します。小粒や中粒の赤玉土や腐葉土を混ぜた配合土を使うと、水はけや水もちがよくベターです。日常の手入れとしては、さまざまな剪定が挙げられます。ジンチョウゲは基本的に、
細かく分かれた枝が自然に丸くまとまっていきながら成長してくれるので、形を整えるための選定はほとんど必要ありません。しかし株元の方が混み合っていたら余分な枝を切り落とし、風通しをよくします。風通しがよくなると株元にも日光がよく当たり、、病害虫の発生も抑えられ充実した成長が見られます。
次の年に開花する花芽は6月から7月にかけて形成されるので剪定作業は花が咲き終わった頃にするとよいでしょう。また、中途な位置で切ってしまうと不自然な見た目になるだけでなく、新たに芽を吹いたときに不自然な樹形になってしまいますので、剪定する際には枝分かれの付け根で切るようにします。
種付けや水やり、肥料について
地植えにしたジンチョウゲは、根付くと特に水を与える必要はなく、自然の降雨だけで充分育ってくれます。しかし真夏など極度に日照りが強く、水分が不足しているような場合には、乾燥を防ぐため水やりを行いましょう。また、新芽が成長する春も乾燥しないよう注意します。
鉢植えでは土の表面が乾いている様子が見られたら、たっぷりと水やりをします。肥料は春の新芽の成長をしっかりと促すため、花後の4月頃と株が充実している9月頃に、緩効性化成肥料を株元に与えます。また1月~2月に有機質肥料を追加するのもおすすめです。
肥料をやるとカビが生えやすいので、株元を掘り土に埋めるようにします。ジンチョウゲは根が柔らかく傷がつくとふさがりにくい性質があります。また水分や根を吸収するための細根が出にくく、根を乱雑に扱って傷がついてしまうと、なかなか根付かなくなってしまいます。
特に大株は扱いにくく、最悪の場合には枯れてしまうこともあります。そのため基本的には植え替えや移植は行わない植物です。若い小株に関しては比較的根付きやすいので、もし植え替えを行うなら小株です。適した時期は、花が終わった後から新芽が伸びる前の春と、
株が充実している秋です。根を切らないように注意して、根の周りについた土を軽く落として丁寧に鉢や庭に植えつけます。病気などが連鎖しないよう、移植するときには必ず新しい用土を使うようにします。また同じ場所には植えないようにします。
増やし方や害虫について
日本で見られるジンチョウゲはほとんどが雄株で結実しないので、増やしたい場合には挿し木で増やします。挿し木の適期は4月の春ざしと、7月~8月の夏ざしです。春に行う場合には前年に伸びた枝を利用し、夏に行う場合にはその年に伸びた枝を利用することができます。
枝を15cmくらいに切り取って湿らした赤玉土に挿し、根が出てくるまで湿り気を保ちつつ管理します。根が出てきたら1本ずつ鉢に植え替えて育てます。地植えしたい場合は、それを翌年に植え付けます。ジンチョウゲはある日突然枯れてしまうことがあるので、
挿し木で株を保存しておくのもおすすめです。植物には病気や病害虫がつきものですが、ジンチョウゲを育てる際に気を付けなければならない病気は、白紋羽病とウイルス病です。白紋羽病にかかってしまうと、根に菌がついて茶色く褐変し、葉がちぢれたり黄化して枯死していきます。
またウイルス病の場合は、症状を発見したときにはすでに進行した状態で、回復できないことが多いので、症状が見られる部分を剪定して、原因を断ってしまうことで病気の連鎖を予防しましょう。ジンチョウゲには甚大な被害をもたらすような病害虫はいませんが、
アブラムシやハマキムシには注意が必要です。これらの病害虫は特に春から夏にかけて発生します。アブラムシは新芽を萎縮させるほか、ウイルス病を媒介することがあります。そしてハマキムシは葉を食べ散らかしてしまいます。発見した場合は薬剤を散布してすぐ駆除します。
ジンチョウゲの歴史
ジンチョウゲは、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の植物で、漢字では沈丁花と書きます。学名はDaphne odoraで、Daphneはギリシャ神話の女神の名であり、月桂樹のギリシャ名でもあります。odoraは芳香のあるという意味です。中国ではその芳香から瑞香と呼ばれています。
原産は中国中部から雲南省、ヒマラヤの地域となっており、日本でも室町時代の頃にはすでに渡来し栽培されていた、昔からなじみのある植物のひとつです。2月末から3月にかけての早春に花を咲かせることから、和歌や俳句の世界では、春の季語としてよく歌われます。
ジンチョウゲという名前は、フトモモ科の丁子(クローブ)のような花をつける木であることや、沈香のようなかぐわしい香りを持っているところから名付けられました。花言葉は「栄光」や「歓楽」、「永遠」、「不死」、「不滅」などがあります。
3月23日の誕生花であり、花言葉は「優しさ、おとなしさ」となっています。ジンチョウゲの園芸品種には、がくの外側が白くなるものや淡い紅色になるもの、葉に黄色い縁取りが入るものなどがあります。1つ1つの花は微妙な違いが多いですが、株全体では雰囲気がかなり異なる印象です。
ジンチョウゲの最大の魅力はやはりその香りです。寒さが解けてきた早春の、春を告げるような優しい香りが人気で、その香りを楽しむために植えたり生垣に仕立てたりする愛好家が多くなっています。成長の遅い木で、その寿命は約30年。突然枯れてしまうので、ある程度年数がたったら挿し木で残しておくのがよいとされます。
ジンチョウゲの特徴
ジンチョウゲは外側が紅紫色、内側が白色の肉厚な形をしています。小さな花が球状にまとまって咲きます。常緑の濃緑の葉とのコントラストが美しく、また上品で甘く優しい香りがすることでも知られています。ジンチョウゲは花びらを持たず、花びらに見える十字型の部分はがくです。
葉は先端の尖った長い楕円形で、表面に光沢があり、月桂樹に似たような雰囲気で、花を囲むように放射状に付いています。樹高は1m程度の低木で、赤く丸い果実をつけますが、果実には有毒性があるので注意が必要です。一方花の煎じ汁は古くから民間薬として使われており、
歯痛や口内炎などに効果があるとされています。日本で栽培されるジンチョウゲはほとんど結実しません。なぜならそのほとんどが雄株で、雌株はあまり見られないからです。雄株と雌株は見た目で判断するのは難しいほどよく似ています。
耐寒性としては-5度くらいの環境まで耐えられるので、東北地方南部の平地より南側の地域が生息地となります。それらの地域では屋外に庭植えすることがで可能です。しかし1度植えると移植が難しい植物でもあるので、植える場所はよく選定してから植えつけるようにします。
ジンチョウゲは根が地中深くに伸びず、極端な乾燥は得意ではありません。そのため新芽が成長する春や、日照りが強まる夏には特に乾燥しないよう注意し、乾いたら十分に水やりをします。そのほかの季節はあまり水やりに気を配る必要はありません。
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