ラディッシュの育て方

ラディッシュの育て方

ラディッシュとは、ヨーロッパ原産の、アブラナ科ダイコン属に分類される野菜です。ダイコンの中ではもっとも小さく、そして短期間で収穫できるというメリットがあります。生育環境を選ばない、非常に育てやすい品種ですので、現在の生息地は全国各地に広がっているといえます。

ラディッシュの育て方と栽培の基本

ラディッシュの育て方は、他の多くの野菜に比べ手順がシンプルです。うまく育てることのできたラディッシュは根の部分が丸く太っていますが、このようなラディッシュを作るための栽培のコツは、適切な時期を見計らって間引きを行うことです。

間引きは成長途中に、少なくとも1回は行わなければなりません。種付けから発芽までおよそ3日から4日ほどかかりますが、発芽したのち、葉が4枚ほどになったら最初の間引きを行います。

生育の良いものを選んで残し、芽と芽の間隔が、だいたい3センチメートルから4センチメートルほどになるように間引いていきます。このころはまだ十分に根が張っておらず、茎が細いこともあって斜めになったり倒れたりしやすくなっているので、間引き後は根元に軽く土を寄せて倒れないようにする必要があります。

間引くことで残った芽の一つ一つに栄養が行きわたるようになるため、ぐんぐん成長していきます。育て方の基本は間引きと、きちんと水やりをすることです。水は土の表面が乾いたころにたっぷりとやるようにします。

ラディッシュの種付け

ラディッシュの種付けは、春と秋の2回行うことができます。春まきであれば3月中旬から5月にかけて、秋まきであれば9月から10月にかけてがまきどきになります。冷涼な気候の寒地と寒冷地、比較的暖かい気候の中間地、温暖な暖地のいずれであっても栽培に支障はありませんが、暖かい気候の方が種付けの適性期間と収穫可能期間が長くなっています。

ラディッシュの栽培の前に、まずは用土の準備が必要です。庭植えにするのであれば、種をまく2週間ほど前に、1平方メートル当たりにつき苦土石灰100gをまいてよく耕しておきます。さらに、種まき1週間前には1平方メートル当たりにつき堆肥2kgと、粒状肥料を加えて土をよく混ぜ合わせます。

畝は幅60センチメートルほどに立て、深さ1cmほどのまき溝を30cm間隔に2本作ります。種は1cm間隔でまいていきますが、この時、種が重ならないようにすることと、種をまきすぎないように注意が必要です。

育て方に難しい要求がない分、用土の準備と種付けが生育に占める割合が大きくなっているといえます。種をまき終えたら軽く土で覆い、手のひらで軽く押さえて落ち着かせてから、全体にまんべんなくたっぷりの水をやります。

種付けから発芽までおよそ1週間かかりますが、発芽後は非常に成長速度が早く、すぐに間引きを必要とするくらい芽と芽の間隔がつまってきます。葉が3枚から4枚ほどになると間隔が密になってくるので、このタイミングで最初の間引きを行います。

その後は適宜水やりしつつ成長を待つだけですが、最初の間引きが不十分で成長が悪いようなら2度目の間引きが必要になることもあります。

ラディッシュの収穫と利用方法

ラディッシュの収穫のタイミングは、種をまいてからおよそ28日から30日経ったころです。この時点で根の部分はふくらんで地表にせりあがっていますが、赤い根の部分が直径2センチメートル以上なら収穫に適したサイズに成長しているといえます。

収穫は葉の根元部分をもって上に引き上げることで、きれいに抜くことができます。そのまま放置してもどんどん根は成長していくのでサイズは大きくなりますが、ふくらむにしたがって根の部分は食味や見た目を損なうようになってしまします。

具体的には、根が割れたり、すが入ったりするので、地表に見える赤い根の部分が直径2センチメートルから3センチメートルの時点が収穫適となります。ラディッシュはいっぺんにたくさんの種をまいて大量に収穫するよりも、1週間から2週間に1度だけ種をまいて、時期をずらしながら少量ずつ何回も収穫すると、長期間にわたって栽培と収穫を楽しむことができます。

ラディッシュは生食するのであれば、収穫したその日のうちに食べると風味が損なわれないためおすすめです。皮ごと食べることができるので、サラダなどにスライスしたラディッシュを入れるといろどりが良く、料理が美しく仕上がります。

ラディッシュに豊富に含まれるビタミンCと消化酵素であるジアスターゼは、熱処理に弱く、通常の加熱調理で破壊されてしまうため、生食は栄養を余さず摂取できるという意味でも理にかなった方法といえます。

もう一つ、簡単で栄養を壊さないラディッシュの利用方法が酢漬けです。漬物に分類される調理方法ですが、お椀にお酢を入れて、その中に半分ほどの大きさに切ったラディッシュを投入し、ラップをかけて冷蔵庫で寝かせると完成です。

加熱調理しない方法なので、生食と同様、ビタミンCと消化酵素を残したまま食べることができます。辛みの強い品種ではありませんが、人によっては生のまま食べると刺激が強いと感じることもあるため、そのような場合は漬物にすると独特のぴりっとした刺激がやわらぎ食べやすくなります。

ラディッシュの歴史

ラディッシュとは、ヨーロッパ原産の、アブラナ科ダイコン属に分類される野菜です。ダイコンの中ではもっとも小さく、そして短期間で収穫できるというメリットがあります。生育環境を選ばない、非常に育てやすい品種ですので、現在の生息地は全国各地に広がっているといえます。

日本に伝来したのは明治時代とされており、和名で廿日大根や二十日大根という呼ばれ方をしてきました。現在、日本では二十日大根、またはラディッシュのいずれかの名前で広く認知されています。庭植えでもプランターでも容易に栽培できることから、家庭菜園で人気の野菜の一つといえるでしょう。

日本での食べ方は生食や酢の物が基本で、鮮やかな色合いを生かしてサラダなどによく利用されています。ただし、世界的に見ると生食されることが一般的でない場合もあって、ベトナムなどをはじめとした東南アジアの国々は、ラディッシュを生のまま食べることはありません。

これらの国におけるラディッシュの調理方法は、煮る、ゆでる、などの加熱調理のほか、漬物にされることが多くなっています。

ラディッシュの特徴

廿日大根や二十日大根とも呼ばれ、その名の通り種を植えてから約30日ほどで収穫できるまでに成長し、ちょうど芽が出たころから数えて20日ほどで収穫に至る、非常に成長の速い野菜です。2センチメートル程度の根は球形、もしくは楕円形の形状です。

品種によって根の部分の大きさはまちまちですが、もっとも根が長くなる品種では約10センチメートルほどになります。一般的に知られているラディッシュは皮が赤色で、これはアントシアニンを多く含んでいる証拠です。

さらに、ビタミンCや、消化酵素のジアスターゼが豊富で、食後に食べることによって消化が助けられます。根の部分だけを食べる人も多くいますが、上の葉も可食部分です。葉はビタミンCのほかにも、カロテンやカルシウムを含んでいます。

根の形状が品種によって違うように、ラディッシュにはさまざまな色の品種がそろっています。一番目にする機会が多く、名前から連想しやすいのは、丸い形状で赤色品種のコメットでしょう。赤色と白色の2色構造の楕円形をした品種は、見た目の通り紅白と呼ばれています。

根の部分が白く、ミニチュアダイコンのような姿をした雪小町、と呼ばれる品種もあります。赤色と白色の、これら3種がもっともポピュラーな品種ですが、さらにピンクや赤紫の混じったカラフルファイブという変わり種まで、バリエーションに富んでいます。

下記の記事も詳しく書いてありますので、凄く参考になります♪
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