タチバナモドキの育て方
育てる環境について
育て方は、まず路地植えについてです。基本的には暑さにも寒さにも強い品種ではありますが、東北北部から北は越冬するのが難しいため路地植えには適していません。それ以外の地域ならば、十分に路地上で育てることが可能です。そして、重要視するべきは日当たりとなります。日本で野生化している場所は、河川敷や野原といったところで見かけるのも日当たりが良いためです。
ただし日陰でも十分に育つ植物ですが、日照時間が少ないとほとんど花を咲かせません。その一方で日光を求めるためか、四方に枝を伸ばそうとするため管理がしにくくなってしまいます。花が少なければ必然的に成る実も少なくなってしまいます。タチバナモドキを育てる上で最大のメリットがその花と実であるため、やはりたくさんの花・実を成らすように心がけるべきです。
そして、用土のほうは水はけの良い土がベストとなります。酸性土壌・アルカリ性土壌といった土質はほとんど選ばずに栽培することができます。もしも、粘土質の場所に植えようとするならば、腐葉土を混ぜて耕すと水はけが良くなります。また鉢植えでも育てることが可能です。この場合は、路地植えと違って室内にも移動させることができるため、
北海道や東北でも育てることが可能となります。そして、日当たりは季節によって適した場所に移してあげるといいです。室内でも窓際ならば十分に果実が出来ます。そして鉢植えの用土は赤玉土7:腐葉土3の割合のものを使用するとベストとなります。
種付けや水やり、肥料について
水やりは、路地植えの場合は植えたとき根付くまでしっかりと水をやる必要があります。期間としては約2週間です。そして、一度根付いてしまえばほとんど水やりする必要はありません。もしも雨不足になったときは土を湿らせる程度に水をやります。一方、鉢植えの場合は土の表面が乾いてきたら水をあげるようにします。
特に5~6月の開花時期に水不足になると、その年は結実する数が大幅に減ってしまいます。どちらも水を与えすぎても問題にはなりません。肥料に関しては、路地植えの場合はほとんど与える必要がありません。万が一木に元気がないようならば冬に油かす8:骨粉2の割合に混ぜたものを適量撒きます。一方、鉢植えの場合は3~4月、6~7月、8~9月と年に3回肥料を撒きます。
肥料は市販されている化成肥料で十分です。路地植えにしろ、鉢植えにしろ肥料の与えすぎは禁物です。もしも肥料を与えすぎると枝を伸ばしていきます。徒長枝にエネルギーを消費されてしまい、開花や結実の数が激減してしまいます。与える肥料の量は一般の園芸品種に比べて3分の1から半分程度で十分だと言われています。
そして、植え替え・植え付けをするときは春3~4月、秋9~11月が最適です。特に鉢植えは鉢に根詰まりしてきたら植え替えをする必要があります。水はけを悪くする原因となって育ちにくくなるからです。再度、鉢に植え替えるときは、別の大きめな鉢に根を切り詰めてから行うと良いです。
増やし方や害虫について
タチバナモドキは非常に手間をかけなくても育ってくれる植物です。しかし、手をかければより一層綺麗に花を実を観賞できるようになります。そこで必要なのが剪定です。剪定をしなければ、枝が四方に伸び放題になってしまうため、不恰好になってしまいます。まず剪定する時期は6月から9月頃がベストです。基本的に勢いよく伸ばしている枝に花は咲きません。
その一方で棘がある枝には花を咲かせます。そのため、伸びている枝を切り戻すのが基本です。また伸ばしたくない方向の枝も剪定しておくことが大切です。特に生垣として植えている場合は、通行人の邪魔にならないよう道側の枝は剪定するべきです。そして、増やすときは挿し木をするのが一般的です。非常に簡単で剪定で出た枝を10~15cmほどに切り取り、土に挿すだけです。
一般的には若い枝を使いますが、タチバナモドキは太い枝でも十分に根を出します。育て方が簡単なタチバナモドキですが、害虫には注意が必要です。春にはアブラムシが、初夏から秋にかけてはハマキムシが発生しやすいです。アブラムシ対策としてはアブラムシ類の駆除剤を使うと効果的です。
一方、ハマキムシは幼虫を見つけたら被害葉ごと取り除く必要があります。また巻かれた葉のなかで越冬するため、それを見かけたときも駆除します。駆除剤を使うのも効果的で、上記したアブラムシ類の駆除剤でも十分に効果があります。そのため、駆除剤は少なくて済みます。
タチバナモドキの歴史
タチバナモドキはバラ科トキワサンザシ属の常緑低木です。名前の由来は橘(タチバナ)を同じ橙色をしていることから橘もどきとなりました。この名前では馴染みのない人でもピラカンサという名前ならば聞いたことがあるかもしれません。ピラカンサとはトキワサンザシ属の英名です。
似たような植物にトキワサンザシとカンデマリとこのタチバナモドキがあり、日本では3種類が多く自生しているため、総称してミラカンサと呼ばれています。それぞれ原産地が違っており、タチバナモドキ中国西南部、トキワサンザシは南ヨーロッパからアジア西部、カンデマリは中国西部からヒマラヤ地方です。
タチバナモドキは明治時代になってから中国から観賞用として渡ってきました。鳥が実を食べることで生息地の範囲を広げていくため、日本全国で自生するようになりました。そのため、今では昔から日本に生えている植物だと勘違いしている人も少なくありません。人間はその実を食べることがありませんが、鳥寄せにも使えますし、
実自体も橙色の小さな実がたくさんなるため観賞用に適しています。さらに、白くて小さな花もたくさん咲かせます。鳥・実・花と3種類の観賞スタイルが出来るため、日本でもガーデニングなどで植えている家庭は少なくありません。高さも2~4mほどになるため、ちょうど適しているため生垣として使っているところもあります。また非常に育てやすいのも人気の理由の一つとなっています。
タチバナモドキの特徴
タチバナモドキは秋になると橙色の美しい果実がたわわに実るのが特徴となります。すでに述べたように、トキワサンザシとカンデマリと非常に似ているため一目見ただけで区別することは難しいです。しかし、いくつか見分けるポイントがあります。1つはトキワサンザシとカンデマリは赤い実をつけますが、これは橙色です。
そして、葉っぱの裏にはフェルト状の細かな毛が生えていますが、他の2つにはありません。特に葉っぱは一年中あり毛の有無を調べるだけなので、見分けるポイントとしては一番わかりやすいかもしれません。ピラカンサと総称される植物はとにかくたくさんの実をつけるのが特徴です。それは鳥や小動物に食べさせて種を遠くまで運んでもらうためです。
赤色や橙色と目立つ色をしているのも、鳥に発見しやすくするためだと言われています。一つ一つは小さくて軽い実ですが一つの枝に数百個もの実がなります。一つの枝にかかる重量が重いため、折れてしまうこともあります。木全体が橙色に染まるため、非常に壮観です。果実であるため日持ちするため、観賞期間は10月から翌年の3月までと長い期間楽しめるのも特徴の一つです。
当然、実も多いということは花も多いです。開花時期は5~6月であり、その時期は冬と一変して木全体が真っ白に染まります。原産地は中国ですが、日本でも野生化するほど気候的にも非常に育てやすいです。ただし、鋭い棘があるのも特徴的です。剪定などの作業をするときは厚手の手袋を嵌めてから行うように心がけたほうがいいです。
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