ギンヨウアカシアの育て方
ギンヨウアカシアの育て方
より多くの花を咲かせるようなギンヨウアカシアの育て方にはいくつかコツがあります。ギンヨウアカシアにはやせた土地でもよく育つという特徴があり、土質はあまり選びません。野生の環境下では乾燥地に生えることが多いです。
関東より西の温暖な地域では地植えで育てることができ、寒さにはあまり強くないことから寒冷地での露地栽培には向いていないといえます。ギンヨウアカシアは葉の色と花の色の対比が美しいため、たくさんの花を咲かせるためにも充分に日光を浴びることのできる場所を選ぶ必要があります。
日当たりと水はけが良い場所を選んで植えつけましょう。背が高くなり、幹がしなりやすいことから強風にさらされるような場所では注意が必要です。マメ科の植物は大きくなってからの移植に弱いという性質があります。丈夫に育てるためには植え場所をよく考えてから植えつけの作業を行いましょう。
植えつけに適した季節は11月もしくは3月頃です。根鉢の二倍の深さと幅の穴を掘って、掘り出した土に腐葉土と元肥を混ぜてから植えつけます。根鉢の周囲にたっぷりと水を注いで、根と土をなじませましょう。苗木や若木の頃は倒れやすいため、添え木や支柱を使うと安心です。
根付いてからは、地植えの場合には水やりは必要ありませんが、夏場の高温で乾燥しすぎるような場合には朝か夕方にたっぷりと水を与えるようにしましょう。様子を見て4月頃に緩効性肥料や油かすなどの肥料を与えます。
マメ科の植物は根に住んでいる根粒菌が必要なチッソ分を作り出すため肥料は必ずしも必要というわけではありませんが、葉色が悪いときなどは与えてもよいでしょう。ギンヨウアカシアは鉢植えでも育てることが可能な花木です。
鉢植えで育てる場合の水やりは表面の土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与える与え方が基本となります。夏場などの気温が高く土が乾きやすい季節は土の表面が乾いたらたっぷり与えましょう。冬場は生育が緩慢になり、水分をあまり必要としません。
夏場と同じような頻度で水を与えると根腐れを起こしてしまうため、土の表面が白っぽく完全に乾いてから与えるようにしましょう。鉢で育てるという場合には適宜植え替えが必要です。
鉢の底から根があふれているような場合や水やりの際に土に水がしみこみにくくなってきた場合は、植え替えが必要なサインです。移植が苦手な性質を持っているため、根を崩さずにできるだけ丁寧に素早く植え替えます。植え替えに適した季節は4月から5月頃です。
栽培中に注意したいこと
成長が早いために、長く伸びた弱い枝が強風で折れてしまうことがあります。まだ若い苗木のうちは枝数を増やして丈夫で整った姿を作ることから始めましょう。苗木を入手したら、幹から出ている枝をすべて20cm程度の長さになるようにそろえます。翌年には前年に剪定した枝から新たな枝が何本か伸びているはずです。
伸びすぎている枝は再び20cm程度まで切り詰めます。育て始めて三年ほどたつころには、長く伸びた枝や込み入っている部分を切ります。剪定は基本的に長く伸びすぎた枝を切り詰めることに集中しましょう。この作業を行うことで、強風が吹いても倒れにくい木に成長させることができます。
花芽は8月から9月にかけて作られるため、剪定は遅くても7月までに済ませるスケジュールで行うと安心です。病気や虫には強く、丈夫で育てやすい木ですがまれにテッポウムシが入り込むことがあります。
テッポウムシは幹の中に入り込んで内部を食い荒らし、植物を弱らせてしまいます。根本に木くずのようなものがまきちらされていたら被害を疑いましょう。テッポウムシが開けた穴から針金を差し込んで刺殺するか、専用の薬剤を使用して駆除しましょう。
ギンヨウアカシアの増やし方
種付けで増やすことができます。秋ごろに、熟して茶色くなった莢の中から種子を取り出して小粒の赤玉土や、たねまき用の用土にすぐにまきます。すぐにまけない場合は、乾燥しないように保管して3月頃にまいてもいいでしょう。
乾燥させると発芽率が悪くなってしまうため、すぐに種をまくことができない場合はビニール袋などに入れて冷暗所で保管することをおすすめします。発芽率を上げたいという場合には、採取した種子を80度程度のお湯につけ、そのまま水になるまでつけ1日程度おいてからまく方法があります。
ギンヨウアカシアの種子の皮は固いため、湯や水でふやかして皮を柔らかくすることで発芽率が上がる可能性があるためです。他にも皮の表面に傷をつける方法があります。発芽するために必要な気温は20度から25度程度で、温かい季節なら植えてから1週間から3週間程度で発芽します。
本葉が出るまでは乾かさないように管理する必要があります。苗が大きくなったらビニールポットなどに植え替えて管理し、充分な大きさになったら庭などに植えつけましょう。
ギンヨウアカシアの歴史
ギンヨウアカシアの原産地はオーストラリアで、南半球の熱帯や亜熱帯を主な生息地としています。ハナアカシア、ミモザ、ミモザアカシアという別名を持っています。ミモザは本来はオジギソウをさす学名です。日本に渡来したのは明治時代だといわれています。
春になると枝いっぱいに明るい黄色の花を咲かせる、人気の高い花木です。まるで木全体が黄色く染まっているかのような姿は圧巻で、人の心を動かします。日本では古くから庭園や街路樹などに利用されたりしています。
料理やお菓子作りなどの分野で、アカシアの花をイメージした鮮やかな黄色いトッピングのことをミモザと呼ぶことがあり、くだいたゆで卵をトッピングとして利用したサラダは、ミモザサラダと呼ばれています。
他にもシャンパンとオレンジジュースをベースにしたミモザというカクテルが存在しています。それだけギンヨウアカシア、あるいはミモザの明るい黄色をした花が美しく、人々の心をひきつけるということでしょう。
ギンヨウアカシアの特徴
春になればたくさんの草花が咲き乱れ、道を歩いているだけでうきうきとした気持ちになりますが、多くの花木の中でもひときわ存在感があるのがギンヨウアカシアです。ギンヨウアカシアはマメ科のネムノキ亜科の常緑高木です。他にマメ科の植物の仲間にはスイトピー、ネムノキ、フジなどがあります。
マメ科というつ蔓性の植物を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、ギンヨウアカシアは花後、莢の中に種子を有する豆果ができることから、れっきとしたマメ科の植物として分類できます。銀色がかった緑色をした葉は観賞価値が高く、可愛らしい黄色い花が特徴的です。
花は非常に小さく1センチ程度の花が球状の塊になって房のようにつきます。非常に成長が早いという特徴があり、環境によって異なりますが約10メートルもの大きさに育ちます。幹は柔らかい性質があるためしなりやすく花をたくさんつけた枝が地面に届きそうなほど大きくしなることがあります。
ミモザとして知られていることが多いギンヨウアカシアですが、実はミモザとして流通している種類はギンヨウアカシアとは別の種類でフサアカシアといいます。ギンヨウアカシアとフサアカシアの大きな違いは葉で、フサアカシアの方が大型の葉をしています。
ギンヨウアカシアの仲間には他に、新葉が紫色になる品種プルプレア、高さが2メートルから3メートルと比較的小型で狭い場所での栽培に向いているサンカクバアカシア、温暖な場所だけでなく寒冷地でも栽培可能なニセアカシアなどがあります。
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