トロロアオイの育て方
育てる環境について
トロロアオイの生息地は温帯です。他の植物と比べてもとても適応能力が高い植物となっているので、温帯と呼ばれる地域であればどこでも栽培する事が可能です。育て方もそれ程難しくはないので、初心者でも十分育てる事が可能な植物です。育てる環境として適しているのは、排水が良い土壌です。畑の中には粘土質の土の場合がありますが、そういう時には注意が必要となっています。
出来るだけ排水に気を付けて栽培すれば、大きな失敗はありません。乾燥には比較的強い植物なので、それ程頻繁に水やりをしなければいけないと言う訳ではありません。日本の真夏はかなり暑い日が続きますが、そのような環境となったとしても育て続ける事は可能です。ただ反対に水分が多すぎる状態が続くと、品質が劣化してしまったり病気になってしまう事が有ります。
雨が続く時期、プランターで育てている時等は注意が必要です。また水のやりすぎにも注意しなければいけません。植物の中には連作を気にする必要が無いと言う物もありますが、トロロアオイに関してはそうではありません。連作してしまうと生育がとても悪くなってしまう事が多々あります。
畑で育てる場合は植える場所を変える事、プランターで育てる場合も中の土を変える様にしましょう。そうすれば生育が悪くなってしまう事はありません。ただ1回育てるとずっとその場所では育てられないと言う訳でもありません。1年おきの輪作にすれば、上手に育てる事が可能です。
種付けや水やり、肥料について
日光が当たる環境を好むトロロアオイは、基本的に水はけの良い土壌に種を植える事になります。種をまく時期は大体4月から5月の頃です。ただ4月頃は地域によってはまだまだ寒い日が続いてしまう事が有るので、陽気を良く見て植える必要があります。寒さには弱い事が多々あるので、もし寒い時期に種をまきたいと思ったら室内苗床を用意してまく事になります。
決して外で育てようとしてはいけません。屋外で育てる場合は、大体最高気温が20度以上の日が続くゴールデンウィーク明け位の方が無難です。種まきをする時は、一昼夜水に付けておく事が重要です。これによって種皮が柔らかくなり、発芽率が向上します。水やりに関しては、生育の状態によって変える必要があります。
基本的に乾燥を好む植物なので、地面に植えてからは乾燥気味にしておく事がポイントです。早く育てようとして沢山水やりをする方が良くありません。反対に苗の時は沢山の水を必要とします。なるべく乾燥させないようにして水やりをする事が重要です。トロロアオイを育てる時は肥料を当てる必要があります。
花は肥料をどれだけ与えたかによって収穫できる量が変わってくるので注意が必要です。ただ与えすぎは良くありません。植物自体が成長する時期、さらに花を咲かせる時期などに様子を見ながら調整しつつ肥料を与える事が重要です。肥料がなくても栽培はできますが、固形肥料を置肥する事によってより良く成長する様になります。
増やし方や害虫について
トロロアオイは一年草です。そのため、株分けなどをして増やす事はしません。基本的には種を植えて苗を作り、それを地面に植えると言う形になります。種は果実をそのまま放置しておけば収穫する事が出来ます。ただ実際に放置しておくと次第にさやが茶色く変色して行き、そのまま割れて中の種が外に出てしまいます。
それを避ける為にもある程度果実の色が変色して乾燥してきたら、そのまま収穫してしまうようにします。そうすれば知らない間に割れて種が外に飛び出てしまうと言う事を防ぐ事が出来ます。害虫に関しては、その都度駆除していく事が重要です。まず苗の時期はネキリムシの幼虫に根を食べられてしまう事が有ります。
なかなか成長しない、枯れてきてしまったという時等はもしかしたらネキリムシが土の中にいるかもしれません。ポットで育てている時等は一度苗をそこから出してみて、土の中を見てみる事が重要です。土の浅い所にいるので、簡単に発見する事が出来ます。薬剤を使えば簡単に駆除できますが、まずは一つずつ取り除く方が手早く有効です。
また成長してくると葉を食べられてしまう事が多々あります。掌状になっている葉に穴が空きだしたら注意が必要です。葉を食べられたからと言ってそれ程生育に影響を与える事はありませんが、見た目的にも良くありません。この場合も薬剤を散布したり、その都度葉を食べている虫を見つけて除去する事が必要です。そうすれば害虫被害には遭いにくくなります。
トロロアオイの歴史
トロロアオイは花オクラとも呼ばれるアオイ科の植物の事です。見た目はハイビスカスみたいなとても美しい花を咲かせます。この花はオクラの花の2倍以上も有るとても大きな花です。原産地は中国で、昔から使用されてきました。今は産地直送の野菜などを取り扱うお店等でも見る事が出来る植物となりました。
昔は根から出てくる粘液(ネリ)がとてもとろとろとしているので、和紙をすく時等に使われました。これを利用する事によって、繊維を綺麗に分散する事が出来ます。またかまぼこやそばのつなぎとして利用したりもしました。さらに咽頭炎や胃腸炎などに効果が期待できる漢方薬としても重宝されていた植物です。
ただ、根の部分はネリを利用するので重宝がられていましたが、花の部分は利用方法がないと思われていました。しかし今はそうではなく、花を食用として利用する事も増えてきています。例えば簡単に湯がいて三杯酢で食べたり、生のままサラダにして利用したりと言う形です。根は手すき和紙やかまぼこなどに利用し、花は食用とする、これが今のトロロアオイの姿です。
ただ花自体は1日でしぼんでしまう為、スーパーマーケット等での扱いは殆どありません。現在では家庭菜園で育てる人も増えて来ました。その見た目を楽しむだけでなく、花野菜として利用される事も多々あります。トロロアオイは以前から人々の生活にはなくてはならない物でしたが、今はより身近な存在となってきていると言っても良いでしょう。
トロロアオイの特徴
トロロアオイの大きな特徴は、その花です。見た目はハイビスカスに似ている5弁の花を咲かせます。白地に真ん中が赤っぽい花はとても特徴的です。オクラの花にも良く似ていますが、花のサイズが全く違い、トロロアオイの方が2倍以上大きくなっています。実際に育てて行くと、背丈は大体1.5メートル以上になります。また葉は掌状に広がり、茎には細くて固いとげがあります。
地面で栽培する事もできますが、プランターなどでも栽培できる植物です。根は太くて、とても長いのが特徴です。そこから抽出できる液体には粘性があります。花が咲くのは大体8月から9月の厚い時期です。朝顔と同じで朝に咲いて、夕方にはしぼんでしまいます。花が咲きそうになるとつぼみがグングン長くなって行きます。
大体10㎝程度の長さになったら、その翌日か翌々日には花が咲きます。またその花は何度も咲くタイプの物ではなく、夜になると地面に落ちてしまいます。1日しかもたない花なので、なかなか市場には出回りません。花びら自体はまっすぐ前を向くのではなく、横の方向を向いて咲きます。そのため側近盞花とも呼ばれる事が有ります。オクラと同じアオイ科の植物なので、オクラに良く似た果実をつけます。
ただその形はオクラに比べると太くて短く、さらに剛毛が多く生えていてとても固い表面となっています。そのため、食用に出来るオクラとは全く違い、食用にはなりません。食べる事が出来るのは花の部分のみです。果実は次第に成長していき、熟すと褐変します。そして自然に割れて種子を周りに散らします。これはオクラと良く似た性質です。
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