ヘビウリの育て方

ヘビウリの育て方

インド原産のウリ科の多年草で、別名を「セイロン瓜」といいます。日本には明治末期、中国大陸を経由して渡来しました。国内では鑑賞用に栽培されてきたため食材として馴染みの薄いヘビウリですが、生息地の東南アジアにおいては幼果をスープやカレーの具材として使用する他、若芽を食します。

ヘビウリの栽培準備と種まき

ヘビウリは野菜としての知名度が低く、種を入手しようにも簡単ではありません。 園芸専門のネットショップを利用したり、栽培している農家や園芸愛好家に頼んだりして分けてもらうと良いでしょう。

種まきは4月下旬~5月頃、25~30℃に気温が安定してから9cmのビニールポットへ点まきします。発芽を促す下準備として、まず種の先端の尖った部分を爪切りやハサミでカットします。このとき、芽や根のもとになる胚まで一緒に切ってしまわないよう十分に注意してください。

次にプラケースなどにキッチンペーパーや脱脂綿を敷いて、種がヒタヒタに浸かるくらいまで水を注ぎ、3~10日待ちます。これは「浸種(しんしゅ)」.というプロセスで、表皮の硬い種に適しており、ニガウリなども同じ手法をとります。種まき前に入念に下準備をし、少しの手間を惜しまないことが育て方のコツです。

2mmほどの白い根を確認できたら、ポット1個につき土の1,2箇所に人差し指で穴を空け、根を下にして種を置き土をかぶせます。発芽まで1週間前後かかりますので、その間、適温に保つことを心掛けてください。熱帯の植物は20℃を下回ると発芽率が急激に低下しますから、なるべく暖かい場所で管理しましょう。

若い苗は夜間にナメクジなどの害虫被害に遭いやすいので、定期的に観察して発見次第、捕殺します。ヘビウリは発芽率が悪く、ウリ科のなかでも育て方が難しいとされており、初心者にはハードルが高いかもしれません。つまずくこともあるでしょうが、何度か挑戦するうち次第に要領が分かってきますので、諦めずに栽培について経験から学んでいきましょう。

ヘビウリの定植と誘引

発芽から2~3週間経ち、本葉が2~4枚出揃ったところで定植を行います。この時期を逃すと根の成長に著しく影響を及ぼし、苗が十分に育たない危険がありますから、育て方の大きなポイントと心得てくれぐれも注意してください。プランターに植えるときは、花き用の園芸用土ではなく野菜用の培養土を用意しましょう。

通気性・保水性を向上させるため、底に1~2cmほど鹿沼土や小石を敷き詰めておきます。ヘビウリは酸性土壌を好みますので、酸性のpH値を示す鹿沼土を使うと、水はけを良くしながら土質を整えるという相乗効果があります。苗同士の間隔は30cm以上開け、風雨で倒れたり折れたりするのを防ぐために、株元から5cm以上距離を置いて長さ40cm程度の支柱を立てます。

苗をヒモで軽く結んで安定させ、プランターの底から水が流れ出るくらい、たっぷりと水を与えましょう。定植が成功してしっかりと根付き、ツルが伸びてくる気配を感じたら、今度は2m以上の支柱に切り替えます。園芸ネットを3,4分割して等間隔に支柱を結び付け、プランターと平行にフェンスにくくります。

ベランダが狭いときは、フェンスから窓に向かって斜めに立て掛けるように配置してください。そのままにしておくと四方八方にツルが伸びるので、ヒモや園芸用テープで誘引する必要があります。成長を妨げないよう背丈に合わせてネットにゆるく留め、生育状況をみて随時、整枝していきましょう。

最初は主茎を残して脇芽を摘み取り、最上部にきたら親づるの心芽を摘んで(摘芯)元気な子づるを2,3本伸ばします。水やりは通常1日1~2回、土の表面が乾くのを見計らって午前中の涼しい時間帯を選んで行います。背丈が50cmを超えたら置き型肥料を少量与え、果実が膨らみはじめた頃、水やり代わりの液体肥料を2週間ごとにやってください。

