ゲウムの育て方

ゲウムの育て方

ゲウムは、バラ科 のダイコンソウ属(ゲウム属)であり、日本のに山に咲く「ダイコンソウ」と同じ仲間です。そのためゲウムを「ダイコンソウ」として店頭に並べられていることもあります。

ゲウムの育てる環境について

冬に地上部が枯れてしまっても、また温かくなれば芽を出して花を咲かせてくれる宿根草です。秋に種をまけば翌年の初夏には花を咲かせます。一般的には苗から植えて育てますが、園芸品種であれば、種からでも環境が適していれば育てることはできます。

自生種とは異なり、園芸種は湿気に弱く、高温を嫌うものが多いことから、夏越しは特に慎重に行います。できる限り水はけをよいところを選び、その上で乾燥させないように気をつけます。とはいえ、比較的乾燥には強く改良されていますので、土が乾いてきたらしっかりと水やりを行えばよいでしょう。

真夏は風通しの良い半日蔭の場所での管理が適しています。春と秋のように気候が良い時期は、よく日に当てます。開花には寒さに充てることが必要です。そのため冬の低温が必要ですが、耐寒温度はマイナス10度ほどです。よほどの寒冷地でないならば、戸外で冬を越すことができます。

形状がロゼット状に広がっている葉の中から細長い茎を伸ばして花をつけるものですから、花ガラを摘まないで放置していると、茎の途中から折れてしまいます。花ガラはマメに取り除くとよいでしょう。タネを取るつもりであれば、その点にも配慮しつつ摘みます。

気をつけていると、ちゃんとタネができます。タネはトゲトゲがついているもので、それが動物の毛や服につくことで、広範囲に移動し、そこでまた芽を出します。チングルマのタネのように、クルリと巻いた形状のものもあります。タネにもなかなかの風情があり、タネ鑑賞も人気があります。

ゲウムの種付けや水やり、肥料について

一般的には苗を購入して植え付けを行いますが、種からでも増やすことは可能です。育て方は湿気と乾燥、直射日光に気をつけていれば、比較的容易です。しかし苗から植え付けを行う時には、植え方に細心の注意が必要です。ゲウムは直根性で、太い根が生えるタイプです。

根が傷ついてしまうと成長不良が起き、枯れてしまうこともあります。庭植えを行っている株を植え替えたりするのは大変難しく、根を傷つけてしまいそうであればしない方が無難です。また鉢植えやポットに植えてあるものを植え替える時には、根を崩さないことがポイントです。

店頭で鉢植えされている大型のものを植え替えるのはなかなか困難ですのでそのままで楽しむか、植え替えをもともと希望しているのであれば、苗をポットで購入するのが安全です。その際にも、土は絶対に崩してはいけません。土は、鉢植えであれば市販されているような培養土で構いません。

山野草かた派生したものの場合には、山野草に適している土が向いています。鹿沼土や軽石の多いく、水はけのよい土を使います。タネから育てるのがオススメですが、今の園芸品種には、タネを作らないものや栄養系品種も見られます。それらを増やす場合には、

苗で購入したり、株分けを行う以外ありません。また育ち過ぎて芽が混むと、蒸れやすくなり、枯れてしまうこともあります。その時には、株分けと植え直しが必要です。要領さえつかめれば、根を傷つけることなく植え替え出来るようになります。毎年花を咲かせるものの、古株ほど枯れやすい傾向にあります。

そのままのポジションを保ちたいということであれば、数年ごとにタネをまいて上手く更新しましょう。植え付けや植え替えの時期は、3月もしくな10月あたりが適しています。鉢植えの場合、肥料は成長期にあたる春と秋に与え、夏を迎えた時に肥料分が残っていない程度に量を調整します。

ゲウムの増やし方や害虫について

根を傷つける心配がないことから種から増やすのがオススメですが、ポットなどを購入して植える、もしくは現在株が大きくなりすぎているものの株分けで増やす方法もあります。混みすぎや多湿で灰色かび病などが出やすくなります。つきやすい害虫は、アブラムシやヨトウムシなどです。

