玉ねぎの育て方
![玉ねぎの育て方](https://www.sodatekata-box.jp/wp-content/uploads/2015/03/pixta_tamanegi_01.jpg)
玉ねぎの育て方と種付け及び苗床作り
野菜には冬越しをさせて栽培するものがありますが玉ねぎはその代表的な野菜です。通常の状態では、冬越しの後5月に花が咲き6月に種をつけます。しかし、花であるネギ坊主が出来てしまうということは、玉ねぎの栽培は失敗ということになりますので、花芽分化の条件を知っておく必要があります。
「とう立ち」といわれるこの状態になると、心が固くなり球が大きくならず野菜としての価値がなくなってしまいます。これを防ぐためには植え付ける苗の大きさを知っておくことが育て方のポイントとなります。
苗の太さは例えて言えば鉛筆ほどの太さが望ましく、これより太いもであると寒さにあうことで花が咲いてしまいまた、これより細いと寒さで傷んでしまう可能性が高くなります。このことを踏まえたうえで苗作りを行います。
まず、苗床を作る畑に、苦土石灰を1㎡あたり100~200gほど混ぜ、耕しておきます。更にその1週間後に堆肥2㎏と化学肥料を50g程度を土に混ぜ込みながら幅70~100㎝、高さ10~15㎝程の苗床を作ります。
この苗床にばら蒔きか条まきで種付けをし、薄く覆土をして水をまきます。プランターで種付けをして苗を作る場合も同じです。用土を10㎝程の深さに入れ、条間を5㎝程とって株間を1㎝の間隔で種付けをします。
苗の育て方は基本的に毎日水やりをして間引きしながら育てます。間引きは?丈が10㎝程に育ったころに行い3~5㎝程に間引きして栽培していきます。この状態で2か月ほどすると?丈が25㎝程になり鉛筆ほどの大きさに成長します。
前述したとおりこの植え付けるときの苗の大きさは育て方のポイントとなりますのでよく見極める必要があります。自分で苗を作らず購入する際も苗の大きさはよく確認する必要あります。できれば苗はインターネットなどで購入するのではなく、自分の目で確かめた方が失敗が少ないでしょう。
玉ねぎの植え付けとその後の育て方
玉ねぎの苗を植え付ける準備として約2週間ほど前に畝を作ります。この時、石灰を混ぜて耕して植え付ける1週間前には堆肥や化学肥料を施しておきます。マルチは付けなくても育てるのは可能です。ですが付けた方が雑草の予防や保湿効果からも良い結果が得られます。
植え付けは条間を20㎝程にとって株間を15㎝~18㎝として植えます。また、この時深さを3㎝程としてそれ以上の深植えにならないようにしましょう。指や割り箸で穴をあけ、そこに苗を植え付けて株元を軽く抑えた後、水やりをしておきます。
玉ねぎは、植え付けの後に窒素が利きすぎると耐寒性が落ちてしまいます。また、その後にリン酸が利きすぎると腐りやすくなります。このため、1回目の追肥は窒素が利きすぎて耐寒に難が出ないように1月の中旬ごろに行います。
そして2回目の追肥は腐敗を起こさないようにするために2月下旬~3月上旬に行います。玉ねぎは、寒さには強く防寒対策はそれほど必要としませんが近年の異常気象で非常に冷え込む日も予想されますので、株元におがくずなどを被せておくと安心です。
また、根の肥大化には日長条件が大きくかかわってきますので短日・中日・長日といったそれぞれの品種によって分化していますが、大まかに言って日本で栽培されているものでは春まきが14時間以上の長日条件の下で結球し、秋まきの場合が12時間ほどの中日条件で結球します。
その後温度条件も関係して肥大化が促進されます。玉が成熟してくると?が倒れてきて数か月の休眠状態に入ります。
玉ねぎの収穫と保存
5月頃に早めに収穫することで、「?玉ねぎ」として収穫することもできます。それ以外は品種にもよりますが6月頃に?がしなびて倒れてきたのを目安に適宜に収穫します。収穫する日は雨の日を避けて行います。
収穫するのが遅れると軟弱な球になってしまいますのでまだ青みのあるうちに収穫しましょう。収穫した後はそのまま畑に広げて乾燥させます。また、軒下など雨の当たらない風通しの良い場所に吊るして保存してもよいでしょう。
この時の湿気は大敵なので乾燥は、2~3日ほど必要になりますから予め天気予報を確認して晴天が続く日に行います。その後ネットやカゴに入れて風通しの良い冷暗所に保存します。品種によっても違いますがほぼ2~3か月ほど保存できます。
この時、玉ねぎは休眠状態になっており死んでいるのではなく、いわばまだ眠っている状態です。乾燥などの過酷な環境に耐えるための玉ねぎの習性で休眠状態になっているだけなのです。この間、芽や根の成長も止まり仮死状態にあります。
このために長い間保存ができるわけです。なお、乾燥した後は冷蔵庫などに入れるとかえって腐敗しやすくなりますので注意が必要です。保存期間は品種によっても異なりますのでよく調べて貯蔵期間内に使い切ることが必要です。
