ナバナ類の育て方

ナバナ類の育て方

ナバナ類と人類との歴史は古く、その関わりは現代でも続いています。地中海沿岸が原産の野菜であり、最初の利用は麦畑を生息地として自生していたものが採取され始めた事でした。当時から食用として利用されていたナバナ類は、農耕の技術伝播と共に自生範囲を広げていきます。

ナバナ類の育てる環境について

ナバナ類は暖かい地域を好む野菜ですが、葉茎タイプの様に比較的寒い地域でも栽培できる品種も多いものです。実際に、菜の花の作付面積で日本一の地域は北海道の滝川市ですから、日本国内の幅広い範囲で栽培できる野菜である事がわかります。

屋内で育てる場合は気温を調整しやすくなりますが、高温多湿の環境は避けるべきです。害虫や病気が発生するリスクた高まり、育った野菜も品質が低下します。特に、灰色かび病の発生には気を配り、換気が十分に行き届いた環境で育てるのが適切です。

ナバナ類は発芽して苗がまだ小さい時が特に湿気に弱いので、細心の注意が必要になります。ナバナ類は気候だけでなく土壌への適応性も高い野菜であり、工夫次第で様々な土壌環境で栽培する事ができます。ただし、より良く育てる為には栽培するナバナ類毎に適した環境を整える工夫が必要不可欠です。

日本国内で栽培されているナバナ類は、地域によって和種ナタネが多い地域と洋種ナタネが多い地域がありますので、栽培する際は地域の気候から適した育てやすい物を選ぶと良いでしょう。ただし、連作障害が起きる野菜ですから、以前ナバナ類を育てた土壌は3年から5年の間を開けた所でなければ作れません。

上手く育てるには水の供給に気を付けます。乾燥すると生育不良が起こり収穫に差し障り、水が多すぎると品質不良となるので、収穫した野菜の品質が良くなりません。適度な水分を安定的に供給できるかどうかで、ナバナ類の生育は大きく変わります。育てるのは比較的簡単ですが、育て方によって生育は大きく異なる野菜です。

ナバナ類の種付けや水やり、肥料について

ナバナ類を種付けするには、まず、連作障害を避ける為に土壌を調べる必要があります。以前、ナバナ類を育ててから5年未満、少なくとも3年未満の土壌を利用すると、根こぶ病が発生する恐れがるので避けるべきです。また、前回ナバナ類を作った土壌は使用した肥料が残っている場合があります。

肥料が多すぎると栽培の初期に成長が良くなり過ぎて風通しが悪くなり、病気が発生する原因になるので注意が必要です。有機質を多く含む肥沃な土壌であれば早く大きく育ちますが、過繁茂を避ける為に計画的な施肥を心掛けます。種付けの時期は種類によって異なりますが、概ね秋口と冬のどちらかになります。

寒冷地であれば春先に種付けの時期です。種付けする土壌は弱酸性の状態が維持できる土壌を選び、畑で育てるのであれば耕土の深い方が良く育ちます。乾燥予防にマルチを張れば、土壌の温度も上がって栽培に適した環境が得られます。マルチを張る時は、できるだけ土との隙間ができない様に気を付けると効果的です。

屋内で育てる場合は、湿度が上昇しやすい点に注意します。換気をすれば病気の予防ができ、また新陳代謝も阻害されにくくなるので成長も順調に行われるものです。水やりで注意すべき点は、根が十分に張っていない栽培初期の水やりを、

1つ1つの株に丁寧にする事です。根が張った後であれば、自動水やり器を使った給水もできるようになります。水分は不足すると生育不良や品質低下に繋がり、多すぎると過繁茂や病害の原因になるので、施肥同様に気を付けて行わなければいけません。

ナバナ類の増やし方や害虫について

ナバナ類を増やす際は、種子を採取して増やす事になります。種子の採取にはナバナが枯れ上がるまで栽培する必要がありますので、ナバナそのものは野菜として収穫できません。野菜としての収穫も考えているのであれば、予め野菜用と種子用とで分けて育てると良いでしょう。

種を採取する時期は、さやの5粒程が黒く色づいた頃を目安にします。10日程待って晴れた日に収穫しますが、あまり待ちすぎるとさやが破けて種子が落ちるので注意が必要です。収穫後はそのまま天日干しにして、5日から6日の間乾燥させます。

