手まりかんぼく(スノーボール)の育て方

手まりかんぼく(スノーボール)の育て方

手まりかんぼくとは、名前からも分かるように手毬のような花が咲く肝木(かんぼく)です。原産地は朝鮮半島だと言われています。肝木とは、日本でも昔から薬の材料に使われており、この手まりかんぼくも日本へは薬用樹として渡来してきました。

育てる環境について

育てる環境としては、日当たりの良いところが適しています。ただし、適しているのであって決して日当たりが悪い場所では育たないわけではありません。たとえば、半日陰といって通常の半分以下の日照時間のところでも十分に生長しますし、花も咲きます。日当たりが良いほうがその生長するスピードが違うと言うだけです。

何か目的がないかぎりは、日当たりに関してさほど気にする必要はありません。また温度のほうも、先に述べたように朝鮮半島が原産地であるため、日本の気候とも非常に相性がいいです。そのため、夏の暑さにも強いですし、冬の寒さにも強いです。日本全国どこでも生育可能となっています。

ただし、厳寒地や沖縄などの亜熱帯地域では、多少注意を払うようにしなくてはなりません。また土壌に関しても、ほとんど選り好みをしません。アルカリ性土壌、酸性土壌、どちらでも十分に育ってくれますし、水はけの良し悪しも気にする必要はありません。常識の範囲ならば、どんな土地にでも育つと言われています。

このように日当たりも気にせず、日本全国、どの土壌でも育つのが手まりかんぼくです。ほとんど手間がかからないメリットを活かして、日当たりの悪い中途半端に空いている土地に植える人もいます。そうすることで、綺麗な花を堪能することができます。手間をかける時間もほとんどないため、ガーデニングの初心者や仕事で忙しくしている人には適した園芸品種と言えるかもしれません。

種付けや水やり、肥料について

すでに述べてきたとおり育て方に関してはほとんど手間がかかりません。植えてからほぼ放置してもかまわないといわれるほどです。水やりに関しては、鉢植えやプランターで屋内で育てるときは土が乾いてきたら水をしっかりと与えてください。地植えするときは、植えつけて二週間ほどはしっかりと水を与えることが大切です。

しかし、その後はほとんど与える必要はありません。よほどの日照りが続いたときだけ、水を与えれば十分です。この品種は日本でも自生できるほどの植物なので、異常気象が起こらないかぎり心配する必要はありません。一方、肥料に関しては、植えつける前にしっかりと根付いてもらうために肥料を与えた方がいいです。

その肥料は一般的な腐葉土でも市販されているガーデニング用の用土でもかまいません。それ以外に関しては、肥料を与える必要はないと言われています。ほとんど手間をかけずとも育ってくれますが、手を加えるとより多くの花を咲かせます。その手間の一つに剪定があります。剪定の方法は、まず古い枝は花が咲かないため落としていきます。

そうすると枝も増えていき、枝の数だけ花が増えていきます。また一本だけ勢い良く伸びる枝がありますが、それをシュートといいます。シュートはエネルギーを消費するばかりで花を咲かせません。そのため、見つけたら早めに根元から落としたほうがいいです。この剪定の一手間を加えるだけで、より綺麗にたくさんの花を咲かせてくれます。

増やし方や害虫について

もしも、手まりかんぼくを増やしたいと考えるのならば、挿し木が一般的です。というのも、花は咲いてもほとんど結実はしない植物であるため、種子で増やすことができないからです。株分けして育てる方法もありますが、大きく育つため現実的ではありません。挿し木というと難しいというイメージを抱いている人も多いです。

しかし、経験したことのない素人でもほとんど失敗することがないため、この点においても初心者向けの植物と言えます。ただし、植え付けをするときはすでに述べたとおり、肥料と水は忘れないようにしなくてはなりません。また、まだまだガーデニング用の苗木として販売されているところは少ないのが現状です。

苗木を手に入れなれないときは、挿し木から育てる方法もあります。生花店では切り花として販売されていることが多いです。切り花から挿し木を作ることも十分に可能です。また、すでにガーデニングで育てている人もいます。知り合いに育てている人がいたら、その挿し木を分けてもらうのも一つの手段と言えます。

そして、病気や害虫には非常に強いです。ガーデニングに殺虫剤などの農薬を使用するのを躊躇っている人も少なくありません。でも、この植物ならば農薬をほとんど使用せず育てることができるため安心です。防虫シートなどを覆う必要もありません。水はけが悪い土地だと根腐れする植物も多いですが、この品種においてはほとんど心配する必要はありません。

手まりかんぼく(スノーボール)の歴史

手まりかんぼくとは、名前からも分かるように手毬のような花が咲く肝木(かんぼく)です。原産地は朝鮮半島だと言われています。肝木とは、日本でも昔から薬の材料に使われており、この手まりかんぼくも日本へは薬用樹として渡来してきました。しかし、生息地が朝鮮半島と近い割には入ってきたのは江戸時代と比較的日本の歴史が浅い植物でもあります。

そして現在では薬用に使われることはほとんどなく、主に観賞用として栽培されるようになりました。特に切り花としてプレゼントされたり飾られることが多く、真っ白な球状の形から結婚式のブーケに使われることも少なくありません。それは日本だけでなく西洋でも同じようです。

その西洋では白い球体の花であることからスノーボール(雪の玉)と呼ばれることもあります。ただ、西洋にも似たような花が自生しており、そちらはビバーナム・スノーボール、もしくは西洋スノーボールと呼ばれています。混同しないように注意をする必要があります。観賞用として綺麗な花が付くため生花店などではよく見かけることもありますが、

実はガーデニングで流行りだしたばかりの植物です。自生地が日本でもある肝木の一種であるため、非常に育てやすい植物なのに今までガーデニングに利用されなかった理由はよく分かっていません。手まりかんぼくは、見た目の美しさに加えて育て方も簡単であるため、今後人気が高まっていく可能性が秘めている植物と言えます。

手まりかんぼく(スノーボール)の特徴

手まりかんぼくの特徴と言えば、丸く花が咲くことです。丸く咲くといっても、小さな花が球状に集まって咲いているため丸く見えます。そのため、アジサイのような花と称されることも少なくありません。ただし、アジサイは赤から紫・青と多彩な色彩である一方、手まりかんぼくは純白であるため一目で区別が付きます。

アジサイよりも似ているのがオオデマリ(大手毬)という植物です。花そのものはほとんど同じであるため、花で区別できる人はそういません。同属であり、しかも名前からも分かるとおり、こちらも手毬に似た花が咲きます。どこで見分ければいいかというと、葉っぱです。オオデマリは葉が卵形で裂けているため、そこで区別することができます。

ちなみに、手まりかんぼくのカエデのように3~5つに裂けています。この葉っぱで見分けられるようになれば、かなりの園芸に長けている人と言えます。開花時期は5月~7月とほぼアジサイと同じ時期に咲きます。もしかしたら、アジサイに形も開花時期も似ているため、今まではアジサイに人気が取られてガーデニングの人気がいまいちだったのかもしれません。

ただし、アジサイよりも若干咲くのが早く、アジサイには白色がありません。そこがアジサイにはない特徴、長所とも言えます。それを活かして、アジサイと一緒に植えるとカラーバリエーションを増えるため面白いかもしれません。これから園芸で楽しみ方が増やしていける植物と言えます。

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