セイヨウイワナンテンの育て方
種付け植え付けや環境について
セイヨウイワナンテンの植え付けは3月ころから4月頃におこないます。日なただけではなく日陰でも生育することができる強さがあります。半日陰でも栽培することができますが、水はけをよくしてあげましょう。
また比較的湿気のある土壌を好みますので乾燥をしやすいような場所で育てるという場合は、腐葉土などを利用して調整してあげると効果的です。植え付けをおこなうタイミングとしては、寒さや暑さが和らいでくる時期がよいですので、
9月下旬頃から11月頃にもおこなわれることがあります。夏は乾燥しやすく気温が高くなりますので風通しのよい場所を選ぶことがおすすめです。真夏の強い日差しを直接浴びるような場所で育てていると葉が焼けてしまうことがありますので注意するようにしてください。
暑さには弱いですがセイヨウイワナンテンは耐寒性がありますので冬場の防寒対策などは特に必要ないとされています。そのため、東北地方などでも防寒対策をすることなく育てていくことができます。
水やりや肥料、剪定について
セイヨウイワナンテンは春頃から秋頃には土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水やりをしてください。湿り気のある環境を好みますので乾燥しやすい夏場の育て方には十分に注意しましょう。夏場に水やりをおこなう場合は、日中の日差しの強い時間帯を避けて、
朝方や夕方など涼しい時間帯におこなうことがおすすめされています。冬場は生育が遅く止まってしまいますので水やりはたくさんする必要はありません。水を吸い上げる力も弱くなっていますので、たくさん水を与えてしまいますと根の部分が傷んでしまう可能性があります。
肥料は春と秋頃に緩効性肥料を与えてあげると効果的です。開花後はよく伸びますので5月頃の生育期に株元にまいてあげるとよいでしょう。生育に問題がない場合などには、無理に肥料を使用する必要がないケースもありますので育ち方をチェックして対応していきましょう。
セイヨウイワナンテンは、樹形を整えるために特に剪定をする必要はありませんが、樹高を低くしたいという場合などは、新梢が伸びてくる前に刈り込みをおこなうことがおすすめです。樹高はおよそ1メートルほどにしかならないことが多く、株も自然に広がっていきますので手間がかからない植物です。
剪定をおこなう必要がある場合には、2月や3月頃が適しています。生長して幹の数が多くなっていくと枝葉が込み合いながら茂り始めますので、このような場合は調整してあげてください。枯れた枝などがあった場合には取り除いていくなどして整理してあげてください。
植え付けや増やし方について
植え替えは、2年に1回くらいの頻度で、夏の暑いシーズンと冬の寒いシーズンを避けて、3月4月頃や涼しくなってくる9月下旬頃におこないます。根鉢の表面の三分の一ほどをくずして、根鉢の2、3倍の深さに穴を掘って植え戻していきましょう。
この時に緩効性の化成肥料などを利用すると効果的です。植え替えをおこなわないで放置したままにしていると、鉢の中で根がいっぱいになってしまいます。根詰まりをしてしまわないように大きな鉢へ植え替えするのを忘れないようにしてください。
腐葉土などを利用した水はけのよい土がおすすめです。植え替えをおこなう場合の注注意点としては、株を傷付けてしまわないようにすることです。株を傷付けてしまうと、枯れてしまう心配はありませんが回復するのに時間がかかってしまいますので注意するようにしましょう。
セイヨウイワナンテンの花が咲く時期に梅雨などで雨天が続く場合には、実付きをよくするためにビニールなどを被せて雨を遮ってあげるなどの対策をしてあげてください。このような予防対策が必要なのは、雨天が続いてしまうと受粉がおこなわれないケースがあるからです。
増やし方としては、挿し木や株分けなどでおこなうことができますが難しいとされています。挿し木をおこなう場合のタイミングは、6月頃から9月頃が適しています。伸びてきた枝などを5センチメートルほどカットして揃えてあげて、先端の葉を3枚程度残して取り除いていきます。
カットした枝は、30分から1時間ほど水につけておきましょう。カットした部分には、植物成長剤などを塗っておくと効果的です。α−ナフチルアセトアミドと呼ばれている有効成分の成長剤は、挿し木や挿苗の発根を促進する効果が期待されています。
株分けによる方法でおこなう場合は、11月頃から12月頃に伸びている地下茎をカットして分けていきます。根の付いている地下茎を親株から切り離していきます。乾燥させないようにして鉢などに仮で植えて水やりをしながら保管して置き、
春頃に植え付けをおこなっていきます。セイヨウイワナンテンの場合は、つぼみや新芽などにアブラムシが発生することがありますが、基本的に害虫などがほとんど見られませんので育てやすいです。
セイヨウイワナンテンの歴史
セイヨウイワナンテンはツツジ科の常緑低木で北アメリカが主な原産地です。バーニジア州、ジョージア州、テネシー州などに分布していることが多く属名のレウコトエはギリシア神話に出てくるバビロン王の娘のレウコトーエに由来しています。
イワナンテンの名前は、岩場に生えるナンテンのような葉を持っていることから名付けられたとされています。別名でアメリカイワナンテンと呼ばれることもあります。日本国内のイワナンテンの生息地は関東南部や中部地方南部と紀伊半島の深山の崖などで、
垂れ下がるように生息しています。園芸などで利用されている品種として緑地の葉にさまざまなカラーの斑も用が入る観葉植物が広く出回っています。花の咲き方や姿は、ツツジ科のアセビに似ていると言われます。
アセビとは本州の南や四国、九州などに生息している常緑性の低木で、樹高は3メートルほどになります。樹高があまり高くなくコンパクトな品種にはナナと呼ばれているものがあります。葉にホワイトやピンク、イエローなどの模様が入ることからレインボーと、
呼ばれている品種や赤紫色の葉をしているアキシラリスなどの品種も園芸として利用されています。イワナンテンの仲間の常緑や落葉の低木には、およそ45種類ほどもありますが、日本国内には落葉性のハナヒリノキや常緑性のイワナンテンが多いとされています。
セイヨウイワナンテンの特徴
セイヨウイワナンテンの樹高は、およそ1.5メートルほどに育ち枝は緩いカーブを描いて弓のようにしなるという特徴を持っています。先端の尖った葉は長楕円形をして長さはおよそ15センチメートルほどで表面部分に光沢があります。
花はツツジ科の中でも小さめで下向きにたれるようにして咲きます。開花する時期は4月から5月頃で花は壷形で葉には斑の入った品種などがあります。レインボーは葉がカラフルな品種ですので、植栽することによってその場所の雰囲気を赤い印象に仕上げることができます。
そのため、グランドカバーとして利用されることが多いです。レウコトエ・アクシラリスと呼ばれている品種は、葉が濃い緑色で光沢があります。春になると白い花を咲かせて紅葉も美しいとされています。
イワナンテンの場合は小型の常緑低木で花は枝先に数個咲くのですが、鉢などで栽培されていることが多い品種です。日陰でも育つため初心者の方でも栽培しやすい植物だとされています。
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