ダイアンサスの育て方
ダイアンサスの育て方
①ダイアンサスは高温多湿を嫌い、肥料を好む常緑性植物です。育て方のポイントとして、土作りをする際は土に山砂や鹿沼土などを混ぜて、水はけの良い土壌を作ってから栽培すると、元気に育ちます。水はけさえ確保できれば、花つきも良く大変丈夫な植物です。
②水はけの良い土を作り終えたら、緩効性の粒状肥料を混ぜておきます。また、成長期や開花期になったら、1ヶ月に3回程度を目安に、液体肥料も与えてあげると花つきが良くなります。
③種まきは猛暑日を避け、春か秋に行います。場所は、日当たり・水はけ・風通しの良い場所を選びますが、一日中日差しが照りつけるような場所は避けて、半日程度は日陰になる場所を確保してください。
④四季咲きのダイアンサスは発芽率が良いので、初心者でも育苗・栽培しやすくオススメです。ポリポットに種をまき、本葉が3~4枚になってから定植しましょう。一季咲きの品種はやや発芽率が悪いので、種をまく前に半日から一晩程度、水につけておくと発芽しやすくなります。
⑤水やりは、土の表面が乾いたら、たっぷりと与えてください。寒さや乾燥に強い植物ですが、生育期や開花期の栽培には十分な水分が必要です。この時期の水やりが不十分な場合、下の葉が枯れてしまいますので注意してください。逆に、休眠期となる冬場の水やりは、控えめにしましょう。
⑥高温多湿になる夏を乗り越えるために、梅雨の時期になったら切り戻しを行います。草丈が高い品種は、15cm程度を目安にして切り戻してください。草丈が短い品種は、半分程度の高さに切り戻します。いずれの品種も、葉が多く茂っている部分を残して切り戻しましょう。葉が少なすぎると、光合成が不十分になって枯れてしまうことがありますので、注意が必要です。切り戻した後に新しい芽が芽吹いてきたら、切り戻し成功です。
⑦真夏の強すぎる日差しや湿気に弱いため、セキチクやヒゲナデシコのように、多年草種でも一年草扱いになることがあります。栽培にあたり、庭に種をまいた場合は、遮光してあげると良いでしょう。鉢に種をまいた場合は、半日陰になる場所で栽培してください。
ダイアンサスの種付け
①ダイアンサスは、非常に種がつきやすい植物です。「種付け、種付け・・・」と種付けに気を配らなくても、たくさんの種がついてしまいます。育て方のポイントとして、しおれた花から順に、こまめに花がらを取り除いてください。そのまま放置すると、種がつきすぎて株が弱りやすくなります。
②更に、ついた種を収穫して翌期にまいたとしても、親と異なる花が咲くことがあります。咲かせたい花が決まっている場合は、品種がはっきりしている市販の種をまき直したほうが確実でしょう。
③花が終わりかける頃になったら、再び切り戻しを行います。草丈が高い品種は、花がしおれ始めた順に、株元近くで切り戻してください。草丈が短い品種は、花がしおれ始めたら、全体を半分程度の高さに切り戻しましょう。
④育て方のポイントとして、古い株になるほど花つきや生育が悪くなりますので、「種をまき直す」「新しい株を育てる」「根をほぐして植え直す」などの対策を講じるようにしてください。
⑤新しい株を育てる場合は、春か秋のどちらかで挿し芽を行います。花芽がついていない先端の若い芽を選んで切り、水に30分程度つけてください。挿し芽は、葉の表面から水分が蒸発しやすいので、葉の長さを半分に切り詰めます。培養土に挿す前に、根が生える切り口に植物成長調整剤をまぶしておくと良いでしょう。2週間程度で根が生え始め、1か月後には定植することができます。
⑥根をほぐして植え直す場合も、春か秋のどちらかで行ってください。細い根がぎっしりと詰まっていますので、手でやさしくほぐしてから、水はけの良い新しい混合土に植え直してあげましょう。根付くまでは、水をたっぷりと与えてください。
病害虫の対策
①灰色かび病・・・日当たり・水はけ・風通しの悪い状況下で栽培した場合、株元に灰色のかびが生える病気です。菌が繁殖した部分を取り除き、専用の薬剤を散布してください。また、梅雨の時期には切り戻しをして風通しを良くしたり、こまめに花がらを取り除いてあげたりすると、防ぐことができます。
②黒さび病・・・葉だけでなく、茎や花がらにも発生する細菌性の病気です。初めは下の方の葉に小さな褐色斑があらわる程度ですが、徐々に上の葉にも拡大して病斑が全体に広がってしまいます。灰色かび病と同様、梅雨の時期の切り戻しや花がらつみが不十分な場合に発生しやすくなりますので、手入れを怠らないように注意してください。
③アブラムシ・・・生育期を中心に、群がってつきやすい害虫です。見つけたら、殺虫殺菌剤を散布して退治しましょう。また、アブラムシの排泄物にはアリが集まって美観を損ねますので、休眠期が過ぎた頃に、株元へ専用の殺虫殺菌剤を予防散布しておくと良いでしょう。
ダイアンサスの歴史
ダイアンサスは、世界中に生息地が広がる常緑性植物です。品種によって、ヨーロッパ・アジア・北アメリカ・南アフリカなどが原産地となっています。日本では、学名のダイアンサスよりも、ナデシコといった方がなじみ深いでしょう。
母の日に贈られるカーネーション(15世紀頃のヨーロッパで原種栽培)もダイアンサスの仲間ですが、一般的にはカーネーションを除いたものを総じて、ダイアンサスと称されます。日本では、「撫でし子」の意を含めて女性や子供に例えられ、古く万葉集や枕草子の中でも詠まれている植物です。
また、源氏物語では、巻名に品種名のひとつである常夏(トコナツ)が使われています。古くから栽培されていたダイアンサスは、江戸時代の園芸ブームを機に種間交配が進み、多くの園芸品種が育成されました。一口にダイアンサスといっても、現在その品種は300種にものぼります。
<主な原産地と品種>
ヨーロッパ・・・タツタナデシコ、ヒメナデシコ、シレネコロラタ
日本・・・カワラナデシコ(秋の七草のひとつ)、ヒメハマナデシコ、シナノナデシコ、ハマナデシコ
中国・・・セキチク(石竹:別名トウガラシ)
北アメリカ・・・ヒゲナデシコ(別名ビジョナデシコ)
ダイアンサスの特徴
属性は、ナデシコ科ナデシコ属、常緑多年草・秋まき一年草に分類されています。草丈15~60cmに成長し、品種が豊富で、花色は赤・白・桃色・黄色などの単色から複色まで様々あるのが特徴です。大別すると、主に春と秋に開花する「四季咲き」の品種と、主に初夏に花を咲かせる「一季咲き」の品種が出回っています。
<四季咲きの品種>
トコナツ、テルスター、ハマナデシコ、アムールナデシコなど
<一季咲きの品種>
タツタナデシコ、セキチク(多年草種・一年草扱い)、ヒゲナデシコ(多年草種・一年草扱い)など
いずれの品種も、細い根がびっしりと張って成長するため、根詰まりしやすいのが特徴です。古い株になるほど、生育が衰えてしまいます。対策としては、「数年ごとに種をまき直す」「挿し芽をして新しい株を育てる」「春か秋に根をほぐして植え直す」などがあります。
花言葉は、品種の多さゆえに多数あり、純愛・無邪気・思慕・お見舞いなどが代表的です。花の色によっては、赤は野心、白は才能など、品種によっては、カワラナデシコ(別名ヤマトナデシコ)の可憐・貞節などもあります。また、5月29日の誕生花とされています。
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