コナギの育て方

コナギの育て方

コナギと人間の歴史は大変古くからあります。特に日本人をはじめ、アジア諸国と古くかかわりを持ってきた植物といえるでしょう。その歴史は、まさに数百年に下らず、数千年ともいえる植物です。実際に、「コナギ」は、同じ属性にある「ミズアオイ」と同様に、万葉集で詠まれたことが確認出来ます。

育てる環境について

コナギの栽培は、水田や湿地等、水分をベースとした場所になります。栽培難易度はさほど難しくなく、他の植物と比べても比較的容易に良く育てる事が可能となっており、初心者でも手の出し易い品種です。日本では、漢字で小莱葱、子水葱と書き示したり、トリノシタ、ハートグサというような名前で知られています。

つまり、色々な地域で育つ作物ですので、その地域の特性に上手く環境の変化ができる生命力の強い雑草です。群生して育ち一年草の植物として生息しています。コナギは元々、繁殖力の強い植物です。そして他の植物に比べて、窒素の含有率が高いことが発見、判明されています。実際に稲作りの天敵ともされている植物で、稲の栄養分をどんどんと吸ってしまう事で知られています。

特に無農薬栽培、有機水稲栽培である稲作には大敵なんていわれることもある植物となります。事実、発芽をするのに酸素を必要としません。たとえ地中のなかに酸素が欠乏している状態であったとしても発芽をすることが知られています。他にも、ホタルイ、クログワイといった植物が同様の生命力を持つ雑草として考えられています。

また、水辺に育つ植物ですので、水遣りをする心配もありません。自然と水を吸い上げて、自力で育っていくことが確認できるでしょう。生育に適切な水の硬さは軟水~中硬水、水質は弱酸性~弱アルカリ性とされています。日本の水で育てていれば、海外などと比べて比較的元気に育つといえるでしょう。

種付けや水やり、肥料について

良く育つのは、水田や湿地です。育てることを考えているのであれば、水耕栽培で生育することができます。地を水で覆う水田は、発芽時に酸素を嫌う本種にとって、絶好の成長環境です。ただし、水中での育成は不可能ともいえますから、アクアリウムなどで利用したいという人は、テラリウムを使って陸上部、屋外などでビオトープなどに使用すると良いでしょう。

上手く育つと、秋の時期には小型の愛らしい花を咲かせてくれます。葉の形もハート型でかわいらしく、つやのある葉っぱは観賞用として楽しむ事ができます。また、コナギの葉は根生しますが、成長をしても高さ10~30cm程度とあまり高くはありません。稲作時に良く見かけることができる種類の雑草ですが、事実成長は稲より早く、多くの農家では厄介者扱いをされています。

実際に、成長をすることで、光を浴びたい稲に影を作ってしまいます。その結果、思うような稲の生長が促されず、窒素分を余分に吸収してしまいます。そのため、稲作農家では、除草剤を使用することで本種の対策に撃ち出ています。除草剤に対する耐久性がない種類ですので、除草剤をまけばあまり生える事はありません。

逆に成長を促したいということであれば、窒素分を含む肥料を混ぜることをお勧めします。窒素を大変好む性質があるので、米ぬかの発行成分などの窒素成分を土にプラスすることで、どんどんと大きく葉が成長し、背丈が伸びるのを実感することでしょう。

増やし方や害虫について

増やし方や育て方には、さほど苦労をしなくて良いでしょう。稲作では、除草剤をまかなければどんどんと増えてしまうと頭を抱えるほどの植物です。とても繁殖力が高く、広範囲に広がっている一年草の雑草です。実際に、田んぼに除草剤をまくなどの対策をしない限りは、増え続ける植物ですので、最悪な環境ではない限り生え続けるでしょう。

花が咲くのは夏の終わりから秋にかけてで、寒い冬が来る前に花が垂れ下がり水中で結実します。そしてできた果実は、熟し崩れて種子ができ、毎年繁殖を繰り返します。種子は水面を漂い、浮遊して散布され増える性質があります。そして、生育方法の注意点のひとつが、種子には「休眠性」があるということです。

つまり、一度寒気に晒されなければ発芽をしないということです。冬を越す必要性があり、暖かいだけでは駄目で、あくまでも自然に任せた栽培が好ましい品種といえますね。また、種には他の種類とは違い、酸素を嫌う属性もあります。実際に、実験によると無酸素状態に置くことでよりよく発芽して成長することも確認されているほどです。

簡単に育成するためには、泥ごと若い株を採取することです。そのまま移植すれば、新しい環境でもどんどんと育ち繁殖を繰り返します。稲作農家では、稲が害虫にやれても、コナギのほうはなんともないということが良く分かります。害虫にも強い性質があるので、自然に育てていることで、一番良く育つといえるのではないでしょうか。

コナギの歴史

コナギと人間の歴史は大変古くからあります。特に日本人をはじめ、アジア諸国と古くかかわりを持ってきた植物といえるでしょう。その歴史は、まさに数百年に下らず、数千年ともいえる植物です。実際に、「コナギ」は、同じ属性にある「ミズアオイ」と同様に、万葉集で詠まれたことが確認出来ます。万葉集というと、日本で一番古い和歌集として知られています。

西暦7世紀後半から8世紀後半のころに詠まれた5400首以上もの歌をまとめた和歌集ですから、とても古いことがわかりますね。また、天皇や貴族といった高貴な身分の人だけではなく、当時のさまざまな身分の人々が詠んだ歌ですから、多くの人から親しまれたことが分かりますね。

そんなコナギですが、古くから江戸の時代では食用として使われていた歴史があります。今は日本で食用の伝統が薄れつつあり、より強害草として使用される傾向が強いものの、世界を見渡すとベトナムなどの国で料理に使われていることがあります。そんなコナギが一体どこから伝わったのかというと、東南アジアであるとされています。

原産国は東南アジアで、水稲耕作の伝承が始まると同時に、各地へ広がったということが考えられています。稲作が伝わったのは、何千年も前の話ですから、古い時代から、人間と共存してきている植物ということが良く分かります。この稲作と同時に古い時代からある植物のため、日本にある種類も史前帰化植物と考えられています。

コナギの特徴

コナギは、原産国を東アジアとする植物です。生息地は東南アジア全域に広く分布していて、日本国内でも広く見られる植物のひとつとなります。一年草であり、地下茎をもたない植物です。高さが10cm~30cmほどになる植物ですが、根元が数本に枝分かれすることで横に広がり成長をしていきます。

小柄に育っているものは、地表をわずかに這う程度の短い植物ですが、大きくなれば斜めに立ち上がるようにして成長をしていくのが特徴です。葉はハート型でかわいらしく、たてに長く細い柄が入ります。ただし、葉の身の形は成長の段階をおっても変化し、大きくなるほどに幅広くしっかりとしてきます。葉の色は鮮やかな緑色で、水面下に良く生えて見える種類です。

表面はつややかで柔らかな印象を持つので、人々に愛されてきたのが良く分かりますね。美しくかわいらしい花なので、水辺でいつまでも見て痛くなるような愛らしさを持っています。そんな花が咲くのは、夏の終り頃から秋の終わりごろになります。暑い夏の時期を抜けたら、鮮やかな紫色の花が顔を出す美しい時期です。

花が実るのは、葉柄の基の部分です。花は短く、ちょこんと葉の間から顔を出すように除きます。花自体は大きくはなく、どちらかというと小さめで花弁が細長いのが特徴です。受粉後には、果実を実らせます。そして、果実を実らせた後に花穂が萎れて下向きになります。下向きになることで、水面下に華が着き、冬ごろには種子が水面に浮かび散布されます。

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