この間、時々ひっくり返して全体が乾燥するように気を配ります。乾燥させた後は種子を取り出しますが、この時、ふるいがあるとゴミと種子を分別しやすくなるので便利です。ナバナ類に害虫が特に発生しやすいのは、野菜としての収穫時期です。

害虫を予防するには適切なタイミングでの種蒔きが大切です。早く種蒔きをすると害虫が発生しやすいため注意します。主な害虫には、コナガ、アブラムシ、アオムシ等が現れます。コナガは初夏に発生しやすいので、防虫ネットや薬剤を利用すれば被害を抑え易くなるものです。

アブラムシの対策には薬剤を利用する方法もありますが、アブラムシが好む過繁茂が起きないように予防する事も大切です。肥料や水分を過剰に与えないように心がけ、大きな葉や老化した葉を取り除く事で過繁茂を防ぎやすくなります。アオムシ対策は基本的に見つけ次第取り除く事ができますが、栽培量が多い場合は寒冷紗や薬剤を利用するのが効率的です。

ナバナ類の歴史

ナバナ類と人類との歴史は古く、その関わりは現代でも続いています。地中海沿岸が原産の野菜であり、最初の利用は麦畑を生息地として自生していたものが採取され始めた事でした。当時から食用として利用されていたナバナ類は、農耕の技術伝播と共に自生範囲を広げていきます。

この過程で生命力や環境適応力の高いナバナ類は変化していき、葉が大きなケールや丸まったキャベツ、そして根の大きな蕪や大根等へと発展してきました。また、漢の時代の中国では、人の手で栽培植物として品種改良されるようになります。日本へ伝わったのは縄文時代後期という説もあり、

記録上でも食用植物としてナバナ類の名前が見られます。古事記や日本書紀では「菘菜(あおな、つけな)」の名で記されています。また、延喜式には「蕓薹(うんだい)」として、万葉集にも「茎立(くくたち)」の名で歌に登場するように、日本でも古い時代から食用として親しまれていた野菜です。

ナバナは食用だけでなく植物油を採取する原料としても古くから利用されてきました。日本では江戸時代に幕府が奨励した事から特に生産が盛んとなり、行燈に使う燈用油や、天ぷらに使う食用油として広く用いられていきます。明治期に入ってランプが使われるようになってからも生産は続き、

戦前までほぼ全ての菜種油を自給できる生産量があるほど、日本ではナバナ類の生産が盛んでした。現代では食用として多く栽培されている他、産業分野においてはバイオ燃料としても再注目されていて、国内外で利用の研究が進めれています。

ナバナ類の特徴

ナバナ類は日光が良く当たる地域や、暖かい気候で良く育ちます。戦前まで菜種油を自給できる程多く育てられている事からもわかる通り、日本の環境にもよく適している野菜です。多様な環境で育てられる野菜ですが、栽培方法や栽培技術によって野菜としての出来具合は大きく違います。

ナバナ類は来歴によって大きく分けて2種類があり、1つは古い時代に日本へ伝わった和種ナタネです。もう1つは明治時代に伝わった洋種ナタネになります。和種ナタネは蕾や茎、若葉等を食用とする花蕾タイプが多く、比較的暖かい地方に適する物が多くあります。

洋種ナタネは茎と葉を利用する茎葉タイプが多く、寒さに強い品種が多い物が多いのが特徴です。野菜としてはどちらも春が旬であり、和種ナタネは葉の色が淡くて、柔らかい食感が特徴です。西洋ナタネは葉の色が濃く、比較的歯ごたえがあります。栄養面も豊富で、特にβカロチンが多いものです。

また、ミネラル類も多く含まれていて、中でもカルシウムの含有量が多い野菜です。この他、ビタミン群にも恵まれていますが、ナバナ類のビタミンCは含有量の多さだけでなく、調理後に失われにくい特徴があります。摂取量も多くしやすい為、

栄養を摂取しやすい野菜です。ただし、鮮度が落ちやすい野菜ですから、収穫後はすぐに食べなければいけません。塩茹でにすると色の鮮やかさを保ったまま美味しく食べられます。また、漬物が好みの方であれば一夜漬けにすると手軽に旬の味を楽しめる野菜です。

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