アセロラの育て方

アセロラの育て方

アセロラの原産国は西インド諸島や中央アメリカなど温かい熱帯気候の地域です。別名「西インドチェリー」とも呼ばれています。その生息地の条件として、温かい環境が必要なため、寒い国やジメジメと湿った環境の国での栽培は適していません。

アセロラの育てる環境について

もともと熱帯の植物ですので、基本的には日当たりの良好な土地で栽培するのが向いています。日陰でも育ちますが、花が咲きづらくなるためおすすめ出来ません。また、風通しが良い状態でも問題はありませんが、寒さにはあまり強くありません。

と言っても氷点下になったり凍結をしなければ枯れることは少ないですが、5~6度程度に保つと健康な状態を維持させることが出来ます。それ以下になれば弱ってしまいます。日本でも一年中10度以上を維持できる環境であれば冬を越すことも可能です。

日本の気候に適しているとは言えませんので、地植えを行うことは難しいと言えます。が、育たないわけではないので、実際にチャレンジして栽培している方もいます。日本では沖縄が唯一商業として栽培しており、国内シェアは100%となっています。

しかし、真夏の高温期などは注意が必要です。摂氏30度以上になると、花が咲いたとしても実つけが悪くなってしまうため、直射日光などが当たらないように少し工夫してあげる必要があります。土は水はけの良い弱酸性の土が適しています。実をつけて以降は水を与える際にたっぷりと土が湿るように与えてください。

土が乾燥してしまうと生育が悪くなってしまいます。実をつける前であれば、少し乾き気味でも問題ありません。アセロラの育て方は初心者には少し難しいと言えますが、不可能ではありません。但し、日本国内では栽培できる環境を整える条件がそろう地域が少ないので、事前に調べておく必要があります。

アセロラの種付けや水やり、肥料について

完熟した実の中に種がありますので、そこから種を採取して植えます。種は乾燥させてしまうと発芽しづらくなりますので、水分を含んだ用土を利用してください。発芽の気温は28度程度なので、日本国内では夏場に入る少し前の時期になります。日本では4月~6月頃が植え時です。

用土を自分で配合する場合は、赤玉土6、ピートモス3、川砂1の割合で配合すればちょうど良いバランスになります。肥料は、幼木のころは、窒素、リン酸、カリを1:1:1で配合した有機質肥料を与えてください。成木になったになると実をつけ出しますので、5月頃と9月頃に少し少なめに与えてください。

樹勢が強いので肥料の効果が大きすぎると枝や葉の伸びばかりが成長してしまい花つきが悪くなります。アセロラは花も綺麗ですが、基本的に実の採取を目的として育てることが前提ですので、花つきをメインに考えて肥料の配分をコントロールします。

花つきが始まってあまり多く花を咲かせないような状況が見られたら新芽を摘んで花に栄養が行くようにしてください。葉や枝も同じく成長しすぎる傾向があるので、密集した葉などがあれば剪定を行い、出来るだけ花や実に養分が回るように手入れをしてあげると比較的多くの花を咲かせます。

鉢植えの場合は2年に一度程度の割合で掘り起こし、根を十分にほぐしてから新しい鉢に植え替えます。成長に伴い一回りずつ大きめの鉢に植え替えていきますが、最終的には最大でも10号鉢程度がちょうど良いでしょう。

アセロラの増やし方や害虫について

アセロラは比較的病気に強い植物ですが、枝や葉にカイガラムシやアブラムシが付くことがあります。特にアブラムシの繁殖力は非常に強く、あっという間にその数を増やしますので、発見した場合、出来るだけ早い段階で対処することが重要になります。

市販の殺虫スプレーなどを購入して散布すればある程度効果が見られます。増殖前の初期段階であれば木酢液などでも効果がありますが、少し繁殖してしまえば駆除をするのが一苦労になってしまいます。カイガラムシもアブラムシも樹液を吸汁するため、生育に悪影響を及ぼします。