水分の多い品種ですと干すよりも冷蔵庫の野菜室で保存したほうが長持ちして味も落ちません。また、使いかけの玉ねぎもラップをして冷蔵庫に保管します。
玉ねぎの歴史
中央アジアが原産といわれていますが、野生種は確認されておらずこの地域がもともとの生息地であったかどうかも定かではありません。しかし。その栽培の歴史は古く、紀元前のエジプトでは、ニンニクなどと一緒に労働者に向けに配給されていました。
玉ねぎのスタミナアップの効果はこの頃から体験的に知られていたようでピラミッドの建設に携わる労働者達が支給された玉ねぎを食べることによって過酷な労働に耐えていたという説まであります。
このように食用野菜としての歴史は古く紀元前3千年前の古代エジプト、メソポタミア文明の時代まで遡ることが出来ます。また、ヨーロッパの地中海沿岸に伝わったものは、バルカン半島諸国やルーマニアといった地域で辛味の強い品種が作られ南ヨーロッパの地方では辛味の少ない品種が作られました。
どちらも肉や魚料理に合う野菜として好まれ、幅広く栽培されるようになりました。この頃作られた品種が現在の玉ねぎの原型となりました。これらのものはさらにアメリカに伝えられることによって16世紀に入ると様々な品種が生まれることになりました。
一方原産地から東側のアジア地域には伝わっておらず、日本へは西側から伝わることになります。時代は江戸時代で南蛮船によって長崎に伝えられましたが当時は、長ねぎの需要のほうが高く玉ねぎは観賞用にとどまることになりました。
玉ねぎの特徴
ユリ科の植物で現在出回っているのは黄玉ねぎといわれるものです。生でも調理できたりまた、煮たり炒めたりして加熱すると玉ねぎ独特の甘みを引き出すことが出来、これがほかの食材のうまみを引き出してくれます。
春に出回るものは辛味が少なく生で食するのに最適でサラダなどに用います。また中には赤く色付くものもあり料理の彩を鮮やかにするのに用いられます。主な栄養成分は、炭水化物とビタミンC・B1・B2・の他、ミネラル分としてカリウム・カルシウムを含み食物繊維も豊富です。
また、ネギ類共通の独特の香りの基となる硫化アリルを含んでおり、刻むときに目に染みる効果の他には体温を上げ新陳代謝を活発にして免疫力を高め、消化器官を活発にし疲労回復の効果を期待できます。
このほかにケルセチンというフラボノイドの一種が含まれています。フラボノイドは植物の色素成分ですが、この物質には、強い抗酸化作用があると言われており、これによってがんの予防や動脈硬化の予防といった成人病にも良いとされています。
野菜の育て方など色々な植物の育て方に興味がある方は下記の記事も凄く参考になります♪
タイトル:アリウムの育て方
タイトル:ニンニクの育て方
タイトル:タマネギの育て方
-
-
シロタエギクの育て方
シロタエギクの原産地は、地中海に面した南ヨーロッパの海岸地帯です。現在ではイギリス(連合王国)南部を含むヨーロッパの広い...
-
-
スタージャスミン(トウキョウチクトウ)の育て方
スタージャスミン(トウキョウチクトウ)とは、キョウチクトウ科テイカカズラ属の植物で、学名をTrachelospermum...
-
-
シロヤマブキの育て方
バラ科ヤマブキ属、シロヤマブキ属のような区別がなかった時代には、それが白山吹のことを示すのか、山吹のことを示すのかはわか...
-
-
タイサンボクの育て方
タイサンボクはモクレン科モクレン属の常緑高木で、北米中南部が原産です。タイサンボクの木は大山木や泰山木という字も使用され...
-
-
ランタナの育て方
一つの花の中にとても多くの色を持つランタナは、とても人気の高い植物で多くの家の庭先で見かける可愛らしい花です。ランタナ(...
-
-
ダボエシアの育て方
ダボエシアは学名でDaboeciacantabrica’bicolor’といいますが、分類で言うとツツジ科ダボエシカ属に...
-
-
観葉植物としても人気があるイチゴの育て方
イチゴは収穫が多く病気や虫に強いので、家庭菜園で人気です。イチゴの中でも比較的葉が多いワイルドストロベリーは観葉植物とし...
-
-
バージニアストックの育て方
バージニアストックは、別名マルコミアと呼ばれるアブラナの仲間です。花がストックに似ていることからこのような名前が付けられ...
-
-
ハンカチノキの育て方
ハンカチノキはミズキ科ハンカチノキ属の落葉高木です。中国四川省・雲南省付近が原産で、標高1500~2000m位の標高の湿...
-
-
ゴンズイの育て方
この植物はミツバウツギ科の植物で、落葉樹でもあり、樹高は3メートルから6メートルぐらいということです。庭木としても見栄え...
中央アジアが原産といわれていますが、野生種は確認されておらずこの地域がもともとの生息地であったかどうかも定かではありません。しかし。その栽培の歴史は古く、紀元前のエジプトでは、ニンニクなどと一緒に労働者に向けに配給されていました。