ヘビウリの種付けと収穫

ヘビウリは8月上旬~9月いっぱい、種まきから約2,3ヵ月で収穫を迎えます。ミツバチなどの昆虫に任せても受粉できますが、より確実性を増すために種付けを補助しましょう。果実の有無または花の中心部の様子で雌雄を見分け、採取した雄花の花弁をちぎっておしべをむき出しにし、めしべに直接花粉をすりつけて授粉させます。

幼果は緑色で、縦に薄緑色のすじが入っており、ズッキーニときゅうりを足して2で割ったような見た目をしています。10cm程度のごく幼い果実を食べるときは皮をむかずにそのまま使い、それ以降はピーラーで薄く皮を削ぎ、ゴーヤと同様、縦半分に切ってスプーンで中のワタと種をかき出して調理します。

種付け後、収穫せずに放置しておくと、果実はどんどん熟れて最終的には朱色になります。熟しきって水分が飛び、ほどよく干からびはじめたら種の取り頃です。ヘビウリの種は一般にそれほど流通しておらず、販売・生産数自体が少ないだけに貴重ですから、翌年以降、種まきの予定があるときは迷わず種付けしておくことをおすすめします。

ウリ科の植物は連作障害を起こしやすく、同じ場所に連続して植えると、病気や生育不良などの悪影響が出ますので、他の野菜や花きとローテーションを組み育て方を工夫しましょう。鑑賞として持ち込まれただけあって、ヘビウリ栽培の最大の楽しみはその摩訶不思議な風貌にあります。どくろをまいたり鎌をもたげたり、柔らかいヘビウリの実ならではの見事な曲芸を堪能しましょう。

ヘビウリの歴史

インド原産のウリ科の多年草で、別名を「セイロン瓜」といいます。日本には明治末期、中国大陸を経由して渡来しました。国内では鑑賞用に栽培されてきたため食材として馴染みの薄いヘビウリですが、生息地の東南アジアにおいては幼果をスープやカレーの具材として使用する他、若芽を食します。

カリウムなどのミネラル分を多く含み、食物繊維が豊富で低カロリーとあって、スリランカなどの熱帯地域を中心に病院食としても用いられてきました。中国・台湾でポピュラーな「短果蛇瓜」とは野菜用ヘビウリのことで、鑑賞用と比較すると短く太くまっすぐ伸び、カラスウリによく似た形状の果実を付けます。

苦味がなく、くせのないサッパリした味は、天ぷら・酢の物・炒め物とバリエーションがきき、醤油や酢を使った和食にもよく合います。苦味がなく食べやすいヘビウリは、生サラダ・ピクルス・チャンプルー・きんぴらはもちろん、ひょうたん料理や沖縄のナーベラー(ヘチマ)料理のレシピも応用できます。

また、調理・調味法を選ばない万能食材として徐々に認識されつつあります。地元産野菜の充実を目指す岐阜・新潟・茨城などの自治体では、新規農産物として高い注目を集めており、ヘビウリの栽培拡大を進めているところです。

ヘビウリの特徴

ヘビウリとカラスウリは非常に近い関係にあり、花・葉の形状、果実の色、つる性といった複数の共通点がみられます。一方で、カラスウリが夜咲き性の雌雄異株であるのに対して、ヘビウリは明るいうちから花開く昼咲き性で雌雄同株です。

かぼちゃのように地面に這わせることもできますが、「ヘチマ棚」と同じ要領で棚仕立てにすると、夏場の日よけ(グリーンカーテン)としても活躍します。7~9月頃、たくましく伸びる茎や大きな葉に不釣り合いなほど、繊細でミステリアスな白い花を咲かせます。

きりりと整った輪郭の5枚の花びらに、ふわふわとした蚕糸のようなレース状のひだをつけた様子は、息をのむほど妖艶です。大きいもので1.5mにまで達する果実が棚から垂れ下がる姿は、その名の示すとおり通りヘビにそっくりです。

うねうねと伸びた細長い実、曲がりくねった先端は、意志をもってうごめいてるかのようにもみえます。成熟するにつれ緑から黄、オレンジ、赤橙色へと変化し、完熟に達すると燃えるような朱色に染まります。数あるウリ科の植物のなかでも、カラスウリと同じように白い花・朱色の実をつける種は珍しく、近縁種であることを明確に物語っています。

緑のカーテンを作れる植物や果実の育て方に興味がある方は下記も凄く参考になります♪
タイトル:ナーベラー(ヘチマ)の育て方

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