特にカイガラムシはその名の通り殻をかぶっていますので、成虫になれば殺虫剤の効き目にあまり即効性がありません。出来る限り幼虫の段階でオルトラン水和剤やアクテリック乳剤を利用して退治するか、ブラシなどでこすって退治する必要があります。

アブラムシはその数、カイガラムシは成長度合いによって殺虫剤の種類や駆除方法を工夫する必要があるため、害虫が付いた場合は現状を園芸の専門店に相談する方が良いでしょう。あまり自己流でやってしまうとアセロラそのものを痛めてしまう可能性があります。

増やし方は、熟成した果実の中の実を取り出し、比較的暖かくなってきた時期、4月から6月くらいに種まきを行えば暖かくなる時期に発芽します。実を増やす場合ですが、アセロラは両性花ですので、基本的には自家受粉がおこなわれますが、昆虫が少ない環境では面棒などで人工的に行ってあげる必要があります。

アセロラの歴史

アセロラの原産国は西インド諸島や中央アメリカなど温かい熱帯気候の地域です。別名「西インドチェリー」とも呼ばれています。その生息地の条件として、温かい環境が必要なため、寒い国やジメジメと湿った環境の国での栽培は適していません。

日本でも本州での栽培は比較的難しいと言われていますが、一般の方で栽培している人も中にはいます。現在でも知られているようにアセロラはビタミンCが豊富でポリフェノールの一種のアントシアニンなども豊富含まれていることで、風邪を治す際や疲労回復などを目的として現地では昔から健康食品として食されていました。

日本に伝来したのは1958年にハワイ大学の教授によって沖縄に初めて植えられたと言われています。そのころ以降、鹿児島や沖縄地方では現在に至るまで栽培されています。世界最大の原産国は現在ではブラジルと言われていますが、ハワイやベトナム、グアムなどの温かい気候の土地では頻繁に栽培されています。

もともと健康意識の高い人々によりその実に含まれる栄養素が着目され、国内栽培がおこなわれました。日本では定期的にブームが到来し、現在ではおもに「アセロラドリンク」として、健康なジュースという印象を与えています。

さっぱりとした酸味のある味なため、男性に比べて女性の人気が比較的高い飲み物です。またジャムやゼリーなどに加工され販売はされていますが、痛みが早い果実のため、生の果実はあまり流通しません。

アセロラの特徴

キントラノオ科ヒイラギトラノオ属のアセロラは真っ赤な実が特徴で、ビタミンCが豊富に含まれていることでも有名です。大きさは2~3センチ程度で大きいものでも10グラム程度の重さです。見た目はサクランボに似ていますが、

その実は2~3日程度しか日持ちがしないため、収穫後はすぐに加工するか食す必要があります。また、その木は大きいもので3メートル程度まで成長する低木です。比較的肥料に敏感で成長促進はさせやすい植物ですが、あまり成長速度を速めると開花しづらくなるため注意が必要です。

開花させることが出来れば、1か月以内に実をつけます。しかし、実はすぐに痛みますので、実がある程度のサイズになるとすぐに赤くなり、熟します。収穫後保存が効かないのが特徴ですので、生の果実はあまり流通しません。

温かい気候を保てば年間6回~7回程度果実を収穫することが可能です。アセロラはそのビタミンCの豊富さゆえ、酸っぱさが特調ですが、大きく分けて酸味種と甘味種にわけることが出来ます。酸味種では「バーモント」や「レーボルク」などの種類があり、ビタミンCの含有量は甘味種に比べて豊富ですが、生食には向いておらず、

主にジュース加工などなどに利用されます。甘味種には「ルビートロピカル」や「フロリダスウィート」などの種類があり、ビタミンCこそ酸味種に比べて多くありませんが、比較的酸味が少ない種類のため、生食でも十分楽しめます。あまり日本国内ではその種類を意識されていません。

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