モザイク病などのウイルスを運んでくる可能性もありますので、マメに防虫や駆除を行いましょう。また病気では、灰色かび病などにかかりやすいものです。灰色かび病は、茎葉が腐り、果てには灰色のカビに覆われてしまう病気です。花に直接症状が出る場合には、

花びらに水玉の跡のようながものが付きはじめ、白色の花では赤、その他の色では白の点々が出始めます。病気が更に悪化すると、花が褐色になり腐り灰色のカビに覆われることになります。ゲウムの場合には、風通しが悪く湿気帯び、高温である時などが特に発生しやすくなります。

水のやりすぎなどが起因することもありますが、株が混み過ぎて風通しに問題が生まれていることも原因となっていることがあります。そのためにも、株分けが必要になります。病気になった部分は早急に取り除くことが必要です。枯れた部分でも病原菌は残っています。

病原菌の侵入は、害虫が食べた後やしおれてしまった花びらからも起こります。またチッ素過多で弱く育った植物の組織などから容易に侵入します。害虫を防いだり駆除したりももちろん必要ですが、咲き終わった花ガラをマメに摘んだり、チッ素過多にならぬよう適切な肥料などの管理は不可欠です。

ゲウムの歴史

ゲウムは、バラ科 のダイコンソウ属(ゲウム属)であり、日本のに山に咲く「ダイコンソウ」と同じ仲間です。そのためゲウムを「ダイコンソウ」として店頭に並べられていることもあります。日本においては「ダイコンソウ」とも「ゲウム」とも呼ばれていますが、

ゲウム」呼ばれる場合には園芸用に作られていると考えてよいでしょう。ユーラシア、南北アメリカなどを原産国としていますが、自生種に関しては温帯と冷帯を中心に広範囲を生息地とし、世界に50種ほどが存在しています。園芸品種の場合には、100種ほどがあります。

ダイコンソウは葉がロゼットでダイコンの葉に似ていることからその名がつきましたが、ゲウムも葉はそれに似ています。しかしダイコンのような太い根は持たず、アブラナ科のダイコンとは違います。花言葉は「前途洋々」「将来有望」といった、明るく活発なイメージです。

まっすぐに延びた茎に空に向かって開く花が、そのようなイメージを想起させるものだからでしょう。中国や日本では、古くから貧血やむくみに使う薬草や葉を生のまま打ち身の外用薬するなどに用いられていました。園芸品種に中にも、ハーブとして可能なものがあります。

中国では水楊梅と呼ばれていますが、ヤマモモである楊梅となにかしらの関係があるのかと思われがちですが、まったくありません。ヨーロッパでも「病気を身体から追い出す魔法」に使われる草の一種として、その用法がのこされているものもみられます。セイヨウダイコンソウは、薬用とされています。

ゲウムの特徴

自生しているダイコンソウと流通しているのとは、全く種類が違うと理解して方が賢明です。流通しているゲウムは、ヨーロッパ品種の種間交雑によって生まれた品種です。 ダイコンソウはもともと湿気帯びた場所に育つ山野草です。日本においては平野部でも頻繁に見かけますが、

山地性や高山性のものもあり、高山植物のチングルマは、ダイコンソウの仲間の中でも特によく知られています。過酷な環境下でも花を咲かせています。しかし園芸品種は湿気が多い状態が長く続けば、腐って枯れます。 その反面、育てやすいように、乾燥に強く改良されています。

花壇や鉢などの栽培によく用いられているのは、花が大きく色鮮やかな種ですが、欧州原産のベニバナダイコンソウや南米チリ原産のチリダイコンソウなどがそれです。なにから品種改良を行ったかによってその特性は受け継がれてゆきますので、高山性の種類や小型のものから、

改良されたものはロックガーデンなどに用いられます。日本の野山で見かけるダイコンソウは主に黄色ですが、流通しているゲウムは朱色。そのほかにも橙色や白、紫、八重咲きなどが見られます。特に八重咲きは可憐な中にも豪華さがあり、大変人気が高いものです。

それほど珍しい花ではありませんが、店頭に常に並ぶほどポピュラーではありません。お店で見かけた時には、もし気に入った花であるならば、一期一会と考えてその時に購入するのが無難です。日本においての普及は、限られている状態です。

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