キャットミントの育て方

キャットミントの育て方

キャットミントは西アジア及び地中海沿岸などの北半球が原産地となっています。英名では猫を意味するキャットが使われていますが、和名ではイヌハッカと呼ばれています。

キャットミントの育てる環境について

キャットミントは暑さ寒さに強く、とても丈夫で育てやすくい植物です。栽培に適している環境は、日当たりと土壌の水はけが良い場所になります。しっかりと根が張れば乾燥にも強くなり、半日陰でも十分育つのでそれほど栽培に手がかかりません。

ただし蒸れには注意が必要で、植える際には風通しの良い場所を選ぶようにします。寒さや乾燥に対してはある程度の耐性があるのですが、高温多湿の環境には弱いため育て方についても梅雨時期の管理には十分注意して、茂り過ぎているときには刈りこんで風通しを良くするようにします。

キャットミントは生育が早いため、多少刈り込み過ぎてもすぐに伸びてきます。茎が伸びすぎて形が乱れたり、株が痛んできた場合にも刈り込みをすると、再び生えてくるのできれいな状態を保つことができます。気温が上がってきたらこまめに刈り込みをしておくと、湿度対策になり、

株がこんもりとした美しい姿になっていきます。もともと乾燥には強いのですが、葉に白い産毛が目立つ種類は特に乾燥に強くなっています。ロックガーデンに利用されることも多く、さまざまな品種が混在するボーダーガーデンでもよく栽培されています。

ボーダーガーデンに使用する際には植物同士が密着しないように、湿度に気を配って植えるようにします。冬になると葉が落ちるのですが、暖かい地域では葉が枯れないまま冬を越す場合もあります。環境さえ整っていれば栽培にはそれほど手がかかりません。

種付けや水やり、肥料について

キャットミントは横に広がる性質があるので、植える際は両側の植物とある程度距離をとって植えるようにします。植付けに適しているのは春と秋になり、水はけをポイントにして土壌を選ぶと良く育ちます。タネはあまり深く上過ぎないように気をつけます。

庭に植える時は事前によく耕しておいて張りやすいようにしておきましょう。根が植え替えも同じく春と秋に行うようにして、プランター栽培で発育が悪くなってきた時には、根を刈り込んで植え替えをします。乾燥に強いため、庭で育てる場合には水やりはほとんど必要なく放任で育てます。

夏の水分が蒸発しやすい時期には、気温が下がって涼しくなってきた頃に水を与えます。プランターで育てている場合は、表面の土が乾いてきたらたっぷりと水をあげるようにします。キャットミントは養分の少ない土地でも育つため、

肥料を与え過ぎるとかえって病気になりやすくなったり根腐れを起こすことがあります。庭植えの場合は植えつけの際に腐葉土やたい肥を混ぜ込んでおけばあとは特に必要ありませんが、鉢植えの場合春と秋に置き肥をして、さらに春から夏の最も成長する期間には液肥を与えるようにします。

日頃の手入れでは密集してきた枝の刈り込みを行い、花が咲き終わった後も枝を3~4節残して刈り込んでおくと再び枝が伸びてくるので、花が長く楽しめます。冬になったら芽を切らないように気をつけて株を短く刈り込んでおき、次の開花までの間株を休ませるようにします。

キャットミントの増やし方や害虫について

キャットミントは植付けや植え替えと同じ時期の春と秋に株分けをします。株分けで植える際には30cmから50cmほど間隔をとります。挿し芽についても同様の時期に行うようにして、若芽を切って水はけの良い場所に植えます。挿し芽は伸びてしまった茎を切るのです。

しかし、その際には茎や葉の付け根についているこれから成長する新芽を傷つけないように注意してカットします。これをそのまま土に植えることもできますが、一旦水に挿しておいて根が生えてきてから植えるようにすると、植えた後にすぐ枯れてしまうといった失敗が少なくなります。

この作業は春秋が適していますが、気温によっては温暖な地域では冬に、寒冷地の場合には夏に行うこともできます。キャットミントは防虫効果のある成分を含んだ植物なので、害虫の心配はないのですが、時折アブラムシがつくことがあります。

病気についてもあまり心配はありませんが、灰色かび病にかかることがあります。この病気は低温多湿で多く発生し、葉茎が腐ってやがてカビに覆われてしまいます。高温になる夏には発生が少なく、春先から梅雨時期に多くなるため、この時期の風通しには十分注意してください。

プランターで栽培している場合には水を多く与え過ぎることも原因となります。この病気の対策としては、風通しと湿度に気を配ることで灰色かび病は防げます。湿度が高くなる梅雨前には、株元から1/3を残して刈り込んでしまうとその後の手入れもしやすくなります。

キャットミントの歴史

キャットミントは西アジア及び地中海沿岸などの北半球が原産地となっています。英名では猫を意味するキャットが使われていますが、和名ではイヌハッカと呼ばれています。この場合のイヌは実際の犬とは関わりはなく、実用性のないものや偽りの物といった場合に付けられることが多いです。

ハッカに似ているけれどハッカほど役に立たないといった意味合いでイヌハッカと名付けられました。ハッカ自体は日本でも自生していますが、キャットミントのようにヨーロッパなどが生息地となっているミントが日本に伝わったのは江戸時代後期になります。

キャットミントはハーブティーとしてもよく利用されています。カルバクロール・ネペトラクトン・チモール・タンニン・ゲラニオールなどの成分が含まれていることから、鎮痛や殺菌、リラックス効果をもたらすとされ、安眠したい時や風邪をひいた時などに利用されています。

また、肉料理の香り付けなどに使うこともあります。キャットミントの成分には防虫効果をもたらすものもあるため、乾燥させてポプリにして洋服ダンスに入れておくといった利用法もできます。その他にも、炎症を抑えたり収れん作用があるため、

バスタブに入れて入浴剤として楽しむこともできます。海外から日本に伝来してきた時にはたいして役に立たないと思われていたキャットミントですが、庭に彩りを添えるだけではなく、実はたくさんの利用方法があるので栽培をしておくととても役に立ちます。

キャットミントの特徴

キャットミントは学名をネペタ(Nepeta)と言い、およそ250の品種が存在します。その中で主にキャットミントとされている物がムッシーニという種類になりますが、他にもムッシーニとネペテラを掛け合わせたブルーキャットミントと呼ばれるファーセニーなどさまざまな種類があります。

ひとつの茎から小さな花が穂のように咲いて株元からたくさんの枝が分かれるので、こんもりと株が広がるように育ち、ナチュラルなガーデンに向いています。小さな葉にはしなやかな白い毛が生えていて、花の色はブルー、濃青紫、白、ピンクなどがあり、

園芸用の改良品種はとても育てやすくなっています。開花の時期は春から初夏になり、高さは約30cm~50cm、種類によっては1mほどになる場合もあります。バラの開花時期と重なるため、ローズガーデンにも適しています。品種や育てる地域によっては9月から11月に花が咲きます。

ミント特有の香りがあり猫が好むキャットニップと同じ仲間になりますが、キャットミントは比較的その効果は弱くなっています。主な品種には花つきが良く株の中央部にボリュームの出る「ウォーカーズロウ」、淡いピンクの花とシルバーを帯びた葉茎が特徴の

「ピンクキャンディ」、大型で生育が早くガーデンに映える「シックスヒルジャイアント」などがあります。キャットミントは宿根草のため、肥料を与えたり剪定を行うといった管理をきちんと行うことで何年も楽しめる植物です。

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