つるありいんげんの育て方

つるありいんげんの育て方

インゲンは17000種に及ぶ植物、多くの渡り鳥の生息地で知られる中米原産です。スペイン人によりヨーロッパに持ち帰られたのち、16世紀末にヨーロッパを経由して中国に伝わり、17世紀に日本に伝わったと考えられています。

畑の準備と種まき

種付け前に、1㎡あたりボカシ300gと草木灰をまき、レーキ等で表土と混ぜ合わせておきます。前作の肥料残り具合によっては無肥料でもかまいません。1条播きの育て方としては、畝幅30cm、高さ10cmの畝を立て、株間30cmをとり点播きします。

2条播きの育て方としては、畝幅90cm、高さ10cmの畝に2条、株間はやはり30cmをとり点播きします。65cmのプランターでの育て方としては2株を目安に種付け行います。指先などで軽くくぼみをつくって一穴に2~3粒ずつ種付けしていきます。

覆土は(種の厚さの倍、1cm程度かけて手、あるいは足でしっかり押さえます。鳥の害があるようなところで栽培するときは、蒔き条の上に10cmくらいの高さで糸を一本張っておくとよいでしょう。

あるいは寒冷紗をかけ、隙間から鳥が入り込めないように周囲に土をかけておさえます。つるありいんげんは種付け後、約5~6日で発芽します。約1ヵ月ごろになったら、苗が混み合っている所は丈夫な苗を残し、間引きをして2本仕立てとします。

支柱(緑のカーテン仕様)と追肥

つるありいんげんは、本葉が5~6枚でてきたら10cm角程度のつるものようネットと高さ1.8~2mくらいの支柱を用意します。2条で栽培した場合には、株が並んでいる中央を山にして、株元に1本ずつ支柱を斜めに立てます。

収穫しやすいように1.2mくらいのところで交差して組みます。支柱は風で倒れないようにしっかりと立てておきます。つるが巻き付いてしまってから支柱を組みなおすのは非常に大変です。

支柱に竹を使用する場合、できれば竹は冬の間(10~2月)に切って用意しておくと、水分が少なく、腐りにくいようです。追肥は草丈が20cmくらいになったら与えます。その後は2週間おきに様子をみながら適量与えます。開花着莢時期に水分が不足すると落花や曲がりさやが多くなるので、十分な潅水を行うことが大切です。

病害虫

つるありいんげんは、初期のうちからアブラムシがつきやすいので葉の裏まで丁寧に観察して駆除しましょう。アブラムシは光るものを嫌うので、発生する前にアルミホイルを置いておくと多少効果があります。また、牛乳を噴霧することで、アブラムシを窒息させるという方法もあります。

アブラムシは汁を吸って株を弱らせるだけでなく、ウィルスによる病気を媒介することもあります。もうひとつはハダニです。成虫、幼虫ともに葉裏に集まり、吸汁して加害します。食害された跡は、葉に小さな白色の斑点やかすり傷模様ができるのが特徴です。

ハダニは集団で葉の裏に寄生しているため、セロテープやガムテープなどで貼り付けて一気に駆除することができます。またアブラムシ同様、牛乳に散布により窒息させる方法もあります。病気としてはつる枯病、モザイク病があります。

つる枯病は茎・葉脈にえそを生じ、株は萎凋して枯死してしまいます。アブラムシの防除を徹底すること、周辺からクローバー類を除去することで発生を抑えることができます。モザイク病は葉が濃淡のモザイク状となる、葉脈透化、葉の縮れ、株の萎縮、葉の変形などが特徴としてあげられます。

こちらについても、アブラムシの除去を行うことで、発生を抑えることができます。いずれも、密植をさけ、日当たりがよく風通しをよくすることで、発生を軽減できます。まずは物理的要因に留意した育て方を心がけましょう。

収穫と採取

開花後、2週間前後が収穫の目安です。つるありいんげんは、さやが柔らかいうちに収穫します。中の豆が大きくなってさやがふくらんでくると、さやが硬くなってしまいます。つるありいんげんは次々に一気になるので、採り遅れないように注意します。

早め早めの収穫を心がけましょう。採り遅れは、さやの品質が低下するばかりでなく、草勢を低下させる原因にもなります。さやを引っ張ると茎まで折れてしまうことがあるので、さやのつけ根を持ってやるようにして収穫を行います。

完熟した豆を目的として収穫する場合は次のようにします。完熟の目安は、外のさやが薄茶色になり、刈れてからからになったころです。さやを少し割ってみて、豆が硬く、目的とする豆の色になっていたら収穫します。

さやごとに完熟の度合いは違うので、完熟したものから順に刈り取り、天気の良い日に直射日光に当て、乾かします。軽くたたいてさやから外し、傷んでいるものを取り除き、さらに陰干ししてから保管します。最後に採種方法を説明します。

健康に育った株の中で形のよい立派なさやを収穫せずに残しておきます。さやが薄茶色になって枯れてきたら刈り取って、直射日光に当てて乾かします。そのあと、さやから種を取り出して、痛んでいるものを除き、もう一度乾燥させて保管します。

以上、つるなありいんげんの栽培方法を説明しましたが、つるなし、つるあり等、いくつかの品種を組み合わせて栽培すると長い期間、収穫を楽しむことができます。

つるありいんげんの歴史

インゲンは17000種に及ぶ植物、多くの渡り鳥の生息地で知られる中米原産です。スペイン人によりヨーロッパに持ち帰られたのち、16世紀末にヨーロッパを経由して中国に伝わり、17世紀に日本に伝わったと考えられています。

江戸時代の1645年、明からの帰化僧、隠元(いんげん)禅師が持ち込んだことから、この名がついたと言われています。実際にはフジマメ(藤豆、フジマメ属)を持ち帰り、インゲンはもっと後になって持ち込まれたという説もあります。

このためかどうか定かではありませんが、関西ではフジマメをインゲンマメと呼び、インゲンマメはフジマメと呼ぶそうです。サヤインゲンは1年に3回収穫できるので三度豆と呼ぶところもあります。本格的な栽培は、アメリカから品種を導入し、北海道開拓がはじまる明治時代初期にはじまりました。

今では、南は沖縄まで全国各地で栽培されています。日本では北海道が主産地となっており、中でも十勝平野が栽培の中心です。 特に、大正金時は最も人気がある品種です。江戸時代、どんな荒れ地にもよく育つと言われたこの野菜は各種ビタミン、カルシウム、タンパク質など栄養面に優れ、飢饉の時に大変役にたったとのことです。

つるありインゲンの特徴

同じマメ科のソラマメやエンドウとは異なり、温暖性の作物です。日当たりがよく、保湿力のある場所を好みますが、水が停滞するようなところは不向きで、水はけが良いところいいでしょう。4月~8月末頃まで随時、種付けを行えますが、夏野気温が30℃を超えると実を結ばなくなることがあります。

また、霜に弱いので適期に栽培する必要があります。秋に播くと成長期に霜が降りるため高確率で枯れます。つるなしいんげんは支柱を立てなくてすむというメリットはありますが、つるありいんげんに比べて収穫時期が短いというデメリットがあります。反面、つるありいんげんは支柱は必要となりますが、長期間収穫することができます。

エンドウやニガウリでは、巻きひげがくるくると巻き付きながら伸びるので、竹を支柱とする場合には太い小枝つきの竹を使用しますが、つるありいんげんは、茎そのものの先端が支柱に巻き付きながらのびるため、やや細い支柱でも使用できます。つるは1.5m以上に旺盛に茂り、側枝もよく発生するので緑のカーテンに向いています。ただし、連作を嫌う作物なので、2~3年の輪作がよいでしょう。

インゲンの育て方など色々な植物の育て方に興味がある方は下記の記事も凄く参考になります♪
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